東芝のビジネス

電子デバイス事業
未来の自動運転を担う車載マーケットへの取り組み Vol.1

東芝の半導体技術を活かし、未来の自動車の「安全」「環境」「情報」を担う。社会を変える市場に関わる醍醐味と責任が、車載マーケットに携わる者の矜持
COMPANY カンパニーについて
スマートフォンやタブレットをはじめ自動車、飛行機、医療機器、さらには家電製品に至るまで、半導体はさまざまな製品に搭載され、その製品の品質や機能を左右する心臓部に使われています。当社は世界でもトップレベルにランクされる半導体技術を駆使し、メモリやストレージ、ディスクリート、ミックスドシグナルIC、ロジックLSIなどの幅広い製品群で、多岐にわたる社会の要請に応えています。そして半導体の可能性を追求することで、未来の社会へ貢献していきます。
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PROFILE
池田 修 ストレージ&デバイスソリューション社 電子デバイス営業統括部 車載営業推進部 課長

入社後ディスクリート半導体営業推進部で事業戦略・マーケティングを経験後、営業職としてキャリアを重ね、2013年より現職。
※組織名称は取材当時のものです

電子デバイス事業 車載営業推進部が注力している事業

スマートフォンやタブレットに半導体が使われていることはイメージしやすいことでしょう。そして現在半導体市場はモバイル端末に次いで、自動車への車載マーケットが急成長していることはご存じでしょうか。衝突回避、パーキングアシスト、自動走行など、この数年での自動車における技術革新の発展は、各自動車メーカーによるCMや報道を通じて知られるところです。この事実に追随して半導体の車載マーケットも、自動車の自動運転(高度運転支援システムによる連続走行の実現)をスタートさせる予定の2020年に向けて、市場は右肩上がりで拡がっていくことが見込まれています。わたしたちの顧客となる自動車産業各社が見据えている課題は、「将来のエネルギー問題」

「地球温暖化に対応するための燃費向上」「排気ガス対策」「交通事故死者削減のための高度運転支援」「自動運転」と多岐にわたります。こうした重要課題に長年培ってきた半導体技術を活用し、車載半導体という最先端半導体テクノロジーを通じて応えていくこと。それが電子デバイス事業 車載営業推進部の大切なミッションとなります。

自動車自体の変化はまた、自動車を取り巻く環境にも影響を及ぼすことになるでしょう。例えば、高度運転支援システムが搭載された自動車に対しては、自動車保険の割引適用という動きが出ています。また、道路をはじめとしたインフラの見直しも進む一方で、排気ガスへの規制もより強化されることでしょう。自動車そして周囲の環境変化は、車載マーケットにおいてはきわめて追い風となっています。自動車市場のさらなる深化に対して、東芝の総合力を活かし新たな価値を提供する。それが、わたしたちが大切にしている信念です。

この事業分野における東芝の特長と強み

車載マーケットにおいての東芝の強み、それはメモリ、マイコン、アナログIC、ディスクリートなど、製品群の幅広さと、自動車産業各社に対して高レベルでの品質要求に応えてきたという実績です。わたしたちは、半導体業界内の先駆けとして2006年に専門部署としてスタートしました。早くから車載マーケットの成長性を捉え、専門部署化したことは、現在の実績に大きく役立っています。このことにより組織の壁を越え、東芝が長年培ってきた総合力を活かした技術開発が可能となったのです。

現在、わたしたちは車載マーケットを3つのキーワードで表しています。それは「安全」「環境」そして「情報」です。「安全」は、安全技術を意味します。既に数車種に搭載されている自動車先進運転支援システム・エーダス(ADAS)は、まさに自動車の「目」あるいは「脳」にあたる技術。ここでは郵便局の自動仕分けシステムなどで培ってきた画像認識プロセッサを活用した技術が応用されています。「環境」は地球環境との適合技術を意味し、エンジンをはじめとした運転を司る重要部に対してのモータ制御技術が主なフィールドとなります。東芝は発電所のタービンからエレベータ、洗濯機に至るまでモータ制御技術の知見を豊富に有しています。これらの制御技術を半導体に実装し提供することで、自動車の燃費向上、排気ガス対策に貢献しています。「情報」は、快適さを追求する情報技術。ここでは市場競争力のあるNAND型フラッシュメモリをはじめとした各種ストレージ製品を通じて顧客ニーズに応えています。特にNAND型フラッシュメモリは、1984年に東芝が世界に先駆けて実用化を果たした半導体メモリです。多様な産業機器に使われ、今では世界標準のデバイスとなっています。NAND型フラッシュメモリを起爆剤に、東芝が培ってきた高い技術力で車載マーケットをリードしていきます。

車載マーケット、今後のビジョン

自動車産業は、日本ばかりではなく海外においても大きく変化することが予想されています。中長期視点で捉えれば、世界中の自動車は、自動運転へと確実に進化していくはずです。また、環境規制や自動車を取り巻く各種規格整備も進むことでしょう。こうした中でわたしたちは、半導体の車載マーケットに対しては全方位展開ではなく、上記3キーワードに表される「東芝ならでは」に注力した技術展開を考えています。現在既に発表している画像認識プロセッサ「Visconti ™」は、複数の認識アプリケーションの同時実行を実現し、2015年時点では最大8台までのカメラ接続を可能としています。このことで自動車周辺の車両・歩行者・車線境界線・標識などの認識を可能とし、

車両検出・歩行者検出・車線逸脱時の警報システム、交通標識や信号認識システムを実現しました。また、自動運転化に向けて自動車内の情報量が爆発的に増えることが予想されるだけに、東芝を代表する製品であるNAND型フラッシュメモリをはじめとした「情報」分野の技術革新も社内外から期待されています。

そして、拡大が確実に見込まれるマーケットだけに、東芝社内でも重要市場と位置付けられています。社内外の大きな期待は、車載マーケットを担うわたしたちばかりではなく、各事業部、開発、製造といった関連部署にも活気をもたらしています。東芝の半導体が自動車産業に対してより大きな貢献ができる好機が来た。わたしはこのことを日々実感しています。

(Vol.2につづく)