東芝のビジネス 注力事業紹介

記事一覧

社会インフラ事業
東芝の鉄道システムビジネスについて Vol.1

省エネ効果の高い機器、システム、ソリューションを世界の鉄道事業者に提供、安全・安心・快適な社会実現に寄与。

COMPANYカンパニーについて

社会インフラ事業は、電力流通システム、鉄道・自動車システム、セキュリティ・自動化システム、電波システムなどを統合しトータルソリューションとしてグローバルに提供、より安全・安心・快適なスマートコミュニティの実現に向け貢献をしています。

>>社会インフラ事業

PROFILE

鈴木 康人

インフラシステムソリューション社 鉄道システム統括部 交通海外営業部 第四担当 グループ長

オール東芝の持つさまざまなリソースを統合し、世界の鉄道市場に提供する、リードオフマンとして職務を果たす。
※組織名称は取材当時のものです

鉄道システム統括部が注力している事業

私が所属する鉄道システム統括部では、鉄道交通システムの未来に向けて絶えず技術革新を行い、環境適応や安全性、正確性、信頼性など、鉄道機関に必要とされるあらゆる可能性の向上に取り組んでいます。鉄道車両のさまざまな機器やシステムを開発している東芝は今、鉄道システムの省エネ化を大きく推進しています。そして、鉄道システム事業は近年、海外でのビジネスが大きく伸張しています。その背景には、自動車交通に比べ輸送効率が良く、CO2排出量がより少ない鉄道交通のアドバンテージに世界の国々が改めて注目するようになり、自動車交通一極依存からの脱出をはかるモーダルシフトが起きているという動きがあります。

そうした状況を受け、わたしたち東芝は中国、北米、インド、ブラジル、シンガポール、イギリス、南アフリカ、台湾、タイなどに事業を展開し、それぞれの国の顧客に対してきめ細かな対応を実現できる体制を整え、海外への展開を積極的にはかっています。そして、現在では海外での売り上げが50%を占めるに至っています。

この事業分野における東芝の特長と強み

わたしたち東芝の鉄道システムにおける特長は、市場が求めている省エネニーズを実現する機器やシステム、ソリューションを提供できるところにあります。たとえば、今回シンガポールに納入するPMSM(永久磁石同期モーター)は、これまで鉄道車両に用いられたIM(誘導モーター)に比べ、モーター内部で発生する損失が少ないため、消費電力の大幅な低減が可能になります。また、損失、つまり熱の発生が少ないことから、小型、軽量で密閉した構造とすることができ、内部の清掃が不要となるなど、メンテナンスのしやすさも特長です。

今回のシンガポールの案件では、既存の車体はそのまま利用し、モーターのみを置き換える需要がありましたが、小型化、軽量化を実現したことで、顧客のニーズに応えました。この他にも東芝では、減速時にモーターを発電機として使用し、エネルギーを回収する回生・蓄積システムも開発しています。 これは、ラッシュ終了後のフルパワー走行時に、ラッシュ時に蓄えていた回生エネルギーを効率的に使うことで、省エネ運行を実現する仕様となっています。さらに、車両用の受変電や運行管理、信号保安、設備管理、車両・乗務員管理から運行計画まで、鉄道運行に必要なさまざまなシステムとソリューションを提供できることも、東芝の大きな強みとなっています。

鉄道システムビジネスの今後のビジョン

世界各国の顧客に対して、省エネ運行を実現するための機器やシステム、ソリューションを提供していくにあたって、各地域に拠点を展開してきましたが、今後はこれをさらに一歩推し進め、拡販を加速しようという戦略を立てています。その戦略具現化のひとつが、シンガポールの鉄道事業者であるSMRTグループの子会社との合弁会社の立ち上げです。今までは、鉄道事業者に直接アプローチするノウハウが少ないことが、拡販の障壁でした。そこで、東芝が有する高効率な鉄道システム向け技術と、SMRTが持つ鉄道事業のノウハウを掛け合わせることで、世界の鉄道事業者様と交渉を行う機会を増やし、東芝の省エネシステムのグローバル展開を加速化しようと考えたのです。さらに、今後は海外拠点の人員の拡充や、鉄道システム部門の社員に対して海外研修を積極的に実施。現地への権限委譲を行い、現地拠点主導でビジネスのスピードアップをはかっていく計画です。また、車両だけではなく、駅のマネジメントシステムなど、地上側の省エネシステムを海外に提供していくことも視野に入れています。顧客に関しても、今後はアジアだけでなく欧州をはじめとした全世界へと東芝製品を提供し、世界の省エネニーズに応えていくことが我々の使命だと考えています。