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路面電車向け蓄電システムで架線レス走行試験を実施

2015年4月23日

 当社は、24.3kWhの当社製リチウムイオン二次電池「SCiB™」を採用した蓄電システムを鹿児島市交通局の協力を得て交通局所有の1000形路面電車に搭載し、架線レス走行試験注1をこのたび実施しました。本走行試験では、架線からの電力供給を停止した状態で鹿児島駅前停留場から郡元停留場までを折返し、約10kmを走行しました。

 従来、架線から直接充電する場合には、電圧が高いため大型の充電装置が必要でしたが、今回、車両の照明や空調等の電源用に変換する補助電源装置に充電器をつなぐことで充電器を小型化し、蓄電システムの省スペース化を実現しました。これにより、従来、車両の床下などに搭載していた蓄電システムを座席の下に設置することができるため、既存車両にも蓄電システムを搭載することが可能になります。
 また、本蓄電システムの導入により、都市景観保護地域や、交差点など架線が交通の妨げとなる場所においても架線を設置することなく走行が可能になるほか、停電時の自力走行や、延伸が必要とされる路線に新たに架線を引くことなく走行することが可能になります。

 当社の「SCiB™」は、高い安全性、1万回以上注2の充放電が可能な長寿命、-30℃の環境下にも耐え得る低温動作などの優れた特性があります。特に、安全性においては、外から圧力が加えられて内部短絡注3が生じても異常発熱や発火を起こしにくい構造となっているため、高い安全性を必要とされる鉄道車両への応用が期待されています。

 当社は今後もSCiB™を用いた蓄電システムにより、新しいソリューションを提案します。

注1
パンタグラフを下げ、架線からの電力供給を停止した状態で蓄電池からの電力供給にて、車両を走行させる試験。
注2
気温25℃かつ過酷な使用条件下における値。今回の場合、通常の3倍の電流負荷を加えた状態。
注3
電池内部において、電気的にそれぞれ正極と負極の電位をもつ正極と負極が接触すること。接触により大きな電流が流れて温度が上昇する。
(左)搭載したバッテリパックの一つ (右)リチウムイオン二次電池「SCiB™」の特徴

以上