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2006 VOL.61 NO.6

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特集:Cellからの始まり

 

巻頭言Cellと共に歩む 本文PDF(118KB/PDFデータ)
齊藤 智隆

 
TRENDCell Broadband Engineの設計思想 本文PDF(408KB/PDFデータ)
林  宏雄・斎藤 光男・増渕 美生

 次世代のデジタルホームから分散コンピューティングまでの幅広い応用のために,高いデータ処理性能とマルチメディア演算性能が求められる。この要求に応えるため,非対称マルチコア プロセッサ構成など,従来アーキテクチャにない特徴を備えたCell Broadband Engineを開発した。
ここではその設計思想と将来動向について述べる。
 
次世代プロセッサCell Broadband Engine 本文PDF(345KB/PDFデータ)
黒澤 泰彦・渡辺 幸男・田胡 治之

 Cell Broadband Engine(CBE)は,マルチメディアデータの高速でリアルタイムな処理に最適化したプロセッサであるSPE(Synergistic Processor Element)と,基本ソフトウェア(OS)などの制御処理を実行する汎用プロセッサであるPPE(PowerPC Processor Element)という2種類のプロセッサを,高速内部バスであるEIB(Element Interconnect Bus)で高速メモリや高速IO(Input Output)と結合した,非対称マルチコアプロセッサ構成のシングルチップ マイクロ プロセッサである。CBEは拡張性を重視し,ブロードバンド時代に柔軟に対応できるアーキテクチャを採用した。
 
 
Cellを生かすSuperCompanionChipTM 本文PDF(386KB/PDFデータ)
三原 貴之・宇野 立也・牧  康典

 東芝は,Cell Broadband Engine(CBE)の性能を最大限に引き出し,その応用範囲をAV機器,ネットワークにも広げていくためのSuperCompanionChipTM(SCC)を開発した。CBEに接続するインタフェースとして,5 Gバイト/s(送信)+5 Gバイト/s(受信)のパフォーマンスを持つFlexIO(注1)インタフェースを実装し,CBEの高い性能を引き出すことができる。FlexIOのバンド幅は,階層構造を持つ内部バス(2.66 Gバイト/s(送受信))とメモリインタフェース(2.66 Gバイト/s(送受信))との間で共用される。メモリインタフェースは外部のDDR2 DRAMと接続され,専用のダイレクトメモリ アクセスコントローラ(DMAC)を持つ。一方,内部バスは,QoS(Quality of Service)機構を持ち,AV機器などリアル
タイム性が求められる処理と,レガシーIOなどベストエフォートの処理とを区別して処理できる構造となっている。
 
 
Cell電源システム 本文PDF(385KB/PDFデータ)
武井  洋・本 昭彦・山口 大介

 5V入力DC-DC(直流−直流)コンバータに対応したパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)コントローラのTB6814FLGと,パワー素子を集積して1 MHz動作が可能なマルチチップモジュール(MCM:Multi Chip Module)のTB7003FLを開発した。両者を組み合わせることで,Cell Broadband Engine(CBE)に最適な,高精度で高速応答が可能な小型・高効率電源システムを実現することができる。
 
 
Cellリファレンスセット概要 本文PDF(408KB/PDFデータ)
上村  剛・大溝  孝・粟津 浩一

 Cell Broadband Engine(CBE)とCellチップセットの量産が始まった。新しいマイクロプロセッサを広く世に普及
させるためには,それを応用したハードウェアと,ソフトウェアを開発するためのプラットフォームの提供が不可欠である。また,ソフトウェアが大規模・複雑化してきている近年の製品開発の現状において,長期にわたってソフトウェア資産の流用が図れるCBEの特長を生かすためには,サードパーティやサービスベンダーと連携し,CBEに対応するソフトウェア資産を増やす必要もある。
東芝は,LSIの提供と同時に,ユーザーが直ちにCell応用製品のハードウェア及びソフトウェアや新しいサービスの 企画・開発・設計を進められるよう,CBEとCellチップセットを搭載した基板や専用の冷却装置を筐体(きょうたい)に 収め,基本ソフトウェアや開発環境,AVアプリケーションソフトウェアなどをパッケージした,Cellリファレンスセットを開発した。
 
 
Cellリファレンスセットのハードウェア構成 本文PDF(638KB/PDFデータ)
佐藤 雄一・西田 義広・西林 浩士・畦崎  勉

 Cellリファレンスセットは,Cell Broadband Engineのスーパコンピュータ並みの高いメディア処理能力とSuperCompanionChipTMが持つ非常に多彩な入出力(IO)インタフェースを活用した次世代AVプラットフォームへの応用検討を,ユーザーが容易かつ柔軟に行えることを目指して開発された。
Cellリファレンスセットのハードウェア(HW)は,この新世代プロセッサが要求する大電流給電と超高速多ビット伝送IOを安定して動作させるために参照となるモデルを与えている。また,SuperCompanionChipTMの持つ豊富なIO機能を柔軟に活用できる高い拡張性を備え,低騒音で安定した冷却性能を実現する液冷システムが実装された専用の筐体(きょうたい)に組み込まれて提供される。
 
 
Cellリファレンスセットのソフトウェア構成 本文PDF(286KB/PDFデータ)
雨宮 治郎・水野  聡・野末 浩志・有馬 雄吾

 Cellリファレンスセットは,Cell Broadband Engine(CBE)の持つ能力を最大限に引き出すソフトウェアを提供する。ハイパーバイザオペレーティングシステム(OS)のBeatはCBE上に仮想計算機実行環境を作り,複数OSの同時動作を可能にする。また,CBEの特徴であるSPE(Synergistic Processing Element)を仮想化することで,実際の個数以上のSPEを論理的に使用できる環境を提供する。Beat上のOSとしてLv2LinuxとITRONを用意した。Lv2LinuxとITRONは,Beatが提供する通信機能により互いに通信することで連携動作が可能である。このように Cellリファレンスセットでは,OSレベルで柔軟なソフトウェア構成が可能である。また,Cellリファレンスセットの入出力(IO)を制御するSuperCompanionChipTMのドライバも用意した。
ユーザーはこれらのソフトウェア環境を使うことにより,容易にCBEを評価することができ,早期にソフトウェア開発に着手することができる。
 
Cellプログラム実行環境 本文PDF(261KB/PDFデータ)
前田 誠司・佐藤 記代子・川上  健

 Cell Broadband Engine(CBE)の性能を引き出すためには,搭載されたメディア処理用プロセッサコアSPE(Synergistic Processor Element)を効率的に活用することが必要不可欠である。しかし,複雑化しているハードウェアを単にソフトウェア開発者に提供するだけでは,ソフトウェアが複雑化し,並列処理やリアルタイム処理などが困難になると考えられる。
そこで,複数のSPEを用いたソフトウェアの開発をサポートするSPE実行環境を開発した。プログラミングモデルの 提案に加えSPE資源予約やSPEオーバレイ機能などを,想定される各種の利用形態に合わせて提供することにより,並列処理や複数処理の同時実行を容易に実現できるため,CBEを様々な製品に適用できると考えられる。
 
Cellソフトウェア開発環境 本文PDF(447KB/PDFデータ)
大澤  諭・内川 貴幸・高野 秀隆

 東芝は,Cellソフトウェア開発環境として独自に,Eclipse統合開発環境,PPE(PowerPC Processor Element)/SPE(Synergistic Processor Element)シームレスデバッガ,及びパフォーマンスモニタを開発した。シームレス デバッガ Cell Broadband Engine-GNU Debugger(CBE-GDB)は,GNUのgdbをベースにし,PPE/SPEのプログラムを同時にデバッグできるような拡張を行った。Eclipseに対しては,C/C++開発ツール(CDT:C/C++ Development Tool)をCBEに対応した拡張プラグイン(CBE-CDT)を開発し,CBE-GDBを使ってPPE/SPEのプログラムをGUI(Graphical User Interface)でデバッグできるようにした。パフォーマンスモニタは,CBE内部のパフォーマンス機能を使って,CBEの命令発行状況や内部バスのバンド幅などを測定できるようにした。
 
Cell Audio Visualアプリケーション 本文PDF(295KB/PDFデータ)
小森 達也・原口 琢磨・境  隆二

 Cellリファレンスセットでは,高性能なCell Broadband Engine(CBE)やSuperCompanionChipTM(SCC)を利用して,従来では考えられなかったようなAVアプリケーションをソフトウェアソリューションで構築することができる。
東芝はCBEの性能をアピールするために,マルチストリームをリアルタイムで処理するAVアプリケーションを開発し,HD(High Definition)コンテンツの場合は6ストリーム,SD(Standard Definition)コンテンツの場合は30ストリームが処理できることを実証した。Cellリファレンスセットに付属されている基本ソフトウェア及びAVアプリケーションフレームワーク,各種ミドルウェアを使用すれば,これらのアプリケーションの開発期間が短縮される。
 
Cell画像処理アプリケーション 本文PDF(398KB/PDFデータ)
近藤 伸宏・檜田 和浩・谷口 恭弘・風間  久

 Cell Broadband Engine(CBE)のパフォーマンスを引き出すためには,一つのチップに8個搭載されたSPE(Synergistic Processor Element)を有効に活用する必要がある。
東芝は,アプリケーションレベルでのCBEのパフォーマンスを実証するために,Cellリファレンスセットを利用して, 主に画像処理やコンピュータグラフィックス処理を行うアプリケーションを開発した。この開発により,化粧シミュレーション,髪型シミュレーション,ジェスチャ入力,顔認識などのアプリケーションがCBE上で実装され,CBEのパフォー マンスの高さが実証された。
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一般論文

 

メタノール直接型燃料電池用触媒電極 本文PDF(359KB/PDFデータ)
梅  武・中野 義彦

 近年,メタノール直接型燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cells)は,モバイル機器の長時間駆動を実現できる電源として注目されている。DMFCの本格的な普及のためには発電効率の向上が求められており,このニーズに応え, 東芝は高活性白金−鉄−窒素(Pt-Fe-N)カソード触媒と高性能カーボンナノファイバ電極を開発した。すなわち,Pt-Fe 合金ナノ粒子の窒化によって高活性が発現し,従来のPtやPt-Fe触媒より高い単セル出力特性が得られた。また,触媒担持体にカーボンナノファイバを応用し,これに触媒を高密度で担持する技術を開発して,従来のカーボンブラックを担持体とする触媒より高い単セル特性を実現した。
 
タイにおけるグリーン調達管理モデルの実証事業 本文PDF(381KB/PDFデータ)
稲見  修・野田 英樹・佐藤 雄三

 日本貿易振興機構(JETRO)は,経済産業省の委託を受けて「先導的貿易投資環境整備実証事業」を実施している。この事業は,日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟諸国が経済活動の仕組みを共有して,経済面での連携を促進することが目的である。
2005年度の同事業の一つに東芝の「タイにおけるグリーン調達管理モデルの実証事業」が採択され,タイの電気電子研究所(EEI:Electrical and Electronics Institute)の協力の下,プロジェクトチームを編成し,延べ6か月間の事業を行った。当社は,既に商品化している"環境管理支援システム Eco倶楽部TM"の"グリーン調達管理ソフトウェア"に日・英・タイ語切替え機能を追加したシステムを現地に設置し,日本のグリーン調達の仕組み(JGPSSI:Japan Green Procurement Survey Standardization Initiative)に基づく情報管理方法を指導して,タイでの実運用へ向けた今後のアクションプランを示した。これにより,タイにおける,更にはASEAN加盟諸国におけるグリーン調達管理システム市場の活性化が期待できる。
 
 
配管肉厚検査装置 本文PDF(534KB/PDFデータ)
濱田 智広・片山 雅弘

 高エネルギー用カラー イメージ インテンシファイアUltimageTM(アルティマージュ)及び3次元(3D)超音波検査装置MatrixeyeTMを用いた新しい配管肉厚検査装置を開発した。前者の装置は,X線源やγ線源と組み合わせ,配管外周の保温材をはがすことなく,直接,配管肉厚が測定でき,後者は1次元又は2次元配列の超音波探傷素子を用いることにより,連続的な内面腐食データを短時間で得られる利点がある。これらの装置を用いることにより,現場において,ほぼリアルタイムで 配管肉厚の測定が可能であり,取扱いが便利であることと併せ,作業性の向上に大きく寄与することができる。
 
 
高強度反応焼結炭化ケイ素セラミックスの適用展開 本文PDF(409KB/PDFデータ)
須山 章子・伊藤 義康

 東芝が開発した世界最高(注1)強度1,000 MPa級の高強度反応焼結炭化ケイ素セラミックス(SiC)は,耐食性,耐熱性,耐摩耗性,高剛性,高熱伝導,更に,低熱膨張,低比重といった優れた特性を持つことから,各種エネルギー機器,産業機器,高温構造部材,耐摩耗部材としてその用途が期待されている。また,高強度反応焼結SiCは焼結温度が低く,ニアネットシェイプでの製造が容易なことから,環境に優しいセラミックスとしても注目されている。現在,高強度反応焼結SiCの量産 プロセスの構築を進めており,ここでは,水素製造用熱交換器部品や宇宙用反射式望遠鏡のミラーなどへの適用展開を示す。
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R&D最前線
 
高性能水車開発を支援する高度解析技術 本文PDF(308KB/PDFデータ)
次世代水車の開発に貢献する高度最適化解析技術
黒澤 貞男

 高精度流れ解析と遺伝的アルゴリズムによる最適化手法を用いて,発電用水車の性能最適化システムを 開発しました。このシステムでは,水車流路形状を定義する数十もの設計変数を自動最適化するとともに,設計変数空間内の大域的最適解を探索できるため,これまでにないざん新な形状の高性能水車を得ることが可能となります。このため,エネルギー資源の有効活用に貢献する高出力・高効率な次世代型水車が提案できるものと考えられます。
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