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概要一覧
 
表紙イメージ 2011 VOL.66 No.6
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グリーン社会の実現に貢献するエネルギー・環境技術
巻頭言 持続的 低炭素社会を実現するための産学連携 本文PDF(314KB/PDFデータ)
謝 維和

 
グリーン社会の実現に向けた清華大学との取組み 本文PDF(288KB/PDFデータ)
田井 一郎

 
概説 地球規模のエネルギー・環境問題解決への貢献を目指す“清華大学-東芝エネルギー・環境研究センター” 本文PDF(625KB/PDFデータ)
蔡 寧生・伊藤 義康

地球規模でエネルギーの大量消費と温暖化が進んでいる。この問題を解決するために,世界規模での省エネと二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス排出量の低減をできる限り早く実現する必要がある。
このような世界的なエネルギーと環境の状況を踏まえて,東芝と中国の清華大学はそれぞれのポリシーに基づいて,共同で“東芝─清華大学「省エネ・環境」セミナー”を2007年7月に開催した。また,両者の協力関係をより緊密にしエネルギー・環境技術に関する研究開発の加速を目指して,2008年4月に“清華大学(熱工学系)─東芝エネルギー・環境研究センター”を創設した。更に,2011年3月には,清華大学と大学レベルでの関係に発展させて,“清華大学─東芝エネルギー・環境研究センター(中文名称:清華大学─東芝能源与環境研究中心)”と改称した。
現在,エネルギー・環境分野における電力機器の高性能化や,排気ガス処理システム,水質監視システム,環境調和型電源システム,CO2分離回収など,地球環境対策技術に関する共同研究を積極的に推進している。

 
CFDを用いた蒸気タービン通路部の最適化と実設計への適用 本文PDF(394KB/PDFデータ)
袁 新・手島 智博・新関 良樹

蒸気タービンのいっそうの高性能化を図るため,CFD(Computational Fluid Dynamics:数値流体解析)を用いた蒸気通路部(以下,通路部と略記)形状の最適化ツールを開発した。
このツールは翼型の最適化だけではなく,高精度で大規模なCFDを活用し,漏れ流れや非軸対称通路部壁面形状など,様々な要素を考慮できる特長を持っている。このツールを適用することにより,設計者が従来行ってきた手法では得られない3次元的な翼列形状の最適化により,蒸気タービンの性能を向上させることができるようになった。

 
燃焼後CO2回収技術における吸収液劣化メカニズムの解明と長寿命化 本文PDF(528KB/PDFデータ)
王 淑娟・宮池 潔・小川 斗・北村 英夫

火力発電所は大量の二酸化炭素(CO2)を大気中に排出するため,地球温暖化の大きな要因の一つになっている。そのため,CO2回収・貯留(CCS:Carbon Dioxide Capture and Storage)は,火力発電所から排出されるCO2を大きく削減する技術として期待されている。東芝はCCSの実現に向け,ボイラ燃焼排ガスからアミン溶液を用いてCO2を分離する燃焼後CO2回収技術を開発している。
今回,清華大学(熱工学系)─東芝エネルギー・環境研究センターにおける共同研究として,排ガス中の二酸化硫黄(SO2)によるアミン溶液の劣化と,それによるCO2吸収性能の低下について検証し,更にイオン交換処理によるアミン溶液の再生の効果を評価した。

 
中国の河川水による水車材料の土砂摩耗評価 本文PDF(454KB/PDFデータ)
潘 偉・閻 梁・黒澤 貞男・鈴木 敏暁

中国の水力発電機器では,河川の土砂混入量が多いことから土砂摩耗による性能低下や流路部品の損傷が問題になっている。
今回,中国内の代表河川の土砂成分や土砂濃度などを調査し,実際の河川土砂及び人工砂を使って水車適用材料の土砂摩耗特性を実験的に評価した結果,東芝開発の耐土砂摩耗コーティングの適用によって土砂摩耗が大幅に低減できることを確認した。更に,河川水の主成分と同一の人工砂を製作して摩耗試験を行い,その試験結果を基に実際の河川水による土砂摩耗特性を精度よく推定することができた。

 
中国のスマートグリッド市場における地域自立・環境調和型電力システムの制御技術 本文PDF(570KB/PDFデータ)
閔 勇・魯 宗相・林 秀樹・小林 武則

地球温暖化の防止に向けて再生可能エネルギーの効果的な導入と利用拡大が課題となっており,その必要性はますます高まっている。その手段として,電力流通システム分野では,双方向の情報通信技術(ICT)を活用したスマートグリッド技術が注目されている。なかでも,広大な国土と豊富な自然エネルギーを持つ中国では,地域自立を志向した環境調和型の電力供給を実現する“マイクログリッド”が重要な技術であると考えられる。
清華大学と東芝は,中国における市場性の高い典型モデルとして,都市型マイクログリッド及び大規模風力発電連系による遠隔地域型マイクログリッドの二つに着目し,それぞれの制御方式及びアルゴリズムを共同で開発した。現在,実フィールドでの検証試験でそれらの有効性の確認を進めている。

 
バイオセンサ型水質監視支援装置の中国広水域への適用 本文PDF(487KB/PDFデータ)
施 漢昌・邱 勇・佐藤 岳史・原口 智

中国では産業の発展に伴い,河川や湖沼の水質汚染が問題になっている。東芝は,上水道施設向けに突発的な化学物質の流出事故を検知することを目的にバイオセンサ型水質監視支援装置を既に開発しているが,これを河川や湖沼へと適用を拡大することで,広域水質監視を実現することができる。
中国での水質調査の結果,汚染水域ではバイオセンサの安定運用を阻害する物質が含まれる可能性があることが判明した。そこで今回,運用阻害物質を除去するための前処理技術を開発し,適用拡大を図った。

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一般論文
特定箇所2次元キャリア分布計測技術と故障解析への応用 本文PDF(329KB/PDFデータ)
張 利・小池 三夫・原 啓良

近年,LSIの微細化に伴ってプロセス制御の困難さが増し,デバイス性能を左右するキャリア濃度分布をナノスケールで2次元的に計測する技術への要求が高まっている。
東芝は,これまで高分解能(1nmレベル)の走査型広がり抵抗顕微鏡(SSRM)技術を開発してきたが,今回,極微細の特定箇所を解析可能な評価手法を実現し,実回路の故障解析へ応用した。その結果,60nm未満の極薄不良デバイス内部のキャリア分布の直接観察に成功し,プロセスに起因する不良モードを突き止め,不良発生のメカニズムを解明した。更に,不純物ドーピング条件を最適化することで歩留まりを向上させた。
高分解能で極微細の特定箇所を解析可能なSSRM技術は,“見る”ことだけにとどまらず,故障解析や信頼性向上,更には不良発生のメカニズムの解明まで可能で,先端LSIデバイスの開発を加速することが期待される。

 
SCMの課題抽出と施策評価を効率化するSCM診断手法 本文PDF(414KB/PDFデータ)
吉田 聡・大嶌 弘子

新興国市場の規模拡大や既存市場のニーズの多様化が進むなか,製品をタイムリーに供給し利益を得るためには,SCM(Supply Chain Management)の継続的な適正化が必要である。しかし,販売,生産,及び調達の拠点増加や拠点間業務連携の複雑化に伴い,SCMの課題抽出や施策評価が難しくなっている。
東芝は,このような問題を解決するため,SCMに必要な各機能の目標(TO-BE)と現状(AS-IS)のギャップを明確にし,課題の発見を促す“SCM機能レベルリスト”と,各課題に対する施策効果を評価する“簡易在庫シミュレータ”を柱とするSCM診断手法を開発した。これにより現在のSCMの課題抽出や施策評価を支援する枠組みを構築した。

 
産業用コントローラ 入出力モジュールの冗長化 本文PDF(378KB/PDFデータ)
栗本 武司・小寺 繁仁・山口 安春

一般産業,社会インフラ及び電力の各分野のプラントで使用される産業用コントローラ ユニファイドコントローラnvシリーズに適用する,冗長化(注1)が可能なI/O(Input/Output)モジュールを製品化した。
開発にあたっては信頼と安心を追求し,コンポーネントの信頼性及び頑健性の向上によって,長期間の連続稼働を実現した。また,既存コントローラ更新の際の制御システム継承性を高めるため,CIEMACTM PCS(Process Control Station)シリーズやシステムが異なる他のコントローラなどから,ユニファイドコントローラnvシリーズへ容易に移行可能な構成を提供できる。

(注1)構成をシングル(一重)から二重にすることで,片方に障害などが起きても通常の動作が継続できるようにした構成。

 
ラオス人民民主共和国ナムグム2水力発電所の商業運転開始 本文PDF(604KB/PDFデータ)
冨田 義賢・手塚 光太郎・大久保 将史

ラオス人民民主共和国(以下,ラオスと略記)の首都ビエンチャンから100kmほど北にあるナムグム川に建設が進められてきたナムグム2水力発電所が,2010年12月に商業運転を開始した。この発電所は独立系発電事業(IPP:IndependentPower Producer)物件であり,独立系発電事業者NN2PC(Nam Ngum 2 Power Company)社とEPC契約(注1)をしたチョーカンチャン(CH.Karnchang)社から2006年に東芝が受注した物件である。
当社は水車,発電機,制御装置のほか,所内電気品など発電所主要機器を供給し,それらの据付け及び試験などのサイト業務も担当した。ナムグム2水力発電所は今後,タイ王国(以下,タイと略記)への電力供給基地として寄与すると期待される。

(注1)Engineering(設計),Procurement(調達),及びConstruction(建設)を含む,プロジェクトの建設請負契約。

 
トータルコストダウンを実現した次世代のディジタル形保護リレー装置D4-Sリレー 本文PDF(388KB/PDFデータ)
半沢 弘司・杉浦 秀昌・福嶋 和人

保護リレー装置は,送電線や変電機器といった電力流通設備に発生した落雷などの事故を数十msという短時間で検出し,遮断器に事故区間を切り離す指令を出して電力系統の安定運用を維持する装置である。
東芝は,1980年5月に,世界で初めてディジタル形の保護リレー装置D1リレーを実用化し,2007年には4世代目となるD4リレーを開発した。更に今回,主として低位系保護装置に適用するため,今まで培った技術をベースに,D4リレーの設計思想を踏襲しながら拡張性を限定してシンプルな構成を追求したD4-Sリレーを開発した。この装置は,信頼度とコストパフォーマンスに優れるとともに,長期供給性と稼働率を向上させた。

 
鉄道車両用次期補助電源装置と在来線用試験電車への適用 本文PDF(413KB/PDFデータ)
吉川 賢一・尾谷 浩昭

近年,世界的な環境問題への関心の高まりに伴い,高信頼性や省メンテナンスに加え省エネへの要求がますます強くなり,鉄道車両用電源装置でも,いっそうの環境負荷の低減など環境性能の向上が求められている。
東芝はこのような背景のなか,時代の要求に適合するため,鉄道車両用補助電源装置として用いる静止形インバータ(SIV:Static Inverter)を2レベルインバータ方式(注1)から3レベルインバータ方式(注2)にするとともに,素子に低損失タイプの新型IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を採用することでインバータ損失の低減を図り,SIVの効率を94%から96%に向上できた。また,絶縁トランスをリーケージタイプのトランスにすることで交流リアクトルが削除でき,質量を同容量タイプの従来装置に比べ23%削減することができた。この装置を基にして,東日本旅客鉄道(株)の209系試験電車(MUE-Train:Multipurpose Experimental Train)用に定格出力容量を変更して適用した。

(注1),(注2)スイッチング素子のON/OFFにより,パルス電圧を0%,100%の2段階で出力する方式を2レベルインバータ方式と呼び,パルス電圧を0%,50%,100%の3段階で出力する方式を3レベルインバータ方式と呼ぶ。

 
SCiBTMの長寿命と高信頼性を実現するレーザ溶接技術 本文PDF(417KB/PDFデータ)
岡田 直忠

東芝が開発したインフラバッテリー(注1)SCiBTMは,軽量,長寿命,及び高信頼性を確保するため,レーザ溶接により封止接合されたアルミニウム合金製のセル構造体(容器)を採用している。
アルミニウム合金のレーザ溶接は不安定になりやすく溶接欠陥も生じやすい。そのため,パルス発振レーザを用いた溶接では特殊なパルス波形を用いている。より高速な溶接を実現するため,高出力の連続発振レーザを用いた溶接技術も開発している。

(注1)車載用設備や定置型蓄電設備など社会インフラとして用いられる二次電池。

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R&D最前線
新世代のヘッドアップディスプレイ 本文PDF(304KB/PDFデータ)
佐々木 隆

奥行き感のあるARの実現で,運転中でも安全に情報をキャッチ

ヘッドアップディスプレイ(Head-Up Display:HUD)は,自動車のフロントウインドーに情報を表示する車載用ディスプレイです。最小限の視線移動で情報を得られるため近年注目が集まりつつありますが,従来は映像を特定の奥行き位置にしか表示できませんでした。
東芝は,この課題を解決するため,片方の目だけに情報を表示することで自由自在に奥行き感を制御できる単眼式HUDを開発しました。この単眼視による奥行き感増強効果により,どのような奥行き位置にでも情報を表示させることが可能になります。現実の空間中に様々な情報を書き込む“AR(Augmented Reality:拡張現実)”を実証した,世界で初めて(注1)のディスプレイです。

(注1)2010年5月時点,単眼式AR-HUDとして,当社調べ。

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