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概要一覧
 
表紙イメージ 2014 VOL.69 No.9
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DFXを支えるシミュレーション技術

巻頭言 価値創造と生産性向上に向けたDFXの実現 本文PDF(119KB/PDFデータ)
森 郁夫

 
トレンド 生産技術におけるシミュレーションの役割と設計・製造プロセスの最適化 本文PDF(570KB/PDFデータ)
中川 泰忠・久保 智彰

生産技術において,製品の設計段階で製造性を考慮するDFM(Design for Manufacturability),更には調達から,輸送,据付け,運用,保守までも考慮する製品設計,すなわちDFX(Design for X)で様々なシミュレーションが用いられている。これはシミュレーションにより製品を仮想的に生産することで,設計・製造プロセスの最適化を論理的かつ効率的に進めることができるためである。

東芝における生産技術では,製造ラインの最適化から,加工,組立て,評価,検査といった製造プロセスの最適化まで,シミュレーションが重要な役割を果たしている。

 
生産シミュレーション技術の製造ライン設計への適用と生産予測への応用 本文PDF(386KB/PDFデータ)
小竹 正弘・杉山 尚美

東芝は,製造活動を含めた全ての領域で,現状の業務プロセスをゼロベースで見直すことにより,本来あるべき成果領域及び成果指標を再設定し,生産性向上のためのモノづくり変革活動に取り組んでいる。スピード感のある変革を進めるには,製品の企画・開発段階などの上流プロセスにさかのぼり,量産段階で発生しうる潜在リスクを見いだして対策を施すことが重要である。
このため,生産シミュレーション技術によるライン設計技術の開発を進めており,幅広い製品での最適な製造ラインの構築に適用している。これらの技術の適用を従来の業務領域以外やサービス分野に拡大するとともに,技術の高度化を実践している。


 
熱シミュレーションを活用したLED照明の放熱設計技術 本文PDF(355KB/PDFデータ)
井上 道信・楚 麻友美

近年,既存照明よりも発光効率の高いLED(発光ダイオード)照明への置換えが進んでいる。製品をタイムリーに市場へ投入するには,LEDの技術課題である放熱設計を行った結果を基に,製品仕様を早期に決定することが必要である。3次元CADを活用した熱シミュレーションは,製品開発の初期段階に課題を抽出し,対策の立案と効果の検証を効率的に行うことができる。
今回東芝は,LEDの発光効率及び電圧の温度依存性や,電源の伝熱構造を考慮したモデリングを適用することで,LED照明の細部に至るまでの温度特性が評価できる技術を開発した。これにより,試作評価の前に放熱が困難な部品を具体的に特定し,目標の明るさに必要な放熱性能と製品コストを両立させた仕様の策定が可能になった。


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屋外機器の構想設計段階における信頼性予測 本文PDF(318KB/PDFデータ)
小川 琢之・篠塚 啓司

風力発電用風車や,太陽電池パネル,照明器具など屋外機器の信頼性を確保するには,設置環境での風の作用を考慮した設計を行う必要があり,使用期間中に発生する負荷を定量的に評価する技術が求められている。また,設計自由度の高い構想設計段階から信頼性を予測できれば,性能,コスト,及び信頼性を考慮した全体最適化を図ることができるとともに,開発期間が短縮できる。
東芝は,流体−構造連成シミュレーションにより,強風下で屋外機器に発生する振動負荷を定量的に評価する技術を開発した。また,この評価技術を応用して,構想設計段階で簡易かつ短時間に屋外機器の信頼性を予測するツールを開発した。開発した評価技術とツールを製品設計に適用し,開発期間を短縮できることを確認した。


 
照明・家電製品の見栄えを再現する光学シミュレーション技術 本文PDF(342KB/PDFデータ)
鈴木 宏美

照明器具の設計には,光線追跡シミュレーションが広く用いられている。このシミュレーション手法を用いて,照明器具により対象物がどのくらいの広さで,どのような明るさや色で照らされるかを,試作を行うことなく推定できる。しかし,点灯している照明器具自体が人の目にどのように見えるかの見栄えについては,推定が難しく試作による確認が必要であった。
東芝は,人の視覚特性とディスプレイの表示特性を考慮することにより,照明器具自体の見栄えを再現する光学シミュレーション技術を開発した。この技術により,試作レスで見栄えの事前評価が可能になり,照明器具や家電製品の開発におけるリードタイムの大幅な短縮や,販売における製品品位の効果的なアピールなどが期待できる。


 
非破壊検査向け超音波伝搬シミュレーション技術 本文PDF(329KB/PDFデータ)
西野 友子

構造物や接合物などの探傷に広く使われている超音波を用いた検査・計測手法は,被試験体内部の検査・計測対象部位からの反射波と他の部位からの反射波の判別が難しく,使用に際しては熟練を要するという問題があった。
東芝は,この問題を解決するために,超音波伝搬シミュレーション技術を開発し,超音波伝搬の挙動を可視化し,データ分析に役だてる仕組みを構築した。構造物中の欠陥検査やレーザ溶接での溶着面積の計測に適用し,シミュレーションによる可視化の有効性を確認した。


 
永久磁石同期モータ制御の仮想検証システム 本文PDF(419KB/PDFデータ)
鈴木 信行・齊藤 徹

地球環境保護の観点から,家電製品には省エネが求められており,インバータ駆動の永久磁石同期モータ(PMSM)を採用する製品が増加している。インバータにはマイコンが実装されており,PMSMを駆動するためのソフトウェアが組み込まれている。このソフトウェアはベクトル制御を実現するもので,PMSMの効率や応答性に影響を及ぼす制御パラメータを適正化する必要がある。
東芝は,PMSM制御の仮想検証システムを構築し,このシステムを用いてモータ駆動用ソフトウェアの制御パラメータを自動で適正化する環境を開発した。このシステムは,家電製品などのモータ駆動システムにおいてソフトウェアの品質確保及び開発効率向上に非常に効果的である。


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一般論文
第一原理計算を用いたグラフェン材料の仕事関数エンジニアリング 本文PDF(392KB/PDFデータ)
吉田 孝史

近年注目されている炭素材料"グラフェン"は,薄く透明な電気伝導材料であることから,その応用が広く検討されている。
東芝は,電子デバイスの透明電極や微細化が進んだ電子デバイス内の配線への応用など,様々な研究開発を行っている。今回,デバイス構造を設計するうえで重要なグラフェン材料の仕事関数を第一原理計算により評価した。

窒素(N)置換及びホウ素(B)置換した置換グラフェンの仕事関数の変化をシミュレーションで解析した結果,仕事関数値はN置換の場合で20 %弱の減少が,B置換の場合で20 %程度の増加が見られた。更に,元素置換された局所領域における位置が仕事関数に大きく影響することも確認し,グラフェン材料の仕事関数をコントロールできることを実証した。

 
日本貨物鉄道(株) EH800形式交流電気機関車 本文PDF(332KB/PDFデータ)
山田 真広

北海道新幹線の開業により海峡線が新幹線との共用走行区間になることを受け,東芝は日本貨物鉄道(株)と共同でEH800形式交流電気機関車試作機を開発し,現在,現車試験中である。
この機関車は,共用走行区間(AC(交流)25 kV)と在来線区間(AC 20 kV)の複電圧に対応している。安全性や機能性を確保するため,台車に車両逸脱防止L型ガイドや軸温・振動センサを搭載するほか,従来の新幹線で実績のあるデジタル式自動列車制御装置の一種であるDS-ATC車上装置(当面は現行のATC-Lとして使用)及びデジタル列車無線装置を搭載している。


 
All-SiC素子を適用した鉄道車両用 高効率補助回路システム 本文PDF(326KB/PDFデータ)
河村 恒毅・真木 康次・小泉 聡志

近年,鉄道車両の高性能化及び高機能化に伴い,鉄道車両用 補助電源装置の大容量化,高効率化及び小型化の需要が高まっている。
今回東芝は,高周波スイッチングが可能な高耐圧,大電流,かつ低損失のAll-SiC素子(半導体スイッチ及び逆並列ダイオードの両方が炭化ケイ素(SiC)で構成される素子)を用いて高周波インバータを構成することで,絶縁のための変圧器を小型化し,装置の出力容量を保ったまま,高効率化及び小型化を実現する補助電源装置を開発した。また,鉄道車両の補助回路全体の効率向上による省エネを実現するためには負荷となる空調装置の高効率化が必須となっており,これまで主流であったコンプレッサの駆動をオン/オフする制御方式から,コンプレッサを駆動するモータの回転数をインバータで制御する方式に変更し,更に補助電源装置と同様にAll-SiC素子を適用した空調装置を開発することで,消費電力量を低減できることを確認した。


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EVの充電需要と電力の需給を計画的に管理する高速道路EMS 本文PDF(422KB/PDFデータ)
中村 順一・山田 尚史・加納 誠

高速道路EMS(Energy Management System)は,ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)とエネルギーの統合管理システムであり,EV(電気自動車)の普及に伴う高速道路での充電待ちの混雑緩和とともに,省エネと環境負荷低減を実現することを目的としている。
今回東芝は,その主要なサブシステムであるITSセンターとEMSセンターのアルゴリズムを開発し,シミュレータを作成した。シミュレーションの結果,EVの混入率が大きくなるに伴って,一部のサービスエリア/パーキングエリア(SA/PA)に充電目的のEVが集中し,充電待ち時間が増大する現象に対し,このアルゴリズムが機能することにより,EV充電待ち台数がSA/PA間で平準化され,混雑が緩和されることを確認できた。


 
室内環境の改善に貢献する可視光応答型光触媒 ルネキャットTM 本文PDF(344KB/PDFデータ)
佐藤 光・吉田 佳代・福士 大輔

近年,健康や安全に対する意識が高まり,食品や,水,空気などに配慮する家庭が増えている。空気に関しては,揮発性有機化合物(VOC)の拡散やPM2.5(粒径2.5 μm以下の微小粒子状物質)などによる大気汚染に加えて,生活の中でのにおいや,浮遊する細菌,ウイルス,アレルゲンなどが注目されている。
東芝マテリアル(株)は,長年にわたり培ってきた材料技術とナノテクノロジーを融合して,室内の明かりでにおいの原因となる物質や,細菌,ウイルスなどを分解し,除去する高性能な可視光応答型光触媒 ルネキャットTMを開発した。この材料を様々な製品に応用展開することで,安心,安全,快適な室内生活環境の実現に寄与できる。


 
ノートPC及びタブレット用3G/LTEアンテナの高性能でチューニングが容易な実装技術 本文PDF(331KB/PDFデータ)
柏木 一平・辻村 彰宏

近年のノートPC(パソコン)やタブレットは,複雑な機構構造やスタイリッシュなデザインを実現するため,内蔵アンテナの設計は非常に複雑になっている。とりわけ,第3世代(3G)や第4世代のLTE(Long Term Evolution)による高速通信を各国でサポートするには,カスタム設計によるアンテナの高性能化が欠かせない。
東芝は,ノートPC及びタブレット用に,高性能でチューニングが容易な独自のアンテナ実装技術を開発した。この技術をPortégéシリーズやTecraシリーズなど,海外向けラインアップに広くすばやく適用することで開発効率を上げている。


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R&D最前線
ユーザーの好みを学習して適切な暖房温度に設定する省エネ住宅 本文PDF(222KB/PDFデータ)
今原 修一郎

無理のない範囲で省エネを実現する許容温度推定技術
家庭の省エネを支援するHEMS(Home Energy Management System)は,その多くが消費電力の見える化によりユーザーに省エネを促しますが,しだいに電力モニタ画面を見なくなることが多いため,省エネの継続的な実現には課題があります。東芝は,機器を制御して省エネを行う取組みを進めており,ユーザーごとの好みの違いを把握して無理なく継続できる省エネの実現を目指しています。

今回当社は,普段の暖房の使い方を学習し,許容可能な範囲に暖房温度を下げることで省エネを実現する許容温度推定技術を開発しました。

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