新形のトレンチ構造を採用した1ギガビットDRAMメモリセルの開発について 1995年12月12日 当社は、メモリセル内でデータ(電荷)を蓄積するなどの役割を果たす キャパシタにおいて、当社独自のボトル形トレンチ構造(溝掘り形)を 採用することにより、従来のトレンチ構造と比較して約1.3~1.5倍の キャパシタ容量を実現できる1ギガビットDRAMのメモリセルを開発しました。 また、本メモリセルは、セル面積を従来の75%に縮小できる当社独自の 技術により、0.18ミクロンのCMOS微細加工技術を用いて世界最小の 0.228平方ミクロンを実現しています。 DRAMは、世代ごとに容量が4倍に増えるのに伴い、チップ面積も増大する 傾向にありますが、微細加工技術などを駆使してメモリセルをより微細化する 必要があります。 当社は、当社独自のボトル形トレンチ構造を開発することにより、0.228 平方ミクロンの微細なセル面積でありながら、従来のトレンチ構造と比較して 約1.3~1.5倍のキャパシタ容量を実現した1ギガビットの大容量DRAM用 メモリセルを開発したものです。 従来のトレンチ構造は、一方向にだけ選択的に溝を掘ることができる リアクティブ・イオン・エッチング(RIE)技術を用いてトレンチ構造を形成し、 次にトレンチ上部にトランジスタの拡散層と基板のプレートの電位を分離するための 酸化膜を形成します。ボトル形トレンチ構造では、これに加えて、さらにケミカル・ ドライ・エッチング(CDE)技術を用いてトレンチ下部だけを等方に エッチングしてボトル形のトレンチを形成しています。 半導体メモリの中でも最も大容量化が進んでいるDRAMは、3年で4倍の ペースで着実に大容量化され、21世紀初頭には1ギガビットDRAMが量産されると 予想されています。1ギガビットDRAMは、従来以上にチップコストおよび 設備投資額の負荷がかかると一般的に言われていますが、これらを低減するためには、 従来に比べて大幅なチップ面積の縮小が必要になります。 DRAMのメモリセルは、電荷(データ)を蓄積するキャパシタとデータの 入出力を制御してスイッチの役割をする1個のトランジスタとの2つの素子から 構成されています。 当社独自のメモリセル配置方式は、隣接するセルで1本のワード線を共有化 させることで、メモリセル内に1.5本のワード線と1本のビット線が通過する 構成にしています。 本メモリセルは、理論的には現在のDRAMメモリセル配置に比べ75%に 縮小できる当社独自のメモリセル配置方式6Fの技術を 用いることにより、0.18ミクロンのCMOS微細加工技術を用いて世界最小の 0.228平方ミクロンを実現しています。 なお、今回の技術成果は、12月10日から米国ワシントンで開催されている IEDM(国際電子デバイス会議)にて発表する予定です。
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