開発の背景と狙い

 超電導線材を用いた応用分野には超電導磁石がありますが、大きな空間に強力な 磁場を発生できる超電導磁石は、線材を巻いて作成した超電導コイルにも大きな力 (応力)が生じます。このため従来は、超電導線材に大きな歪みが加わらないように 補強材を組み込むなどの工夫が施されていました。この中で、補強材を 大幅に削減できるとともに、加工性にすぐれた高強度の超電導線材が 求められています。

 当社は、(1)高強度で加工性にもすぐれたアルミナ分散銅を用いた、 (2)最適温度で処理することにより、超電導線材を構成するそれぞれの素材の加工性を 最適化した、ことなどにより、約300メガパスカルの高強度を有するとともに、 実用化の条件となるキロメートル級の長尺を実現したニオブ3スズ超電導線材を 開発したものです。
 本線材を用いることにより、NMRなどの分析用高磁界磁石、磁場応用磁石、 核融合やエネルギー貯蔵用の大形磁石などの小形・軽量化など高性能化が 期待できます。

 なお、当社は、本線材を11月6日より大阪大学にて開催される「1996年 秋季低温工学・超電導学会」にて発表する予定です。


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