ドミニオン・セミコンダクタ社の買取によるメモリ事業体制の再編について

1999年7月7日

 当社は、米IBM社と2000年12月に、 同社が保有するドミニオン・セミコンダクタ(DSC)社の出資持株全額を買い取り、 全額当社出資の子会社にすることで、合意しました。

 DSC社は、96年2月に当社と米IBM社の折半出資により資本金4億ドルで設立したDRAM製造合弁会社です。 97年9月から生産を開始し、現在では64メガ換算で月産400万個(両社分)を生産しており、 年末までには同換算で月産600万個(両社分)にまで生産規模を拡大する予定です。

 今後、当社はDSC社をDRAMの北米量産拠点として活用するとともに、 2000年12月以降は、現在のIBM向け生産能力分をNAND形フラッシュメモリ用に転用し、 フラッシュメモリの生産拠点として、2000年第4四半期から、 256Mを中心に生産を開始し、2001年には月産50万個規模の生産体制とします。

 DSC社の子会社化は、当社の半導体事業における拠点のグローバル化戦略の一環で、 市場に近接した量産拠点の確保により、 北米における市場ニーズに迅速に対応した製品の安定的な生産・供給を図ると共に、 将来的に米国における製造・開発拠点として活用していきます。 また、大容量化のニーズが急拡大しているNAND型フラッシュメモリでも、 DRAM並の微細化技術が必要とされており、DSC社の最先端設備を活用することで、 0.2ミクロン以降の量産拠点を海外に確保したこととなります。 さらに、NAND型フラッシュメモリにおいても スケーラビリティ技術を活用して、 順次微細化を進めていきます。

 当社は、メモリ事業の安定化と拡大するNAND形フラッシュメモリ市場への対応のため、 NAND形フラッシュメモリをDRAMとならぶメモリ事業の中核事業と位置付け、 現在、約35%であるメモリにおけるDRAM以外の製品の売上比率を、 2001年度に50%に引き上げる予定です。 またDRAMについてはゲーム、ネットワーク、サーバー等パソコン以外の用途向けの、 高付加価値製品の比率を拡大していきます。

 今後、当社は、四日市工場とDSC社、台湾ウインボンド社のグローバル三極体制の中で、 市場動向をみながらDRAM、SRAM、フラッシュメモリを合わせた最適なプロダクトミックスを追求していきます。

NAND形フラッシュメモリ事業について
 NAND形フラッシュメモリは、当社が独自に開発した電気的一括消去・再書き込み可能な読み出し専用メモリで、 高速書き込みと大容量化に適しています。 ファイルメモリ用途として、電子スチルカメラの画像データ用記憶媒体やメモリカード、 半導体ディスク等に幅広く使用されています。 また、シリコンオーディオとして音楽市場でMDからの置き換えが進みつつあり、 大容量化とともに需要の急増が予想されています。 ファイルストレージ用のフラッシュメモリの市場は、 2001年で2200億円程度(98年度比約9倍)、 特に米国市場ではこれを上回る市場の急拡大が予想されています。
 当社は、DSC社を米国生産拠点として確保することにより、 今後フラッシュ事業をいっそう積極的に展開していきます。

ドミニオン・セミコンダクタ社の概要

社長 アレクサンダ・グラハム(Alexander Graham)
所在地 米国ヴァージニア州マナサス市
資本金 4億ドル
設立時期 1996年2月
従業員数 約1,000人

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