「IPHighwayコンソーシアム」IP流通のための仕様策定とシステム開発、および実証実験を完了

2001年1月25日

高速ネットワーク、インターネット上で企業間における効率的なIP流通を可能に

富士通株式会社
松下電器産業株式会社
ソニー株式会社
株式会社東芝
メンター・グラフィックス・ジャパン株式会社

 富士通株式会社、松下電器産業株式会社、ソニー株式会社、株式会社東芝、 メンター・グラフィックス・ジャパン株式会社の5社が幹事会社として平成11年6月に設立した「IPHighwayコンソーシアム」は、 高速ネットワーク、インターネットをベースとした、 IP*1流通のための仕様策定とシステム開発、およびその実証実験を完了し、実用性を確認いたしました。 そして、このIP流通システムと実証実験結果について、IPA(情報処理振興事業協会)に報告いたしました。

 システムLSIは、その大規模化と高機能化に伴う設計期間の長期化が大きな課題になっております。 現在、システムLSIに組み込まれるIPのデータ交換においてのデータ形式や手順が標準化されておらず、 IPデータ交換を行う企業間のIP流通を困難にする要因となっておりました。

 本コンソーシアムでは、IP流通の促進と、システムLSIの設計期間短縮に向けて、
(1) 高速ネットワーク、インターネットをベースとしたIP流通仕様の策定
(2) 本仕様に基づくIP流通システム「IPEX(アイペックス)*2」の開発
(3) IP流通システム「IPEX」による企業間IP情報交換実験と実用性の確認
を行いました。

 今回のIP流通システム「IPEX」の実証実験では、本コンソーシアムの幹事会社がIPプロバイダ、 IPユーザという立場で、インターネットおよび10Mbpsの高速専用線を用いてIP設計情報の交換を行いました。 その結果、IP設計情報の入手や提供を、共通の仕様に基づいてネットワーク上で効率良く行えることが確認できました。 この仕様とシステムを使うことにより、システムLSIの開発効率を大幅に向上できます。

 IPA(情報処理振興事業協会)事業の一環である本コンソーシアムの活動成果は、 平成12年8月末に「IP流通システムの実証実験報告」としてIPAに提出し、10月末に正式に受理されております。

 本コンソーシアムの活動は終了いたしましたが、次期コンソーシアムにおいて、 STARC*3の設計資産流通システムサブワーキンググループやVSIA*4と協力してこの成果の業界標準を目指して活動してまいります。

 平成13年2月1日、2日にパシフィコ横浜にて開催されるEDS(Electronic Design and Solution)フェア2001の富士通ブースにおいて、 本活動内容のデモ展示を行う予定です。

用語説明

*1 IP(Intellectual Property):一般的には、 知的財産のことだが、半導体業界ではシステムのある機能を実現する機能ブロックやファームウェア、 ソフトウェアドライバのことを意味する。
*2 IPEX(Intellectual Property Exchange):インターネットを利用した企業間IP情報交換システム。 各企業で保持しているIP技術情報を他企業に提供したり、他企業のIP技術情報を入手できる。 また、自社サーバに入手した他社のIP技術情報と、自社内で保有するIP技術情報を迅速かつ容易に検索し、 それぞれのデータを取り出せる。
*3 STARC(Semiconductor Technology Academic Research Center ):株式会社 半導体理工学研究所
*4 VSIA(Virtual Socket Interface Alliances):IPの技術標準化とオープン化を図るための非営利の標準化団体。

お客様お問い合わせ先

IPHighwayコンソーシアム事務局 
電話:042-532-1484


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