自社保有PCBの処理開始について

2001年2月14日

 当社はこのたび、当社が保有するPCBを当社で開発した「光・触媒分解法」により安全に処理し再資源化を図るため、 「浮島資源循環センター(仮称)」を設立し、処理施設の建設に着手します。

 「光・触媒分解法」は、昨年10月1日に厚生省(当時)より適切な処理方法として認可されました。

 「浮島資源循環センター(仮称)」は当社が浜川崎工場(神奈川県川崎市)に保有するPCBを安全に処理し再資源化を図る施設で、 近隣住民及び関係自治体との協議と承認を得たのち着工し、2001年度中の運転開始をめざします。 このため、今期末を目途に川崎市へ設備設置許可申請が行なえるように準備を進めています。

 本施設は、約2億円を投じて1回あたり約4.6キログラムのPCBを2日で処理する約255mのラインを屋内に設置します。

 PCBの保管は保有者の負担になっているとともに、漏洩や紛失のリスクを伴っています。 当社は自社保有PCBを安全に無害化処理することにより、PCBによる環境汚染の防止を進めます。

「光・触媒分解法」について

 「光・触媒分解法」は、安全で環境負荷の少ないPCB無害化処理方法として当社が開発したもので、 国の委員会の評価を受け、昨年10月1日に厚生省(当時)より適切な処理方法として認められたものです。

 PCBは耐熱性、化学的安定性、絶縁性に優れていることから、 多くの電気機器に使用されていましたが、昭和47年以降、新たな生産と使用が禁止されました。 以降、多くのPCBは事業者により厳重に保管・管理されていますが、 保管期間が長期化しており早急な無害化処理の確立が求められています。

 このたび当社が開発した「光・触媒分解法」は、火力や原子力発電所などの建設で培ったプラント技術を基盤として開発された、 安全、高性能、環境負荷が小さい穏やかな処理方法です。 PCBとイソプロピルアルコール及び水酸化ナトリウムを60℃以下の常圧で混合し、 紫外光を照射することによりPCBを脱塩素化し、ほとんどのPCBを分解させた後、 残ったPCBを分解するために、さらに75℃に加温し、 触媒を加え化学反応をおこなうことにより、脱塩素化処理をおこないます。 この結果、PCBを廃棄基準値以下に無害化し、塩、ビフェニル、アセトン、 水に変えるもので以下の特徴があります。

  • 低い運転温度、常圧、完全閉鎖系、無酸素系で処理できるので安全。
  • 処理時間が短く、分解性能が優れているので、効率的。
  • 使用するイソプロピルアルコールや触媒はリサイクル可能なので、廃棄物の低減が可能。
  • 燃焼工程などを含まないので、ダイオキシン類が発生しない。

「浮島資源循環センター(仮称)」の概要

設置場所 神奈川県川崎市川崎区浮島町
敷地面積 255m2
投資額 約2億円
処理対象 PCBを含む絶縁油
施設概要 PCB絶縁油の分解・再資源化施設
処理方法 光分解方法と触媒分解方法の併用
処理能力 1バッチあたり約4.6kg(1バッチ2日)
稼働時間 1日最大13時間運転
運転開始予定 2001年度予定


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