2000年度環境会計の集計結果について

2001年5月29日

 当社は、企業活動のうち環境保全にかかわるコストとその効果を定量的に把握し、企業活動の指針として活用するため、「環境会計制度」を1999年度から導入しておりますが、このたび2000年度(平成12年度)の結果を集計いたしました。

2000年度環境会計

環境保全コスト 390億円
環境負荷低減効果額 164億円
顧客効果(参考値) 37億円

*集計対象 当社ならびに国内関係会社46社、海外関係会社28社

 前年度との比較では、環境保全コストの総額は、前年度に対し微増となりました。 事業エリア内コストにおいて、フッ素の環境基準値設定への対応及び工程排水のリサイクルによる節水対策のため、排水処理設備への投資が増大したことが大きな要因となっています。 一方、環境保全効果では、前年度に対し、金額を直接換算できる「実質効果」が廃棄物削減等により24億円、化学物質による環境負荷の削減量を金額換算した「みなし効果」が140億円の効果となりました。 将来のリスク回避効果等は集計から除外しており、これらを考慮した場合には、環境保全効果はさらに高まると考えられます。
 なお、今回から参考値として、代表製品群における顧客(使用者)での環境負荷低減効果を「顧客効果」として算出しました。 これはライフサイクルコストのうち顧客利益に繋がる消費電力の削減等を評価していくもので、2000年度の集計値は37億円となりました。 今後、さらに集計データの精緻化を進めるとともに、対象とする製品群を広げていく計画です。 この指標を動機付けとして環境調和型製品の造出活動を加速し、環境調和型製品をさらに拡大していく正の循環ループを築いていきたいと考えています。

  1. 環境保全コスト(( )内は対99年度の増減)

    (単位:億円)

  2. 効果

    (単位:億円)
    実質効果は、電気料や廃棄物処理費用などの前年度に対して節減できた金額と有価値物売却益の合計。
    みなし効果算出方法・・・環境基準とACGIH-TLV(米国産業衛生専門家会議で定めた物質毎の許容濃度)をもとに、カドミウム換算した物質毎の重み付けを行い、カドミウム公害の賠償費用を乗じて金額を算出。 大気,水域,土壌等への環境負荷の削減量を前年度対比で示すとともに金額換算して表示することで、異なる環境負荷を同一の基準で比較することを可能にしている。

    参考値

    (単位:億円)
    顧客効果算出方法・・・製品のライフサイクルを通じての環境負荷低減効果を物量単位と貨幣単位(金額)で評価する。 ライフサイクルとは(1)原料調達(2)製造(3)輸送(4)使用(5)収集運搬(6)リサイクル(7)適正処理等の各段階をいい、今回は使用段階での環境負荷低減効果に焦点を当てた。 省エネ効果に関しては次式を用いて効果を計算。
    効果(円)= 〔(旧機種の年間消費電力量-新機種の年間消費電力量)X年間販売台数X電力量目安単価〕

    効果の内訳

    (1)実質効果

    環境負荷低減量は、1999年度と2000年度の差分を取っている。 マイナス効果は、生産増等により削減効果以上の環境負荷の増大があったことを示す。

    (2)みなし効果

    (3)顧客効果(参考値)

  3. 分類・算定基準について

     環境保全コストの分類、算出基準については、環境庁(現環境省)が昨年3月にまとめたガイドライン「環境会計システムの確立に向けて(2000年報告)」に準拠しています。
     効果については、統一的な基準が定められていないため、環境負荷低減効果を物量表示するとともに、経済的な「実質効果」に加え当社独自の基準を設けて「みなし効果」として金額ベースでも算出しました。 経済的「実質効果」とは、電気料や上下水道料、リサイクルを含む廃棄物処理料などの削減により金額を直接換算できるものです。 経済的「みなし効果」とは、大気や水域、土壌などへの環境負荷の削減量を賠償費用のデータ、環境基準などにより金額に換算したものです。 「顧客効果」では、冷蔵庫、パソコンなど12の製品群について消費電力の削減等を評価しています。
     当社グループにおける効果の分類は、下表のとおりです。


プレスリリース記載の情報(製品価格/仕様、サービスの内容、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。最新のお問い合わせ先は、東芝全体のお問い合わせ一覧をご覧下さい。