ランダムアクセス２５ナノ秒を実現したネットワーク向けメモリ

　当社は、ネットワークシステムのスイッチやルーターのバッファメモリなど大容量、高速メモリシステムの構築に最適な２５６メガビットファーストサイクルＲＡＭ （ＦＣＲＡＭ）の新製品として、業界最速のランダムアクセスタイム２５ナノ秒を実現した「ＴＣ５９ＬＭ８１４ＣＦＴ」など２モデル６品種を開発し、本日よりサンプル出荷を開始します。

　ＦＣＲＡＭは、ＳＲＡＭの性能にせまる大容量メモリを、ＤＲＡＭ技術をさらに発展させて実現したもので、メモリ活性化領域の絞り込みにより低消費電力化を実現するとともに、ＦＣＲＡＭコア技術により既存のＤＲＡＭ製品に対して２倍以上速いランダムアクセスタイムを実現しています。新製品は、最先端０．１７５マイクロメートルの微細加工技術を採用し、高速化回路技術の最適化をはかることで業界最速ランダムアクセスタイム２５ナノ秒、最大データ転送速度２００ＭＨｚ／４００Ｍｂｐｓの高速動作を実現しました。

　なお、本製品は当社が富士通株式会社と共同開発したものです。

新製品の概要

開発の背景とねらい

　インターネットやＬＡＮなどネットワーク機器の急速な進展にともない、データの処理量が膨大になってきています。高性能なネットワークシステムを構築するにはスイッチやルータシステムに大容量で高速なメモリが必要とされます。また、これらのデータを短時間で処理するためには、大容量で高速なメモリシステムを搭載したサーバが必要になってきています。今後さらにブロードバンド化が加速され、それを支えるネットワークシステムが要求するメモリの大容量化、高速化はますます高まります。当社はこれらのニーズに応えるため、大容量・高速メモリシステムの構築に最適な２５６メガビットＦＣＲＡＭをラインナップし商品化するものです。

新製品の主な特長

1. 電源電圧およびインターフェースは汎用のＤＤＲ　ＳＤＲＡＭと互換性を保ち、コントローラの設計を容易にしています。それぞれ電源電圧２．５Ｖ、インターフェースＳＳＴＬ－２を採用しています。１６メガワード１６ビット構成と３２メガワード８ビット構成の２モデル６品種をラインナップとして揃えています。

2. ０．１７５マイクロメートルプロセスＦＣＲＡＭコア技術の採用により、既存のＤＲＡＭ製品に対して２倍以上の２５ナノ秒の高速ランダムサイクルタイムを実現しました。ＳＲＡＭの性能にせまる大容量メモリを実現し、高速ランダムアクセスを多用するシステムに最適です。また、高速化回路技術の最適化により最大データ転送速度２００ＭＨｚ／４００Ｍｂｐｓを実現しました。

3. ＦＣＲＡＭチップ内部で活性化するメモリ領域を絞り込むことで低消費電力を実現、既存製品に対して約３０％の消費電力削減を実現しています。

4. ライトバースト長をライトコマンドで制御するバリアブル・ライトレングス・コントロール機能を採用しています。またライトレイテンシをＣＡＳレイテンシ－１としたことでターンアラウンドタイムを短くでき高いバス効率が実現できます。
5. パッケージは66pin 400mil TSOP type IIを採用しています。

シュミレーションモデルについて

　本製品は、米国デナリソフトウエア社の協力により、高性能シミュレーションモデル(SOMAライブラリ)をホームページにて提供します。 デナリソフトウエア社の提供しますシミュレーションモデル作成ツール「Memory Modeler AV」とメモリの仕様を記述したSOMAライブラリにより、各社のVHDL及びVerilogシミュレータに直接リンクしたシミュレーションが可能になります。(URL : http://www.semicon.toshiba.co.jp)

　米国デナリソフトウエア社(Denali Software, Inc.)はメモリ向けシミュレーションモデル作成ツール「Memory Modeler AV」を供給するEDAベンダです。
(URL：http://www.denalisoft.com, http://www.eMemory.com、国内連絡先 email: info@denalisoft.co.jp)

新製品の主な仕様

お問い合わせ先

新製品についてのお客様からのお問い合わせ先

• ＦＣＲＡＭは、富士通株式会社の商標です。
• Memory Modeler AVは、米国Denali Software Inc.の登録商標です。