中国での避雷器製造合弁会社設立について

2002年3月14日

 当社は、発電所や変電所、工場、及び一般家庭につながる配電設備などの電気機器を落雷の被害から守る避雷器の製造・販売を行う合弁会社を中国・河北省に設立することで、中国電力科学研究院と合意しました。

 新会社の名称は、「廊坊電科院東芝避雷器有限公司」で、両社の折半出資により、河北省廊坊市に本年4月に設立し、11月から製品出荷を開始する予定です。当社から避雷器の主要構成部品である酸化亜鉛素子の技術供与を受け、中国国内で部品、材料を調達し、中国市場向けの碍子型避雷器、ポリマー型避雷器、GIS用避雷器などを合わせて年間10万台の規模(2005年度)で製造する予定です。

 中国では、電力系統の信頼性向上を目指し、第10次五ヶ年計画(2001年~5年)において、送配電ネットワークの構築に3,000億元(約4.2兆円)の投資が予定されています。このような中、電力安定供給や送変電ネットワークの信頼性を高めるキーコンポーネントの一つである避雷器の市場も活発で、年間100億円規模の需要があります。

 当社の中国における重電機器の製造拠点は、先日開業した「河南平高東芝高圧開関有限公司」をはじめ、「常州東芝変圧器有限公司」、「寧波東芝華通開関設備有限公司」、「珠海許継芝電網自動化有限公司」が既に稼動中で、今月設立する「広州東芝白雲電器設備有限公司」と、新会社を加えた6拠点で、変電、系統、配電、システムといった電力流通設備全般に関わる機器の殆どをカバーする体制が整います。

新会社の概要

社 名 廊坊電科院東芝避雷器有限公司
設 立 2002年 4月(予定)
製品出荷開始 2002年11月(予定)
資 本 金 360万米ドル(約4億5,000万円)
出資比率 東芝:50% 中国電力科学研究院:50%
所 在 地 中国・河北省廊坊経済技術開発区内
総 経 理 未定(東芝から選出予定)
従業員数 約90名(2005年度)
事業内容 避雷器酸化亜鉛素子の製造、3kV~550kV避雷器の製造、販売、保守及びサービスなど
売上高 7,200万元(約10億円、2005年度見込み)
生産規模 年間10万台(2005年度見込み)

<中国電力科学研究院 概要>

社 名 中国電力科学研究院
設 立 1951年
出 資 者 国家電力公司 100%出資
所 在 地 中国・北京市
院 長 呉 玉生
従業員数 758人(2000年度)
売 上 高 4億元(約56億円、2000年)
主要業務 国家電力規格の型式試験認定業務、電力技術向上の研究、電力関連機器の研究・開発・製造及び電力大規模プロジェクトのエンジニアリング等

「避雷器」について

 落雷などにより発生する高電圧のサージから電気機器を保護するために設置する。避雷器に内蔵されている酸化亜鉛素子には、「低い電圧では電気をほとんど通さないが、高い電圧がかかると電気を通しやすくなる」という特性があり、避雷器は、これを利用して放電により過電圧を制限することで、保護対象の電気機器の絶縁を保護し、破損を防止することができる。


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