65nm世代プロセスにおけるモバイル用途向け低消費電力トランジスタの開発について 2003年6月10日
当社は、65nm世代のCMOSプロセス技術を用いた半導体として、世界最小の消費電力を実現したトランジスタを開発・試作しました。 当社は、昨年12月にソニー株式会社と共同で65nmのCMOSプロセス技術を用いたDRAM混載CMOS技術を開発しておりますが、今回、低消費電力を実現した65nm世代のトランジスタを当社独自で開発しました。 次世代半導体の開発においては、高速動作やチップ面積の縮小を実現するため、回路線幅の微細化を追求しています。微細化に伴い、LSIを構成するトランジスタでは、電流の流れを制御するためのゲート絶縁膜の膜厚も薄くなりますが、薄くなることによってゲートリーク電流が増大し、電流制御の機能が働かないという問題が生じます。現在ゲート絶縁膜として主流の酸化膜を用いても、多くの電流を流すことによってLSIの高性能化を実現するのに必要な駆動電流を得ることは可能ですが、モバイル機器用途向けLSIでは低消費電力化が必須であり、従来の酸化膜ではゲートリーク電流が許容できない問題に直面しています。 当社はこれらの問題に対応するため、ゲート絶縁膜の材料として、高誘電率(High-k)材料である窒化ハフニウムシリケート(HfSiON)を用いることによって、低消費電力を実現した65nm世代CMOSトランジスタを開発しました。 なお、今回開発した技術は、本日から6月12日まで京都で開催されている「2003 Symposium on VLSI Technology」において、本日発表いたします。
本技術の概要 低消費電力向け65ナノメートル世代CMOSトランジスタとして、以下3つの技術を確立しました。
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