米国ヒトウイルス研究所(IHV)とのAIDSテーラーメイド医療に関する共同研究契約の締結 2003年6月19日
株式会社 東芝 株式会社東芝と米国メリーランド大学ヒトウイルス研究所(IHV)は、AIDS患者のテーラーメイド医療*1実現に向けたDNAチップの共同研究に関する契約を締結しました。当社は、当社が開発した電流検出方式のDNAチップと検査装置を提供し、ヒトウイルス研究所(IHV)はHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に関連する情報を提供することにより共同で研究を行います。 今回のヒトウイルス研究所(IHV)との共同開発は、AIDSに対するテーラーメイド医療を切り開く第一歩と位置付けられます。今後、患者側の要因だけでなく、薬剤耐性に関連するウイルス変異の同定も手がけ、総合的な診断技術の確立を目指します。 当社は電流検出型遺伝子検出技術(電流検出方式)の基本特許を有しており、既にPCR*2より後のプロセスを自動化したシステムを開発しています。今回の共同研究をスタートに、更に研究の裾野を広げるべく、米国における研究開発及び技術の実用化に向けたパートナーの開拓をすすめていきます。 尚、今回の契約は、バイオ関連企業の誘致を積極的に行っているメリーランド州政府と三井物産戦略研究所の支援により実現しました。
当社DNA検査技術(電流検出方式) DNAチップとは、ガラスやシリコンの基板上に、高密度にDNA分子を固定したもので、試料中のDNAと結合するか否かを調べることで、試料中に目的のDNAが存在するかを調べることができます。現在市販されているDNAチップの殆どは、レーザを照射し蛍光を測定する蛍光検出方式で、装置が大型であり、チップも検査システムも高価格であるために、普及を妨げる原因となっていました。 当社は、これまでにC型肝炎テーラーメイド医療用チップや、CYPs等*3の薬物動態多型*4解析用のDNAチップを開発してきました。今後は、更にIHVのような有力研究機関との共同研究によりDNAチップのコンテンツを充実させていきます。更に、これらの新しいコンテンツと、デバイス・システム技術を核にして、DNA検査システムのプラットフォームの確立と、テーラーメイド医療の実現に貢献していきます。
ご参考 米国メリーランド大学ヒトウイルス研究所(IHV) 米国University of Maryland が、AIDSやC型肝炎等、ウイルスが原因となる疾病の研究所として1996年に設立しました。基礎研究から治療、予防までを幅広く取り扱い、最先端の研究成果を、最新鋭の機器を使って迅速に患者にフィードバックできる、世界で初めての医療・研究施設です。所長はHIV発見者の1人であるRobert C. Gallo 教授がつとめています。 |
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