DNA自動検査装置Genelyzer(TM)の開発 2003年6月20日
株式会社東芝は、当社独自の電流検出方式に基づくDNA自動検査装置GenelyzerTMを開発しました。本装置は、従来のDNA検査装置に比べ、操作性の向上と、大幅なシステムの小型化を実現し、大学や検査センターなど特殊な施設に限定されていた遺伝子解析を身近な医療現場で実現することを可能とします。 DNAチップによる遺伝子解析は、血液からの(1)DNA抽出、(2)増幅*2、(3)ハイブリダイゼーション反応*3、(4)検出、(5)判定という一連の操作を必要とします。通常は各々の工程を別々の装置で行うため、煩雑な手作業が多い、装置コストが高い、解析に要する時間が長い、信頼性も不充分と言った問題がありました。そのために、現状では大学などの研究用途か、検査センターでの特殊検査にその使用が限定されています。また、これまでに、DNAの自動検査装置としては、幾つかのものが開発されていますが、いずれもDNAの検出に蛍光方式*4を用いているために、装置はきわめて大型で、一般の臨床現場での用途としての普及には不向きでした。今後種々の用途で幅広く遺伝子解析が普及するためには、操作性が良くかつ小型の検査装置の開発が不可欠と考えられています。 当社は、更にDNA抽出及び増幅という前工程も含めた、全自動検査装置の開発も進めていきます。血液や口腔粘膜、毛根等をセットするだけで後は自動的に遺伝子型判定までを行える、完全全自動でかつ持ち運び可能な小型DNA検査装置が実現すれば、医療診断や食品検査だけでなく、犯罪捜査など様々な現場での遺伝子解析が可能になるものと期待されます。 本装置は6月23日より米国ワシントンD.C.にて開催されるBIO 2003*8 に出展されます。
当社DNA検査技術(電流検出方式) DNAチップとは、ガラスやシリコンの基板上に、高密度にDNA分子を固定したもので、試料中のDNAと結合するか否かを調べることで、試料中に目的のDNAが存在するかを調べることができます。現在市販されているDNAチップの殆どは、レーザを照射し蛍光を測定する蛍光検出方式を採用しており、装置が大型で、チップも検査システムも高価格であるために、研究用途以外への普及を妨げる原因となっていました。 当社は、これまでにC型肝炎テーラーメイド医療用チップや、CYPs等*9の薬物動態*10に関わる遺伝子の多型*11解析用DNAチップを開発してきました。今後は、国内外の有力研究機関との共同研究によりDNAチップのコンテンツを充実させていきます。更に、これらの新しいコンテンツと、デバイス・システム技術を核にして、DNA検査システムのプラットフォームの確立と、テーラーメイド医療の実現に貢献していきます。
本装置の主な仕様
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