SDカードを利用したデジタル著作権保護システムの実証運用を開始

2003年8月26日

デジタルマンガサイト「まんがたうん」の有料配信サービスに適用

 当社は、デジタルマンガサイト「まんがたうん」が10月から実施する、デジタルマンガの有料配信サービスにおいて、当社が開発したSD(セキュア・デジタル)カードを使ったデジタル著作権保護(DRM:Digital Rights Management)システムの実証運用を行ないます。

 当社のDRMシステムの特長は、暗号化コンテンツを開くための「コンテンツ鍵」そのものをSDカードの持つ固有のID(認証番号)と著作権保護機能を使って暗号化することにあります。コンテンツホルダーにとっては、「コンテンツ鍵」を管理することで、デジタルコンテンツの流通を確保しつつ、適正な著作権管理と課金管理を行うことが可能となります。

 今回の実証運用において当社は、自社インターネットデータセンター(IDC)に設置したサーバを使って、「コンテンツ鍵」の作成とユーザへの配信、管理を行ない、このDRMシステムの安全性の高さと、デジタルコンテンツ流通にとっての有益性を確認します。2004年春まで実証運用を継続し、マンガをはじめとするデジタルコンテンツの配信を希望する事業者向けに、DRMシステムの商品化を進める予定です。
 「著作権の保護」と「ユーザの利便性」を同時に満たす安全なシステムを提供することで、良質なデジタルコンテンツの流通を促進し、市場の拡大を図っていきます。

 今回、デジタルマンガサイト「まんがたうん」では、同サイトのユーザを対象に2000人規模のモニター募集を、実際のコンテンツ販売に先駆けて、9月1日から開始します。モニターには「コンテンツ鍵」を記録するためのSDカードと、パソコンに接続するためのSDカードリーダー、コンテンツ閲覧用セキュアプレーヤーが無料で提供されます。
 モニターは、10月以降「まんがたうん」内のデジタルマンガ(暗号化済)をダウンロードし、代金をネット上で支払って「コンテンツ鍵」を入手してマンガを見ることができます。適正な「コンテンツ鍵」の入ったSDカードを所持していれば、コンテンツそのものは自宅のパソコンからモバイル用のパソコンにコピーして、屋外で楽しむことも可能です。「まんがたうん」では、本年10月から来年3月末までに、プロ、アマを問わず、全100タイトルのデジタルマンガを提供予定です。(詳細は「まんがたうん」で随時発表されます。)

 コンテンツ閲覧用のセキュアプレーヤーは、当社と多摩美術大学情報デザイン学科、毎日新聞社の協力により、「見開き」という日本漫画ならではの表現に対応しています。また、東芝情報システム株式会社との共同開発により、Macromedia, inc. の「Macromedia(R) FlashTM Player」を組み込んでおり、「Macromedia(R) FlashTM」を使った動画コンテンツなど、紙の漫画とは一味違った楽しみ方が提供される予定です。

「まんがたうん」におけるDRMシステムの概念図

「まんがたうん」におけるDRMシステムの概念図

「まんがたうん」について

 「まんがたうん(http://www.mangatown.mainichi.jp/)」は、オリジナルのデジタルマンガを発表するサイトとして、本年4月から毎日新聞社が運営しています。
 プロ・アマを問わずデジタルでマンガを発信したい作家にスペースを提供し、作品を発表。読者からの感想を受け付けるコミュニティー機能を中心に、デジタルマンガの表示方法の研究やコンテストも実施しています。閲覧は無料ですが、感想の投稿などには無料の会員登録が必要となっています。また、作品発表を希望する作家の募集も随時行っています。主なサイト構成は以下の通りです。

<作家るーむ> 登録作家ごとに感想投稿スペース付のページを提供。本年8月現在、約30人、50作品を提供中で、既存の漫画誌などでは読めないオリジナル作品が、多摩美術大学制作のマンガビューワーで読めます。
<まんたんぷれす> 新規登録作家や新作の情報、デジタルマンガ関連ニュースなどを提供するサイト内週刊情報誌です。
<こんてすと> テーマを出して一枚絵を募集しています。里中満智子先生の出題で第1弾を実施、本年6月の締め切りまでに54作品が寄せられました。
<まんたんらぼ>

デジタルマンガの表現、著作権などを作家、読者とともに考えるコーナーです。

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マーケットクリエーション部 TEL 03(3457)2345


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