画面の視野角を自由にコントロールできるフィルター技術の開発について

2003年12月12日

携帯機器やATM画面操作時のプライバシーを保護

東芝 視野角コントロールシステム (左)斜め横から見た画面 (右)正面から見た画面

 当社は、ノートパソコンや携帯電話の画面にプレート状の特殊なフィルターを貼り付け、正面方向以外には網目状の模様などを表示させることにより視野角を狭め、操作時のプライバシーを保護できる技術を開発しました。視野角の調節や模様の解除も自由にできるため、持ち歩いて使うことの多い携帯機器のほか、ATMや電子投票端末向けに需要を見込んでおり、来年度下期の販売開始を目指しています。

 従来、画面にのぞき込み防止のシールを貼る方式はありましたが、正面方向から見た場合も画面が暗くなったり、画面を見せて説明したい時でも狭い視野角のまま固定されてしまうなどの不便がありました。本技術は、フィルターを用いて網目状の模様を表示させるもので、簡単な制御回路とともに機器に組み込めば、視野角を自由に調節したり模様が不要な時には解除することができます。
 これにより、携帯電話で画像を見せ合ったり、電子投票端末を車椅子で操作するような状況で、視野角を広げたい時には切り替えが簡単にできます。また、単なる模様ではなくロゴやキャラクターを表示させるフィルターも作ることができ、ATMで未使用時に広告を表示させるなど様々な用途が考えられます。

 液晶は、原理上素子の配置の仕方などに応じて特定方向が暗くなる性質がありますが、本技術はこの性質を利用して、方向の異なる素子を互い違いに並べた構造を作ることにより、左右どちらから見ても半数程度の素子が暗く見えるようするものです。素子の配列を組み替えてフィルターを作れば、表示される模様を自由に変更することが可能です。

 液晶テレビなどでは、画面が暗くなるのを抑える技術の開発が進んでいますが、本技術は、暗くなる性質をそのまま利用して、視野角をコントロールする世界初の技術です。
 なお、本技術を用いたフィルターの製品化は東芝電子エンジニアリングが行います。


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