1パッケージに業界最多(*1)の9層まで積層することができるMCP(*2)の開発について

2004年1月21日

 当社は、MCPに封入するチップを薄く削って積層させ、ボンディングする技術を改良することによって、携帯電話などのモバイル機器に搭載できる高さ1.4mmサイズのパッケージの中に、業界最多の9層まで積層できるMCPの多層化量産技術を開発しました。

 携帯電話などのモバイル機器では、カメラ・ディスプレイなどの高機能化に伴い、通話機能などの基本プログラムのほかに、画像・映像やゲームなどの大容量のデータを高速に処理することが強く求められる一方、機器の特質上、限られたスペースに実装する必要があるため、多層のMCPのニーズが高まっています。
 当社は、MCPに封入するチップを1枚あたり業界最薄*3の70μmまで削り、そのチップを割れないように積層させるとともに、ワイヤーの形状やボンディングピッチの配置を工夫した多重ボンディング技術を確立し、多層MCPを実現しました。
 本パッケージには、SRAM、NOR型フラッシュメモリ、NAND型フラッシュメモリ、ローパワーSDRAM、擬似SRAMの合計5種類のメモリを、用途に応じて自由な組み合わせで搭載することが可能で、メモリチップの組み合わせ方によっては、高さ1.4mmのパッケージに最大で9チップまで積層して搭載することも可能です。
 また、コントローラとメモリを結ぶデータバスを業界で初めて*43種類設ける(トリプルデータバス*5)ことでデータの高速処理にも対応しています。

 これらの技術により、次世代携帯電話などの高機能化が著しいモバイル機器に最適なメモリを部品点数を増やすことなく搭載することができ、高性能なシステムを実現させるのに役立ちます。
 なお、当社では本技術をベースとしたMCP製品を本年5月に製品化する予定です。

*1: 2004.1.21現在。MCP1パッケージとして。
*2: マルチチップパッケージ/平面的に配置していたチップを積層して1つのパッケージに実装したもの。
*3: 2004.1.21現在。MCP用のチップ1枚あたりの厚さとして。
*4: 2004.1.21現在。MCP用のパッケージとして初めて。
*5: 画像・映像用途に使われるNAND型フラッシュメモリ専用のデータバスのほかに、2種類のデータバスを用意することで、データ伝送ルートを増やしメモリチップを効率良く稼動させることができます。

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