家電製品向けインバータ制御32ビットRISCマイコンの発売について

2004年4月20日

エアコンなどの省エネ基幹部品

TMP19A70FYFG

 当社は、エアコンや冷蔵庫、洗濯機などの家電機器向けに、高精度なインバータモータ制御回路と各種周辺回路を内蔵し、省エネルギー運転など機器の高性能化を1チップで実現できる32ビットRISCマイコン「TMP19A70FYFG」など4品種を商品化し、6月から順次サンプル出荷を開始します。

 新製品は、米国MIPS社のアーキテクチャをベースに新開発したコア「TX19A」を採用したことなどにより、動作周波数が56MHzの高速処理を実現しており、同時に2つのモータを制御しながら機器のプログラムを実行することができます。
 また、モータの制御回路は、高速AD変換器で回転時の負荷の変化などを読み取り、高精度に駆動電流を整える正弦波駆動に対応しており、モータの消費電流や騒音を抑制できます。
 さらに、高機能な三相PWM回路など、モータ制御に必要な各種周辺機能も内蔵しています。

 インバータモータ用の高性能マイコンは、もともと産業分野で用いられていましたが、近年、家電分野で省エネルギーや低振動・低騒音化を実現する部品として需要が拡大しています。
 当社は、こうしたニーズに対応し、高性能RISCマイコン「TXシリーズ」のラインナップとして、家電機器の主要機能をモータ制御を含めて1チップ化した新製品を商品化するものです。

新製品の概要

開発の背景とねらい

 近年、省エネルギーなどの高性能化が進展している家電業界では、エアコンのコンプレッサや洗濯機用に、モータの駆動電圧を非常に高い精度で制御するベクトル制御の採用が増えています。また、機器のプログラムを実行するアプリケーション制御とモータ制御を1チップ化し、システムを高性能化するニーズも高まっています。当社は、こうしたニーズに応えるため、高性能32ビットRISCコアをベースに、高性能なモータ制御回路を内蔵した新製品を商品化するものです。

新製品の主な特長

1. 米国MIPS社のアーキテクチャをベースに、当社独自の拡張命令セットを追加した新開発の32ビットコア「TX19A」を搭載したほか、割り込み処理時間を短縮できるシャドーレジスタを取り入れたことなどにより、高速・高効率処理を実現しています。
   
2. 内部56MHzの動作周波数により、ほとんどの命令を1サイクル(17.8ナノ秒)で実行できるほか、命令長はモードにより32ビットと16ビットを選択できます。また、演算ユニットは専用ブロック化されており、演算結果の退避動作が不要で効率的に処理できます。
   
3. モータ制御用にデッドタイマ付き三相PWM出力を2ch内蔵したほか、16ビットのアップダウンカウンタを搭載しています。また、最小分解能が35.7nsのPWMキャリア周波数を生成でき、EMG信号入力により緊急出力停止も可能です。
   
4. 逐次変換型AD変換器を2ユニット搭載し、PWMやタイマに同期させることができます。分解能は10ビットで、変換時間は2.36マイクロ秒を実現しています。また、PWMの任意の位置で変換を開始することができます。

新製品の主な仕様

新製品の主な仕様

お問い合わせ先

新製品についての
お客様からの
お問い合わせ先
システムLSI営業推進第二部
営業推進第三担当
TEL 03(3457)3459


プレスリリース記載の情報(製品価格/仕様、サービスの内容、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。最新のお問い合わせ先は、東芝全体のお問い合わせ一覧をご覧下さい。