800℃の環境下で温度調節可能な高温ペルチェモジュールを開発 2005年4月25日
当社は、耐熱性の高い半導体材料の採用や新たなモジュール構造の開発により、世界最高*1の耐熱温度800℃を実現したペルチェモジュールを開発しました。 ペルチェモジュールは、電流を流すことでモジュールの上面から下面に素早く熱が移動し温度差が生じる「ペルチェ効果」を有する半導体(熱電変換素子)を使用しており、この熱の移動を利用して温度調節や急速な冷却を行います。駆動部分がなく、静かで、故障が少ないというメリットがあり、新しい冷却手段として冷温庫などで広く実用化されています。しかしながら、市販のペルチェモジュールは、耐熱性が低く、250℃以上では使用できないため、高温での温度調節デバイスとしては実用化されていませんでした。 本開発品は、現在市販されているペルチェモジュールに比べて高温の環境下で使用することができます。これは原子力発電プラントの高温部位で使用されている構造材料の利用や、温度差により発電を行う熱電モジュール技術をベースに熱膨張差による破損を抑制する耐熱構造を開発したことによります。従来のペルチェモジュールでは困難とされた250℃~800℃の高温領域において、精密で素早い温度調節や急速な冷却を行うことが可能となり、半導体製造や熱分析、新材料探索などの高温分野において、新たな製造装置や分析装置の開発に利用できます。 本開発品は、商品名「bluetopazTM(ブルートパーズ)」*2として、本年8月から国内向けにサンプル出荷を開始する予定です。また、今後は半導体製造装置や熱分析装置など高温での温度調節や急速冷却分野への応用に向けた製品開発を行う予定です。
開発の背景と狙い 現在、温度調節用として使用されているペルチェモジュールは、その応答性が速いことから、産業用としては半導体製造プロセスや工作機械の精密な温度調節に利用されています。しかしながら、これまでのペルチェモジュールは、耐熱性が低いために、250℃以下の比較的低温でしか使用できませんでした。 開発品の主な特長
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