デジタル複合機向け64ビットRISCマイコンの開発について

2005年5月10日

キヤノン製デジタル複合機に採用

 当社は、90nm(ナノメートル)半導体プロセスと64ビットRISC型マイクロプロセッサ・コアを用いた、デジタル複合機向けSoC(システム・オン・チップ)を、キヤノン株式会社(以下キヤノンという)と共同で開発いたしました。本SoC(システム・オン・チップ)は4月から当社大分工場での製造・出荷を開始し、キヤノンが5月下旬から発売するカラーデジタル複合機の「Color imageRUNNER iR C3170F」など4機種のコントローラ部に制御用チップとして搭載されます。

 本チップは90nmの微細加工プロセスを採用しています。中核となるマイクロプロセッサには、米国MIPS Technologies社と共同開発した当社オリジナルのRISCプロセッサコア「TX99/H4」を搭載しています。また、各種IP群や大規模なカスタムロジックを同一チップ内に搭載しており、複数の作業を同時に並行して、高速でかつ高品質に処理する等、デジタル複合機に求められる複雑で高度な性能や品質の核になる技術のサポートをしています。

 今回採用された「TX99/H4」コアは、最高周波数800MHzの高速処理が可能で、標準的な性能評価用プログラムであるDhrystone*1でのベンチマーク結果は、 1800DMIPS*2と当社従来製品である「TX49/H4コア」と比較して約4倍と、大幅に演算性能が向上しています。

 本チップは、ロバスト設計*3、シグナルインテグリティ対応設計*4、DFM設計*5等の設計手法を最新の設計ツールと共に用いることで、デジタル複合機に求められる複雑で高度な性能や品質を実現しています。
 当社では、RISCプロセッサコアや高速インターフェイス等のIP群を搭載した製品を今後も開発していく予定です。

*1: CPU の性能を計るベンチマークテストの1つ
*2: Dhrystone Million Instructions per second /命令実行能力を表す単位
*3: 製品ごとのばらつきや動作時の環境のばらつきを考慮して製品にマージンを持たせた設計方法
*4: 隣接する配線間の信号のノイズ等を低減させるように工夫した設計方法
*5: Design for Manufacture/製造時の歩留を上げるように工夫した設計方法

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