次世代プロセッサCellのチップセットおよびリファレンスセットの開発・販売について

2005年9月20日

 当社は、次世代プロセッサCellを活用したデジタルメディア機器やコミュニケーション機器等の企画・開発を促進するため、Cellとその周辺チップをセットとしたCell チップセット、およびCellを用いたシステムの開発評価用ハードウェアおよびソフトウェアのセットであるCellリファレンスセットを開発しました。

 今回開発したCellチップセットは、Cellプロセッサ、およびCellと外部の画像・音声入出力機器をつなぐインターフェース・チップ(Super Companion Chip)、Cell駆動に最適な電源システム・チップで構成されます。
 また、Cellリファレンスセットは、Cellチップセットと各種インターフェースなどを実装した基板と、システムの安定動作に必要な冷却装置などを筐体に収めた開発支援セットで、DVDやHDDドライブなどの周辺機器も組み込まれています。ソフトウェア関係は、OS等の基本ソフトウェア、ミドルウェア、開発環境を用意します。これらのハードウェアとソフトウェアをセットとして組み込むことにより、開発者のニーズに応じた動作検証が直ちに可能になり、応用システムのハードウェア/ソフトウェア開発の両面から開発期間の短縮やコスト削減が可能です。

 将来Cellを活用した応用システムの開発をめざすソフトウェア開発者やビジネスパートナーが、CellチップセットおよびCellリファレンスセットを活用することにより、Cellの特徴である「マルチタスク・リアルタイム処理」機能を実現する新たな応用システムの開発が可能となります。

 販売開始時期については、Cellおよび周辺チップの供給体制および提供する技術ドキュメントを整備し、2006年4月以降を予定しています。

 なお、本年10月4日より幕張メッセで開催されるCEATEC JAPAN 2005 の東芝ブースにおいて、CellチップセットおよびCellリファレンスセットの展示ならびにCellリファレンスセットを用いたデジタル機器のデモンストレーションを行います。

Cellチップセット/Cellリファレンスセットの構成・概要

Cellチップセット

次世代プロセッサ “Cell”
IBM、SONYグループ、東芝が共同で開発した次世代プロセッサ。マルチコア・アーキテクチャを採用し、超高速データ転送能力により、次世代の大容量メディア・アプリケーションを扱うデジタルメディア機器等での応用が可能。
音声・画像インターフェース “Super Companion Chip”
Cellの超高速データ転送能力に対応した、画像、音声インターフェース機能を備えたCell周辺LSI。
多様なシステムに対応したインターフェース群(Video, Audio Input/Output, Digital AV I/F,IEEE1394, Digital Tuner I/F)、および標準的なInput/Outputとの接続を容易にするインターフェース群(標準Bus I/F, High Speed Network I/F, Storage Device I/F)を有する。
高効率電源システム
Cell駆動に最適な高効率電源システム。
Cellが要求する、高速応答・高精度を可能にするコントローラIC(TB6814FLG)と8mm×8mmの小型パッケージにパワー素子を集積したマルチ・チップ・モジュール(TB7003FL)で構成。
1相あたり、出力電流30A、動作周波数1MHzの4相構成により小型・高効率なハイパワー電源システムを実現。

Cellリファレンスセット

高性能プロセッサCellを活用した次世代デジタルメディア機器向け開発プラットフォーム
広帯域システムアーキテクチャを支える高速多ビット配線技術と多様なインターフェース
ハードウェア資源を管理するハイパーバイザ上で動くOSとして、LinuxとITRONを用意し、アプリケーション資産の流用が可能
開発ツールは、Eclipseフレームワークをベースに、エディタ、コンパイラー、デバッガー、パフォーマンスモニターなどの総合開発環境を用意
AVアプリケーションモデルとして、複数のデジタル放送とアナログ放送の同時受信、録画・再生のフレームワークを提供

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