高速処理と低消費電力を両立した32ビットCISC型マイコンの発売について

2005年9月21日

豊富な周辺回路の内蔵で電子辞書等の携帯機器に最適

東芝 32ビットCISCマイコン「TMP92CZ26XBG」

 当社は、32ビットCISC型(複合命令セットコンピュータ)マイコンとして、業界最大クラスの処理能力*1と、業界最小クラスの低消費電力*1を実現した「TMP92CZ26XBG」を開発しました。サンプル出荷は2005年12月から、量産は2006年第一四半期から、順次開始します。

 新製品は、0.18μmプロセスを使用し、低消費電力と高性能を実現したハイスピード32ビットCPUコア「900/H1」を搭載しています。60メガヘルツ(内部動作周波数)動作時に、業界最大クラスの処理能力(約30MIPS*2)と、業界最小クラスの消費電力(約60ミリワット*3)を実現しています。高速アクセス可能な大容量(288キロバイト)のRAMを内蔵することで、CPUの処理能力を最大限に引き出すことができ、これまでCISCマイコンでは実現できなかった音声や画像CODEC等のアプリケーションにも対応可能です。
 さらに、カラー対応LCDコントローラ、USBデバイスコントローラ、NAND型フラッシュメモリコントローラ等の周辺回路を豊富に内蔵しており、電子辞書等の携帯機器に最適です。また、本製品と完全ピン互換で内蔵RAMの容量を減らした廉価版も開発中です。

 なお、本製品は10月4日から幕張メッセで開催する「CEATEC JAPAN 2005」で、本製品に対応したアプリケーションソフトウエア(TTS:Text to Speech)を搭載したリファレンスボードとともに、デモ展示を予定しています。

*1: 32ビットCISCマイコンとして
*2: 東芝オリジナルベンチマークテストによる
*3: 25℃・1.5Vで内蔵RAMを動作させた場合

新製品の主な概要

新製品の主な概要

開発の背景と狙い

 近年、性能が急激に向上している携帯機器においては、大量のデータを高速処理し、低消費電力で駆動するマイコンへのニーズが高まっています。
 当社は、こうしたニーズに応えるため、0.18μmのプロセスを使用し、弊社従来製品の約3倍の動作周波数(内部動作周波数60メガヘルツ)と低消費電力を両立した「TLCS-900/H1」CPUコアを開発しました。カラー対応LCDコントローラ、USBデバイスコントローラ、NAND型フラッシュメモリコントローラなどの豊富な周辺回路を内蔵することで、電子辞書などの携帯機器に最適なマイコンを商品化しました。

新製品の主な特長

1. 当社のTLCS-900系のCISCアーキテクチャをベースに、0.18μmプロセスを採用し、新たに開発したハイスピード32ビットオリジナルコア「900/H1コア」を搭載することで、内部動作周波数60メガヘルツ(当社従来製品の約3倍の処理能力)の高速処理動作を実現しています。
   
2. 高速化されたCPUのパフォーマンスを十分に発揮させる為に、メモリインターリーブ方式を採用し、高速アクセス可能な大容量RAM(288キロバイト)を内蔵しています。
   
3. 当社のTLCS-900系16ビットオリジナルプロセッサ「900/L、900/L1、900/Hコア」と命令コード完全互換であり、また、従来のTLCS-900系と同等に、当社のCコンパイラによる、高コード効率を実現しています。
   
4. ビット単価のコストパフォーマンスに優れた、SDRAMやNAND型フラッシュメモリコントローラを内蔵し、セット価格を押さえた商品開発にすぐれています。また、NAND型フラッシュメモリコントローラでは、最新技術である多値NAND型フラッシュメモリへのアクセスも可能です。
   
5. 64ビット+(32ビット×32ビット)の処理を高速に行う積和演算回路を内蔵しています。
   
6. 256/4096色のカラーSTN、また最大1600万色対応のTFT対応のLCDコントローラを内蔵し、クオリティの高いカラー表示を容易に実現できます。

新製品の主な仕様

新製品の主な仕様

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