DNAチップに関する特許ライセンス契約締結について

2006年3月10日

 当社は、アンタラ・バイオサイエンス・インク(以下、アンタラ)に対し、当社の電流検出方式に基づくDNAチップおよびDNA検査装置に関し、米国での医療用ヒト体外診断に限定した特許ライセンスを供与する契約を締結しました。

 アンタラは、この特許を利用したDNAチップおよびDNA検査装置の開発を行なうことにより、米国内での医療機器の販売に義務付けられるFDA(Food and Drug Administration: 米国食品医薬品局)の認可取得の手続きを経て、アンタラブランドでのDNAチップおよびDNA検査装置の米国内での販売が可能となります。

 当社は2001年に事業開発プロジェクトを発足し、2003年にDNA自動検査装置、2004年にはCMOS(相補性金属酸化膜半導体)集積回路技術を用いた高感度のDNAチップを開発しました。今回のライセンスは、当社独自の電流検出方式に基づくDNAチップ技術が、将来的な遺伝子診断の中心的技術として米国での実用化に向かう第一歩となります。

東芝独自の電流検出方式について

 DNAチップとは、ガラスやシリコンの基板上に、複数種のDNA分子を固定したもので、試料中のDNAと結合するか否かを調べることで、試料中に目的のDNAが存在するかを調べることができます。現在市販されているDNAチップの殆どは、レーザを照射し蛍光を測定する蛍光検出方式を採用しており、装置が大型で、チップも検査システムも高価格であるために、研究用途以外への普及を妨げる原因となっていました。
 当社が開発した電流検出方式は、検出に光学系を必要としないため、検出部の装置構成がきわめて簡素になり小型化が容易です。操作が簡単、精度が高い、コストが安い、IT技術との融合が容易であるなどの利点があります。

アンタラ・バイオサイエンス・インク(Antara BioSciences Inc.)について

 バイオ関連装置の研究・開発、製造、販売並びに関連サービスを行なう株式会社ユーラス・ジェノミクス(日本法人)が、米国での体外診断ビジネスを行なうため、2005年12月に設立。
(CEO: Marc R. Labgold Ph.D.、President : Dana Ichinotsubo)


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