東芝グループの2025年におけるCO2排出削減量見通しの修正について

2008年6月13日

-新照明事業や発電設備試算の見直しで、6,010万トン/年を上乗せ-

 当社グループは、昨年11月に「環境ビジョン2050」の中で公表した2025年のエネルギー供給事業とエコプロダクツ創出によるCO2排出削減量の見通しを、5,760万トンから1億1,770万トンに上方修正します。「環境ビジョン2050」は、「地球内企業」としてより良い地球環境の実現のために、当社が策定した総合環境効率を2000年度を基準として2050年までに10倍(ファクター10)に高めることを目指すものです。

 当社の事業の1つである発電システムや電力流通システムなどのエネルギー供給事業では、原子力発電の推進や火力発電の性能向上などで2025年では4,700万トン/年のCO2排出削減を見込んでいました。2050年までにCO2の排出量を現在と比べて50%程度まで削減するためには、毎年32基の原子力発電設備が必要との試算もあり*1、地球温暖化防止の観点から発電時にCO2を発生しない原子力発電の需要が世界的に高まっています。また、火力発電や水力発電などの多様な発電設備を最適に組み合わせるエネルギーベストミックスの考え方が重要となってきているなど、当社をとりまく事業環境が急速に変化しています。これらの事業環境の変化に伴い、2025年のCO2排出削減量を4,700万トンに3,500万トン積み上げ、8,200万トン/年に見直しました。

 性能向上と省エネルギーを両立させたエコプロダクツでは、家電製品、パソコン、産業用機器をはじめとする多様な商品の創出で、2025年では1,060万トン/年のCO2削減を見込んでいました。こうした中で、当社は2010年を目途に他社に先駆けて白熱灯の製造中止*2を決定するとともに、LED照明を中心とした新照明事業の強化に取り組んでいます。家庭での電力消費の約16%*3を占める照明については、その省エネルギーが求められており、今後は白熱灯から省エネ効果の高い蛍光灯やLEDなどの新照明への置き換えが進んでいくものと想定されます。こうした状況を踏まえて、2025年での新照明事業の推進によるCO2排出削減量を検討した結果、1,060万トンに2,510万トン積み上げ、3,570万トン/年に見直しました。

 これらによりエネルギー供給事業とエコプロダクツ創出による当社グループの2025年のCO2排出削減量は、6,010万トンを上乗せし、1億1,770万トン/年です。これは、東京都のCO2年間排出量(約5,969万トン、2005年度)の2倍相当の削減量になります。

 当社グループは「地球内企業」としてより良い地球環境の実現のため、効率の良いエネルギー供給機器の開発や、環境に配慮したオフィス・家電製品の製造、販売を通じて、CO2排出削減の寄与などの地球温暖化防止をはじめとした、資源有効活用、化学物質管理を通した地球との共生や豊かな価値の創造のための取り組みを行っていきます。

*1 IEA(国際エネルギー機関)、「Energy Technology Perspectives 2008」(エネルギー技術展望2008)より
*2 製造中止予定機種は、一般白熱電球(ボール電球を含む)E26口金81機種。ミニクリプトンランプ、ハロゲンランプ、反射形ランプなど、現在の電球形蛍光ランプ等に置き換えできない小型の白熱電球は対象外です。
*3 資源エネルギー庁「電力需要の概要」(2003年度)より
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