ニュースリリース

当社最大の記憶容量を実現した500ギガバイト(GB)の2.5型HDDの商品化について

-シーク時の音を従来機種より5デシベル(dB)低減した機種も同時に商品化-
2008年11月19日

東芝500ギガバイト 2.5型ハードディスクドライブ「MK5055GSX」の写真

 当社は、面記録密度576.4Mbit/mm2(371.9Gbpsi)で、当社最大の記憶容量500GBを実現した2.5型ハードディスク装置(HDD)「MK5055GSX」をはじめ、400GB、320GB、250GB、160GB、120GBの合計6機種をそれぞれ商品化し、12月から量産します。250GB、160GB、120GBの機種は、シーク時の音注1が従来機種注2に比べて5dB低減し、動画やコンテンツの再生時もシーク時の音を気にせず楽しむことができます。なお、これらの商品は、2009年1月8日から開催される米CES(Consumer Electronics Show)に展示する予定です。

 「MK5055GSX」は、磁気ヘッドやディスクの磁性層の改善により、面記録密度576.4Mbit/mm2(371.9Gbpsi )としたことで、当社最大の記憶容量である500GBを実現しました。本商品はハイエンドのノートPCや、ハイビジョン映像などの長時間記録が求められる録画機能付き薄型テレビ、HDDレコーダーなどのニーズに応えることができます。さらに、エネルギー消費効率注3は従来機種(「MK4058GSX」、400GB)と比べて、約20%向上しています。

 「MK2555GSX」(250GB)、「MK1655GSX」(160GB)、「MK1255GSX」(120GB)は、当社独自のシーク制御技術により、シーク時の音を従来機種に比べて5dB低減した20dBとし、当社2.5型HDD商品の中では最も高い静音性を実現しました。動画や音楽の再生中でもシーク時の音を気にせずに楽しむことができるため、AVノートPCや、録画機能付き薄型テレビ、HDDレコーダーなどの情報家電にも好適です。

 また、本商品6機種は当社従来機種「MK4058GSX」と比較して、シーク時とリード/ライト時の消費電力を0.5ワット(W)低減し、それぞれ1.7W、1.4Wとしました。さらにすべて、EU(欧州連合)RoHS指令注4に適合し、本体全体のハロゲンフリー注5を実現しています。当社は商品化にあたり、地球環境に配慮した取り組みを行っています。

 なお、本商品には磁気ディスク装置の落下を検知して衝突前にヘッドを退避させるフリーフォールセンサー機能をオプションで搭載可能です。

注1 ファイルの書き込みや検索を行う時など、ヘッドが目標トラックに移動する際に出る音。

注2 当社製2007年度モデル「MK1652GSX」との比較。

注3 省エネ法で定める測定方法により測定した消費電力を省エネ法で定める記憶容量で除したものです。

注4 RoHS:Restriction of the use of certain Hazardous Substances EU(欧州連合)では、コンピュータや通信機器・家電などで特定有害物質(鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB(ポリ臭化ビフェニール)、PBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル))の使用禁止を定めた指令。2006年7月から施行。

注5 塩素および臭素を対象とし、それぞれの濃度を自主基準値以下(それぞれ900ppm以下で合計1,500ppm以下)に管理しています。

新商品の概要  

型名 記憶容量 外形寸法 シーク時の騒音 特長
MK5055GSX 500GB (W)69.85mm
(D)100.0mm
(H)9.5mm
25dB 当社最大記憶容量500GB
MK4055GSX 400GB
MK3255GSX 320GB
MK2555GSX 250GB 20dB 当社2.5型HDDの中で最も静音
MK1655GSX 160GB
MK1255GSX 120GB

商品化の背景と狙い

 2.5型HDDは、ノートPCだけでなく、デスクトップPCやデジタル家電などさまざまな用途に活用されており、動画などの記録・再生のために、さらなる大容量化や性能の向上が求められています。当社は最先端技術を積極的に採用し、高密度化、大容量化、高速化、静音化を実現した商品をラインアップに加えることで、お客様の幅広いニーズに応えていきます。

新商品の主な特長

1.面記録密度576.4Mbit/mm2(371.9Gbpsi)で当社最大の記憶容量500GBを実現 【MK5055GSX】

 「MK5055GSX」は、当社独自技術によって磁気ヘッドやディスクの磁性層を改善し、面記録密度576.4Mbit/mm2(371.9Gbpsi)を実現しました。これにより従来機種(「MK4058GSX」400GB)と同じ厚さ9.5ミリ(mm)、ディスク枚数2枚で、当社商品として最大記憶容量500GBを実現しました。

2.シーク時の音の静音化を実現 【MK2555GSX、MK1655GSX、MK1255GSX】

 当社独自のシーク制御技術により、シーク時の音を従来機種(「MK1652GSX」、25dB)より5dB低減し、静音化を実現しました。これにより、PCや薄型テレビ、HDDレコーダーなどの情報家電で動画や音楽の再生中でも、シーク時の音を気にせずに楽しむことができます。

3.消費電力の低減 【全機種】

 全機種とも、当社従来機種「MK4058GSX」と比較して、シーク時とリード/ライト時の消費電力を0.5W低減し、それぞれ1.7W、1.4Wとしました。

4.従来機種と比べて高いエネルギー消費効率を実現 【MK5055GSX】

 「MK5055GSX」は、従来機種(「MK4058GSX」2.5型HDD、400GB)と比べ、エネルギー消費効率を約20%向上させました。

5.環境への配慮 【全機種】

(1)本体全体のハロゲンフリーを実現

 当社の2.5型HDD商品としては初めて本体全体のハロゲンフリーを実現した従来機種「MK4058GSX」と同様に、塩素および臭素を対象として、濃度を自主基準値以下(それぞれ900ppm以下で合計1,500ppm以下)に管理しています。

(2)ライフサイクルによるCO2排出量削減効果注6

 本商品は、装置の消費電力を抑えることや、原材料製造時の環境負荷を減らすことなどにより、製品ライフサイクルにおけるCO2削減効果として年間95グラム(g)のCO2を削減しています。

注6 2000年度モデル「MK6015MAP」との比較。当社のLCA(ライフサイクルアセスメント)評価法によります。

(3)RoHS指令に適合

 2006年7月施行のEU(欧州連合)RoHS指令に適合しています。

(4)東芝グループ「製品別環境自主基準(ECP基準)」に適合

 製品ごとに業界トップレベルを目指した東芝グループ「製品別環境自主基準(ECP基準)」に適合しています。基準の詳細については、以下を参照ください。
http://www3.toshiba.co.jp/storage/ecology/ecp_j.htm

 当社グループは「地球内企業」としてより良い地球環境の実現のため、「東芝グループ環境ビジョン2050」を策定し、総合環境効率を2000年度を基準として2050年度までに10倍(ファクター10)に高めることを目指します。効率の良いエネルギー供給機器の開発や、環境に配慮したオフィス・家電製品の製造、販売を通じて、2025年度に1億1,770万トンのCO2削減の寄与などの地球温暖化防止をはじめとした、資源有効活用、化学物質管理を通した地球との共生や豊かな価値の創造のための取り組みを行っていきます。

新商品の主な仕様

 

MK5055GSX

MK4055GSX

MK3255GSX

MK2555GSX

MK1655GSX

MK1255GSX

記憶容量

500GB

400GB

320GB

250GB

160GB

120GB

ディスク枚数

2

1

1

ヘッド数

4

2

1

平均シーク時間

12msec

インターフェース

Serial ATA 2.6/ATA8

インターフェース速度

3.0Gbit/s

回転数

5,400rpm

バッファ容量

8MB

外形寸法

(W)69.85mm×(D)100.0mm×(H)9.5mm

質量

102g(max.)

98g(max.)

エネルギー消費効率

0.0012W/GB

0.0015W/GB

0.0019W/GB

0.0024W/GB

0.0038W/GB

0.0050W/GB

消費電力

シーク時

1.7W

リード/ライト時

1.4W

騒音

アイドル時

25dB

19dB

シーク時

25dB

20dB




動作時

9.8m/s2、1G(5-500Hz)

非動作時

49m/s2、5G(15-500Hz)




動作時

3,920m/s2 (400G、2msec)

非動作時

8,820m/s2 (900G、1msec)

注 1メガバイト(MB)は1,000,000バイト、1ギガバイト(GB)は1,000,000,000バイトで計算しています。

 

お客様からの商品に関するお問い合わせ先:

ストレージデバイス事業部
TEL : 03(3457)2445