ニュースリリース

放送局向けフラッシュメモリサーバ「VIDEOS™ neo(ネオ)」について

MXF注1ファイルに対応し、高速性と拡張性を両立
2009年11月12日
VIDEOS neo画像

 当社は放送局向けフラッシュメモリサーバの新製品「VIDEOSTM neo(ネオ)」を商品化し、本日から日本国内で提案活動を開始します。

 新製品は、世界標準規格(SMTPE注2)のMXFファイルに対応し、当社独自開発の高速通信プラットフォーム「NPEngineTM」を採用することにより、業界最高クラスの転送速度700Mbps注3の「高速性」を実現しました。また、サーバ内に広帯域な伝送路を採用することにより、最大40ポートまでのHD映像の同時出力が可能となっています。さらに、当社製の大容量64ギガビットフラッシュメモリチップの搭載により、最大60テラバイトまで拡張することが可能です。なお、大容量フラッシュメモリチップや環境に配慮したグリーン設計(省電力設計)を採用することにより、従来の「VIDEOSTM」に比べ、消費電力を40%削減しています。
  新製品は、今後海外でも販売を予定しています。当社は新製品の投入により、放送局向けシステム市場において、市場のニーズに対応し、売り上げ規模拡大を図っていきます。

注1
「MXF」はMaterial eXchange Formatの略。放送局やプロダクションが参加する協会によってその原型が作られた。さまざまなハードウエアメーカー/ソフトウエアメーカーの垣根を越えて相互運用性を確立できる標準規格として普及してきた。
注2
SMPTE (Society of Motion Picture and Television Engineers)全米映画テレビジョン技術者協会のこと。
注3
1ポートあたりの転送速度です。実際の転送速度は相手機器の速度に依存します。

背景と狙い

  デジタル放送を行う国内の放送局では、HDのような大容量のコンテンツを取り扱う機会が増えており、制作・編集から送出までのワークフローの中で、コンテンツを短時間で効率的に運用したいというニーズが高まっています。当社では、このような放送局のニーズを捉え、取材・編集・送出までをテープではなく、ファイルベースで実現するトータルソリューション「Workflow Innovation TM」を提案してまいりました。
 「VIDEOSTM neo」は当社のメモリ技術、IT技術と放送技術を駆使した「Workflow Innovation TM」の中核を担うキーコンポーネンツで、顧客は新製品を導入することで、周辺機器間で素材の高速転送が可能となり、ワークフローの改善と業務の効率化を大幅に図ることができます。
  当社は新製品を投入することで、システムのファイルベース化が進む放送業界のニーズに応え、今後も事業拡大を図っていきます。

新製品の特長

1.MXFファイルに対応し、700Mbpsの高速ファイル転送を実現

 世界標準規格(SMTPE)のMXFファイルに対応し、異なるサーバ間でのファイル交換が可能となります。また、当社独自の高速通信プラットフォーム「NPEngineTM」を搭載することで、1ポートあたり700Mbpsという高速ファイル転送を実現し、HD画像のような大容量ファイルを高速転送することが可能となります。

2.最大出力数40ポート、最大容量60TBまで選択可能な「拡張性」を確保

 サーバ内に広帯域な伝送路を採用することで、複数のサーバとの高速ファイル交換や、最低2ポートから最大40ポートまでのHD映像の同時出力を実現しています。ストレージには当社製の64ギガビットフラッシュメモリを採用しており、最低1テラバイトから最大60テラバイトまで拡張することが可能です。これにより、顧客のニーズに合わせた小規模から大規模のサーバシステムを構築することが可能です。

3.当社製フラッシュメモリの搭載などにより、高い信頼性を実現

 従来から搭載しているフラッシュメモリへの分散書き込み技術や誤り訂正符号化技術を強化するとともに、今回新たに開発したメモリチップの障害を個々まで管理できる技術を採用することで、より高信頼なサーバを実現しています。またオプション対応にてRAID構成も可能です。

4.省電力・省スペースを実現

 最新の当社製64ギガビットのフラッシュメモリチップを採用することで、省スペースで大容量のストレージを実現します。また、大容量フラッシュメモリチップの採用および低消費電力設計を採用したことにより、従来の「VIDEOSTM」に比べ、消費電力を40%削減するなど、低ランニングコストのサーバ環境を実現しました。

5.高いフレキシビリティ

 従来、メモリボードは1種類でしたが、新製品では、0.25テラバイト、0.5テラバイト、1テラバイトの3種類のメモリボードからユーザーの用途、予算に合わせ選択することができます。また、各種ボードは、ホットスワッパブルの設計となっているため、システムの柔軟な変更・拡張や容易な保守が可能です。これらにより、顧客のニーズにあわせてシステム構築することが可能となります。また、将来の大容量チップとの共存も可能にするような設計をしており、長期間使用することが可能です。

6.オープンな制御インタフェース

 基本的な制御インタフェースとして、SEC–NET LAN(当社製制御LAN)に対応する他、Ethernet系のAPI注1により、オープンなインタフェースでシステム構築をすることが可能となります。またオプションでVDCP注2にも対応します。

注1 「API」はApplication Program Interfaceの略。ソフトウェアを開発する際に使用できる命令や関数のこと。
注2 「VDCP」はVideo Disk Control Protocolの略。ビデオサーバ用の標準制御プロトコル。

新製品の主な仕様

(1)外観

外形寸法(mm)

221(H)x436(W)x576(D)(5Uサイズ)

電源電圧

100V~240V

消費電力注1

最大360W程度

重量

約40kg

(2)基本仕様

入出力

映像SDI

セレクタブルHD/SD SDI最小2出力、最大40出力

HD-SDI : SMPTE 292M,1080i,720p

SD-SDI : SMPTE 259M,480i

音声

AES 8ch(16ch)

Dolby対応(pass through)

ネットワーク

GigabitEthernet:10ポート程度(MXFファイルやアンシェラリデータなどのファイル交換)

映像圧縮注2

MPEG2 Long GOP/ I-frame only(422@HL/MP@ML)

セレクタブルビットレート(HD:35-100Mbps/ SD:35-50Mbps)

保存媒体注3

オリジナルメモリボード

(64ギガビットフラッシュメモリ採用)

 0.25テラバイトモデル/0.5テラバイトモデル/1テラバイトモデル

注1
8テラバイト、CPU、インタフェース基板時の消費電力。
注2
CODECについては、H.264など順次対応予定。
注3
フラッシュメモリは、基本的に4枚構成となります。また、RAIDについては、顧客の要求により対応予定。

●上記の仕様は断りなく変更する可能性があります。
●「VIDEOSTM neo」および「VIDEOSTM」は株式会社東芝の登録商標です。