ニュースリリース
2D映像から自然で美しい3D映像を生成する「2D3D変換技術」の開発について
複数の奥行き推定要素から映像を生成 当社は、2D映像における複数の要素から高精度に奥行きを推定することで、より立体感を得やすい自然で美しい3D映像を生成する技術を開発しました。本技術は複数の奥行き生成処理を同時に実行できる高性能CPUの採用により実現したもので、10月上旬から順次発売する液晶テレビ「CELLレグザ55X2 / 55XE2 / 46XE2」に搭載されます。
今回開発した技術は、当社が長年培ってきた「動き検出技術」や「顔検出技術」などの独自技術を応用したものです。テレビ放送におけるシーン分析の結果、その大半が「動きを伴う部分」「人物が登場する部分」「典型的な構図の風景」の3つに分類されることに着目し、それぞれに最適な奥行き推定要素を適用して、これらを組み合わせることでより立体感のある3D映像を生成します。
現在、テレビやパソコンなど3D対応製品が展開されつつあり、その普及には視聴コンテンツの拡大が不可欠です。既存の2D映像を3D映像に変換することで3Dコンテンツ不足の解消につながりますが、これまでの変換技術では3D映像として制作されたコンテンツに対し立体感が見劣りする映像しか得られないという課題がありました。
当社は今回、より立体感の得られる3D映像を実現する「2D3D変換技術」を開発し、製品に搭載することで、より多くの3D映像を楽しめる環境を創出するとともに、さらなる3D映像の高品質化に向けて研究開発を進めていきます。
なお、本技術の詳細については、2010年8月31日から愛媛大学で開催される「映像メディア学会年次大会 シンポジウム企画3D最新動向」において発表予定です。
新技術の概要
1.動き検出に基づく奥行き生成
手前にある物体ほど見かけの動きが早く、2Dの画面上で物体が動いた距離が大きい物体ほど手前に存在するという基本原理をもとに、物体の前後関係を推定します。この方式を用いることで、複雑な動きでも奥行きの生成が可能になります
2.顔検出に基づく人物の奥行き生成
2D映像における人物から顔の位置を検出し、顔と肩など体の相対的な位置を統計的にデータ化したテンプレートに割り当てることで、人物の奥行きを生成します。この方式は静止画にも適用できます。
3.構図推定に基づく奥行き生成
自然の風景における空、海、陸地など表示映像の色分布の対比を利用することにより、構図を推定して割り当てることで奥行きを生成します。
≪本技術を用いて2D映像から3D映像を生成する流れ≫