ニュースリリース

「ブルガリアにおける超臨界石炭火力発電及びCCSプロジェクトの案件形成調査」について

-NEDOの「石炭高効率利用システム案件等形成調査事業」の委託先に選定-
2011年07月05日

 

ブルガリア マリッツァ・イースト2石炭火力発電所の写真



  当社は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が行う「石炭高効率利用システム案件等形成調査事業」について、ブルガリアにおける案件形成調査(以下、FS)の委託先に選定されました。FSの期間は今月から2012年3月末までとなります。

  本FSはブルガリアのマリッツァ・イースト火力発電所地区において、超臨界石炭火力発電設備およびCO2を分離回収(Carbon dioxide Capture and Storage、以下CCS)する設備の導入、さらに分離回収したCO2の貯留に関する調査を行うものです。なお、当社は本FSを、大成建設株式会社、シュルンベルジェ・カーボン・サービス社、ソフィア大学等の協力を得て実施します。

  火力発電は世界の全発電設備容量のおよそ3分の2を占め、将来にわたって電力の安定供給に重要な役割を果たしていくものと見込まれます。ブルガリアにおいても、全発電設備容量のうち50%以上を占めていますが、2007年1月のEU加盟後は、温室効果ガスの削減に向けて既存発電所の高効率化と、新設火力発電所にCCS設備を併設する動きが今後加速していくことが予想されます。

 当社は、2006年からCCS技術を火力発電プラントに適用するための基礎研究に本格的に取り組み始め、2009年9月から株式会社シグマパワー有明 三川発電所(福岡県大牟田市)に建設したCO2分離・回収パイロットプラントにおいて実証試験を行っています。
  また、ブルガリアにおいては、当社グループはチャイラ水力発電所の建設、マリッツァ・イースト2火力発電所、コズロドュイ原子力発電所の改良工事等の実績があり、今年1月には同国国営企業であるブルガリア・エナジー・ホールディング社と、「エネルギーおよびエネルギー効率化に関する協力のための覚書」を締結し、火力・水力・原子力・太陽光等の発電分野およびスマートグリッド等のエネルギー効率化に関する協力について検討を行っています。

  当社は、今回のFSを通して、CCS付き火力発電プラントの全体最適化に取り組むとともに、ブルガリアの環境に調和したエネルギーの安定供給に貢献していきます。