ニュースリリース

神奈川県立がんセンター向け重粒子線治療装置の受注について

2012年02月08日

i-ROCKの画像 

  当社は、地方独立行政法人神奈川県立病院機構 神奈川県立がんセンター(以下、神奈川県立がんセンター)と重粒子線治療装置の製造請負契約を締結しました。当社が製造する装置一式は、神奈川県立がんセンター内に設置予定の重粒子線治療施設「i-ROCK」注に納品予定で、契約金額は約74億5千万円です。

  重粒子線治療は、炭素イオンを光の速さの70%まで加速してがん細胞に照射する放射線治療です。体の深いところにあるがんにピンポイントで照射できるため、周りの正常な細胞を傷つけにくく、他の放射線治療と比べてがんを殺傷する能力が強いという特長があります。

  重粒子線治療装置は、イオンを加速するシンクロトロン、患部に照射する照射機器等、複数の装置からシステム構成されます。当社は大型放射光施設SPring-8に納品するなど、長期にわたって培ってきた加速器技術、ビーム輸送技術を有しております。

  また、当社は、重粒子線治療方式の開発を主導的に推進している独立行政法人放射線医学総合研究所へ重粒子線照射システムを納品しており、同システムは患者の心身負担の軽減と医療スタッフへの業務支援を追求したデザインが評価され2011年11月にグッドデザイン金賞を受賞しております。これらの成果は神奈川県立がんセンターに納品予定のシステムにも採用予定です。

  当社は、エネルギーや半導体に続く新たな事業領域の一つとして、ヘルスケア関連分野に注力しており、重粒子線治療装置は期待される技術の一つです。今後も、当社はヘルスケア事業への取り組みを進め、2015年度の売上高1兆円を目指します。

注:「i-ROCK」(アイロック):神奈川県の放射線腫瘍センターの重粒子線治療(Ion-beam Radiation Oncology Center in Kanagawa)