ニュースリリース

風力発電により製造したCO2フリー水素を燃料電池フォークリフトへ供給する実証を開始

~新たな水素サプライチェーン構築により80%以上のCO2削減が可能~
2016年03月14日

神奈川県
横浜市
川崎市
岩谷産業株式会社
株式会社東芝
トヨタ自動車株式会社

  神奈川県、横浜市、川崎市、岩谷産業株式会社、株式会社東芝、トヨタ自動車株式会社は、京浜臨海部における再生可能エネルギーを活用した、低炭素な水素サプライチェーンモデルの構築を図る実証プロジェクトの具体的な内容について、2015年9月から検討を進めてまいりましたが、この度、詳細が固まり、実証を開始することになりました。

 本実証プロジェクトでは、横浜市風力発電所(ハマウィング)敷地内に、風力発電を利用し水を電気分解してCO2フリーの水素を製造し、貯蔵・圧縮するシステムを整備します。さらに、ここで製造した水素を、簡易水素充填車により輸送し、横浜市内や川崎市内の青果市場や工場·倉庫等に導入する燃料電池フォークリフトで使用するといったサプライチェーンの構築を目指します。

 こうした地域と一体となった水素サプライチェーンの構築により、電動フォークリフトや ガソリンフォークリフト利用時のサプライチェーンと比べて、80%以上のCO2削減が可能になると試算しています。この実証を通じて、将来の普及展開モデルを見据えた、コスト試算やCO2削減効果等を検証していきます。

※本事業は、環境省委託事業「平成27年度 地域連携·低炭素水素技術実証事業」に採択され、実施する事業です。

○実証プロジェクトの概要

 【実証テーマ】
1) 風力発電(ハマウィング)により水を電気分解して水素を製造するシステム
2) 最適な水素供給を行うための貯蔵と輸送の仕組み
3) 燃料電池フォークリフトの導入利用
4) 水素サプライチェーンの事業可能性調査

【本プロジェクトによるサプライチェーン】

 

 ○各実証テーマにおけるシステム及びポイント

1)風力発電により水を電気分解して水素を製造するシステム

   【水素製造】
   ▼  ハマウィングの電力を、水の電気分解による水素製造及び装置の動力としても活用
   ▼  変動する風力発電量と水素需要の時間差を考慮し、設備を最適運転できるマネジメント システム
        によりフレキシブルにCO2フリー水素を製造

水電解装置((株)東芝) ハマウィング敷地内計画イメージ(パース)

2)最適な水素供給を行うための貯蔵·圧縮と輸送の仕組み

   【水素貯蔵・圧縮】
   ▼ 水素を安定供給するために、2日分の水素を貯蔵
   ▼ ハイブリッド自動車の使用済バッテリーを再利用し、環境性に配慮した蓄電池システムを活用。ハ
        マウィングが止まっていても安定的な水素供給が可能

                                                 蓄電池システム((株)トヨタタービンアンドシステム)

   【水素輸送】
   ▼ 燃料電池フォークリフト用の簡易水素充填車を、日本初導入
   ▼ フォークリフトの水素使用量を常時把握し、最適輸送でユーザー要望にきめ細かく対応

 

 

簡易水素充填車(岩谷産業(株))

  3)燃料電池フォークリフトの導入利用

   【水素利用】
   ▼ 導入先は、異なる使用条件で多様な実証が出来る4か所(12台)を選定
   ▼ 2016年2月に実用化モデルとして発表された燃料電池フォークリフトを使用しユーザー利用時の
        CO2排出量ゼロ
を実現

 

   【燃料電池フォークリフトの導入先等】

   【燃料電池フォークリフトの導入先·水素運搬ルート】

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
             

 

    【水素価格】
   ▼ 現状(本実証におけるコスト)の評価から、量産体制の整備、必要な規制緩和項目等の洗い出し
        など、今後の水素価格低下に向けた対応の方向性について検討
   ▼  将来(2030年頃)を見据え、技術革新や、サプライチェーンの大規模化による及/横展開モデ
        ル
について検討

    【CO削減効果】
   ▼  COフリー水素のサプライチェーン構築により、従来比80%以上のCO削減効果との試算
   ▼  更なるCO削減に向けた取組の方向性の検討

 ○今後の実証スケジュール

 ▼  2016年秋頃から試験的運用開始
   ・燃料電池フォークリフト導入(2施設各1台 計2台
   ・簡易水素充填車による水素デリバリーシステムの稼働  
   ▼ 2017年度から本格運用開始
   ・燃料電池フォークリフトの導入拡大(4施設各3台 計12台
   ・水素製造、貯蔵·圧縮等の全てのシステムが稼働

 

添付資料