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事例紹介

災害時診療概況報告
電子化システム
J-SPEED+

どんなサービス?

J-SPEED+は、大規模災害の発生時に災害対策本部と被災地の医療従事者が診察概況の情報をリアルタイムに共有できるシステムです。被災地へ派遣された医療班がスマートフォン用アプリ内で活動日報を作成すると、webアプリケーション上で災害対策本部が診療内容などの集計結果を確認できます。

どんな製品? 災害時診療概況報告 電子化システム J-SPEED+

開発のきっかけは?

災害医療の現場では、被災地の災害対策本部(保健医療調整本部)が全国から駆けつけた医療班と連携し、迅速かつ的確に被害状況を把握する必要があります。例えば、現場で診断された症例を分析することで、ノロウイルスやインフルエンザの流行などをいち早く察知して対応することができます。しかし、今までは収集する医療情報の項目が統一されていなかったため、集約が困難でした。

開発のきっかけは?

この課題に対処するため、東日本大震災を契機に設置された「災害時の診療録のあり方に関する合同委員会」がJ-SPEEDと呼ばれる標準診療日報様式を提唱。この様式は医療班の診療活動日報として2016年の熊本地震で大規模運用され、“どこにどのような患者が何人いたか”を迅速に集計することが可能であることが実証されました。その一方で、システムは紙ベースで運用されていたため、自らも被災した災害対策本部や、診療活動を終えた医療班が深夜に及ぶ集計作業を行う必要があり、その負担軽減が課題であることから、アプリでの解決を目指しました。

Designer:本間多恵 石原愛子

本間:デザインするに当たり、災害時の診療情報管理の専門家で、WHOの関係ワーキンググループの議長も務める専門医師の参画を得ることができました。災害医療の現場の実情を、プロジェクトに対する熱い思いとともに傾聴しながら、自己紹介を兼ねてグラフィックファシリテーションの手法で状況と課題を可視化することからスタートしました。

本間多恵


石原:実際にユーザーに届くデザインのアウトプットとしてはインターフェイスの画面になりますが、それを導くために、そもそもどのような関係者がいて、何をしたいと思っているのかを整理する必要があったんです。

石原愛子


本間:当初、複雑な仕様をどう折り合いをつけてシステムに落とし込むのかという段階で、災害医療の専門家と開発チームのシステム設計者の間には、文化や思考回路の違いからか大きな溝がありました。そこで我々デザイナーが両者の間に立ち、専門家の想いや知見をシーンごとにイラストで描きつつ、その場で操作画面のイメージに落し込むことでシステム設計者が受け取れるような形にしながら、目指すべきゴールを全員で共有して行きました。

“人の命を救う
コミュニケーションを
デザインする”

本間:忘れちゃいけないのは、これは人の命を救うことを手助けするツールなんです。災害対策本部と医療チームのコミュニケーションをいかにスピーディーにして、モチベーションを保ってもらえるかという点を大事にして、その中でユーザーを取り巻く環境や感情みたいなところになるべく寄り添うように心がけていました。


“心の動きをデザインする”

石原:仕事を通じて想いがどんどん強くなっていって、実際に災害の現場で利用されたと聞いたとき、自分の心が動くのを感じました。
あぁ、繋がったな。という感じで。このシステムが使われる中で、実際に救援物資が届けることができたときに、多くの人の心が動いたと思います。この仕事を通じて、医療関係者ではなくてもデザイナーという立場だからできることが沢山あることを実感しました。その可能性をデザイナーの皆さんや、一緒に仕事をする方とも共有したいですね。

災害時診療概況報告 電子化システム J-SPEED+

デザインの特徴

医療班の活動軌跡を地図上で確認できる画面や、医療班のモチベーションを向上させる実績データの可視化画面などを専門家の知見を活かしながら具体的なデザインに反映している。情報共有のしやすさ、重要情報の可視化はもとより、実際の大規模災害において「使える」
デザインであることを訓練でも確認している。
J-SPEED+ は2018年4月、DPAT(災害派遣精神医療チーム)に採用され公式稼働している。稼働してすぐ平成30年7月豪雨で初運用され、DPATが整備したシステムに全団体のJ-SPEEDデータが集約され、派遣元や専門領域をも超えた支援者連携が生まれた。2018年9月に起きた北海道胆振東部地震での運用では、これまでの運用を経て対応の即時性が向上している。
2018年度グッドデザイン賞の「グッドデザインベスト100」別ウィンドウが開きます。外部サイトが表示される場合があります。 に選ばれています。

デザインの特徴 災害時診療概況報告 電子化システム J-SPEED+


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