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環境活動

人と、地球の、明日のために。

生物多様性の保全

生物多様性保全に向けた取り組みの重要性

2010年の「愛知目標」の採択や、2015年の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」におけるSDGs(持続可能な開発目標)の提示などを契機に、近年、生物多様性の保全活動と持続可能な利用の重要性に対する認識が世界中で高まっています。2019年にはIPBES(生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム※1)が地球規模アセスメントの結果を発表し、「100万種の生物が絶滅の危機にある」「生態系は人類史上のどの時期よりも急速に低下している」と、人間活動による生態系への影響について言及しました。そして、いよいよ2021年度下半期から来年度初頭にかけて「愛知目標」に代わる新たな国際目標「ポスト2020生物多様性枠組」が生物多様性条約第15回締約国会議で策定される予定です。生物多様性は現在世界が直面しているコロナ危機、気候変動とも密接に関係し、経済社会で包括的に対応していくことが求められています。持続可能な社会の実現をめざす企業にとって、生物多様性保全に向けた取り組みは、もはや切り離して考えることができない課題となりつつあります。

東芝グループでは、気候変動や循環経済への対応、化学物質や水の管理などの、事業活動や製品・サービスを通じた環境負荷の低減、自然と直接かかわる保全活動の推進により、自然と共生する持続可能な社会の実現をめざしています。生物多様性や生態系の回復・向上には長い年月がかかります。当社グループが生物多様性に及ぼす影響と、生物多様性に関するリスクと機会を把握したうえで、長期的・継続的に生物多様性保全活動を推進していきたいと考えています。

「東芝グループにとっての生物多様性保全に取り組まない場合のリスクと取り組みによって得られる機会」のイメージ

※1
生物多様性と生態系サービスの分野を対象とする政府間プラットフォーム。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の“生物多様性版”と称される。「科学的評価」「能力養成」「知見生成」「政策立案支援」の4つの機能を活動の柱としており、多様な学問領域の専門家とともに、人と自然のかかわりを評価し、新たな知見をつくり、能力を養成し、政策に展開する。2019年5月に「生物多様性及び生態系サービスに関する地球規模アセスメント報告書」の政府決定者向け要約を公表。

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東芝グループ第6次環境アクションプラン(2017〜2020年度)での取り組み

2010年に名古屋市で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)において「生物多様性戦略計画2011-2020」が採択されました。同計画は、2050年までに「自然と共生する」世界を実現する中長期「ビジョン」をもって、2020年までに「ミッション」および具体的な行動目標である「愛知目標」の達成をめざすものです。愛知目標は5つの戦略目標と、20の個別目標で構成されています。

東芝グループでは生物多様性保全活動を環境経営の重要な要素と考え、「第6次環境アクションプラン」の中で推進しました。愛知目標の20の個別目標のうち、東芝グループの事業活動との関連が強い10目標(目標1, 2, 4, 5, 8, 9, 11, 12, 14, 19)への貢献を2020年度までの活動目標として設定し、グローバル61拠点(国内39、海外22)で、それぞれの地域特性に応じた活動を展開しました。

2020年度における、愛知目標10目標に対応した活動の全拠点実施率(全体平均)は71%でした。目標1,2,4,5,8,11,12は取り組み度合いが比較的高く、目標9,14,19は比較的低い結果となりました。実施率の低かった目標については要因分析を進めています。

■ 東芝グループ第6次環境アクションプラン(2017〜2020年度)−10個の活動目標−

愛知目標 東芝グループの活動目標
テーマ 活動例
目標1 普及啓発 従業員教育、情報発信、外部との連携
目標2 戦略・計画への組み込み 環境方針、環境アクションプラン、ISO14001目標への取り込み
目標4 持続可能な生産 地球温暖化防止、資源有効活用
目標5 生息地破壊の抑止 自然生息地と事業所を結ぶ生態系ネットワークの構築、植林活動
目標8 化学汚染の抑制 化学物質管理
目標9 外来種の防除 事業所における外来種の防除
目標11 保護地域の保全 事業所内外保護地域の保全に資する活動
目標12 種の保全 希少な動植物の保護、生息域外保全
目標14 生態系サービス維持・管理 文化的サービスの維持・向上
目標19 知識・技術の向上と普及 生態系調査データの蓄積・開示(生き物マップ含む)、保全技術の創出

■ 2020年度目標別実施率※2および結果分析(グローバル61拠点)

「目標別実施率」のイメージ

※2 全拠点(61拠点)の内、各目標に対応した拠点の割合

  目標別結果分析
目標1 ステークホルダー向けの教育、自然観察会・ワークショップ、情報発信などを推進
目標2 「ISO14001:2015版※3」に沿って生物多様性保全活動を計画・実施
目標4 温室効果ガスの排出削減や資源の有効活用など、従来からの事業活動を通して推進
目標5 2012〜2016年にかけて展開した第5次環境アクションプランの「生態系ネットワークの構築」の継続実施や、植林活動などを推進
目標8 事業活動や環境調和型製品・サービスにおける化学物質の管理を中心に推進
目標9 事業所内の外来種駆除を進めたが、法律の縛りや専門的な知識を要する活動のため、東芝グループ全体として実施が進まず
目標11 事業所外の保護地域のみならず、事業所内における生物多様性保全活動を推進
目標12 2012〜2016年にかけて展開した第5次環境アクションプランの「希少種の保護」を継続的に推進
目標14 地下水の保全を目的とした植樹活動などへの参加を行ったが、本目標に対応する活動は行政や地域を巻き込んだ大がかりな施策になることが多く、東芝グループ全体として対応が進まず
目標19 緻密な生態系調査・開示、生物多様性保全技術の創出活動を東芝グループの活動目標として落とし込みきれず、東芝グループ全体として展開が進まず
※3
環境保全活動の対象範囲として「持続可能な資源の利用」「気候変動の緩和及び気候変動への適応」とともに「生物多様性及び生態系の保護」が追記された。

■ 東芝グループ生物多様性保全活動データベース

グローバル61拠点による2020年度活動をデータベース化し、ウェブサイトで公開しています。各活動が対応する愛知目標も示しています。

「東芝グループ生物多様性保全活動データベース」のイメージ

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【事例1】「トンボはドコまで飛ぶか」フォーラムに参画
(対象となる主な愛知目標:目標1,19※4

東芝エネルギーシステムズ(株) 京浜事業所

「翅に数字をマーキングしたトンボ」のイメージ
翅に数字をマーキングしたトンボ

京浜臨海部の企業・行政・市民・専門家・教育機関などが協働して開催する『トンボはドコまで飛ぶかフォーラム』に参画しています。トンボの翅に数字でマークをつけて追跡し、地域内に生息しているトンボの種類や変化、トンボの移動範囲や臨海部と内陸部の自然環境のつながりなどを調べる活動で、京浜地区における産官学の連携による生態調査の取り組みモデルのひとつとなっています。京浜事業所では、毎年たくさん飛来してくるトンボの調査を通じて、この活動に貢献しています。

【事例2】地域と連携したダム周辺の植樹活動
(対象となる主な愛知目標:目標1,14

東芝情報機器フィリピン社

アンガット流域には、マニラ首都圏に水を供給するアンガットダムがあります。当社は同ダム周辺の1ヘクタールの土地を担当し、1,000本の土地固有の木(ナラ、パロサピス、グイジョ)を植えました。当社従業員、大学関係者、政府関係者、フィリピン軍の皆様など83名が参加しました。

「おそろいのTシャツを着て記念撮影」のイメージ

おそろいのTシャツを着て記念撮影

【事例3】事業所内での使い捨てプラスチックの使用削減
(対象となる主な愛知目標:目標8,14

東芝テックグループ(グローバル)

海洋汚染問題への対応として、東芝テックグループでは事業所内における使い捨てプラスチックの利用削減を進めています。本社(日本)をはじめ、中国、アジアの拠点ではレジ袋の使用中止、有料化、社員食堂のプラスチック製ナイフ、フォーク、スプーン、ストロー、マドラーなどの使用中止を進めています※5。フランスの拠点ではコーヒーの自動販売機の一部メニューをマグカップ対応のものに変更しました。また、米国の拠点では社員およびその家族を対象に海洋汚染問題に関する教育を行っています。今後、各拠点で使い捨てプラスチックの削減活動をさらに拡大していきます。

「使い捨てプラスチック問題啓蒙ポスター」のイメージ
使い捨てプラスチック問題啓蒙ポスター

「マグカップ対応コーヒーマシン」のイメージ
マグカップ対応コーヒーマシン

【事例4】ウンランなどの希少植物の保護
(対象となる主な愛知目標:目標11,12

東芝ライテック(株)今治事業所

「織田ヶ浜での希少動植物のマップづくり」のイメージ
織田ヶ浜での希少動植物のマップづくり

絶滅危惧IA類(CR)※6に指定されているデンジソウ、トチカガミ、ウンランのビオトープを事業所内に作り、保護育成活動を推進しています。ウンランは四国では今治市織田ヶ浜にしか自生していない希少な植物で、2015年に育成実証を行っている愛媛県生物多様性センターより2株を株分けされ、保護活動を開始しました。2016年からは織田ヶ浜にて、希少動植物のマップ作りを地元の小学校4年生、愛媛県、NPO、自治会の皆様とともに行っています。また、2020年度には小学校2校と国定公園唐子浜に生息する絶滅危惧I類(CR+EN)ナミキソウのマップ作り、品部川河口の絶滅危惧U類(VU)のヒロハマツナ、シバナなどの観察会を開始しました。

※4
活動が貢献する代表的な愛知目標。表記以外の目標にも対応している場合があります。以下同様
※5
拠点によって削減品目は異なります。
※6
愛媛県レッドリスト。以下同様

■ 生物多様性関連媒体での活動紹介

東芝グループの生物多様性保全活動が環境省発行による「生物多様性民間参画事例集」(2020年5月)および経団連自然保護協議会発行による「KNCF NEWS 85号」(2020年8月)にて紹介いただきました。

「環境省発行「生物多様性民間参画事例集」(東芝紹介ページ)」のイメージ
環境省発行「生物多様性民間参画事例集」
(東芝紹介ページ)

「経団連自然保護協議会発行「KNCF NEWS 85号」(東芝紹介ページ)」のイメージ
経団連自然保護協議会発行「KNCF NEWS 85号」
(東芝紹介ページ)

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東芝グループ第7次環境アクションプランの推進開始

2021年度から活動を開始する「東芝グループ第7次環境アクションプラン」(終年2023年度)においては、「愛知目標」に代わる新たな国際目標「ポスト2020生物多様性枠組」(ファーストドラフト)を参照のうえで※7、「生態系ネットワークの構築」、「希少種の保護、生息域外保全」、「海洋プラスチック問題への対応」、「気候変動への対応(緩和・適応)」、「水の保全」の5つのテーマを設定し、従業員参加型の活動を推進します。活動を行う上では「教育」、「広報」、「連携」に留意し、活動の深化・拡大をめざします。

※7
「ポスト2020生物多様性枠組」のファーストドラフトを参照し、東芝グループとしての活動テーマを設定。ファーストドラフト:
https://www.cbd.int/doc/c/abb5/591f/2e46096d3f0330b08ce87a45/wg2020-03-03-en.pdf

電機・電子4団体※8生物多様性ワーキンググループに参加

業界の生物多様性保全活動の啓発と推進を目的に、メンバー各社とともに生物多様性保全の「主流化」に向けた各種施策の展開を行っています。2020年度は、各社活動事例のウェブでの公開※9、生物多様性保全活動の具体的な取り組み方法・事例を解説した冊子「Let's Try Biodiversity」の英語版の発行(日本語は発行済み)※10、外部講師を招いての会員企業向けウェビナー開催など行いました。また、「ポスト2020生物多様性枠組」をはじめとした、生物多様性を取り巻く新たな、かつ重要な動きに関する情報収集と議論を行いました。東芝グループは2021年度以降も引き続き当ワーキンググループのいちメンバーとして活動を続け、業界の生物多様性保全活動の活性化に向けて貢献していくことをめざします。

※8
JEMA:一般社団法人日本電機工業会、JEITA:一般社団法人電子情報技術産業協会、CIAJ:一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会、JBMIA:一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会
※9
生物多様性活動データベース https://bio.jema-net.or.jp/Japanese/env/biodiversity_db/
※10
https://www.jema-net.or.jp/Japanese/env/ltb.html

「企業が取り組むはじめての生物多様性 Let's Try Biodiversity(英語版)」のイメージ
『企業が取り組むはじめての生物多様性 Let's Try Biodiversity』(英語版)

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東芝グループの生物多様性ガイドライン

東芝グループでは、2009年9月に生物多様性ガイドラインを制定しました。東芝グループの事業活動および製品・サービスと生物多様性の関係を把握したうえで、影響の低減、および生物多様性の持続可能な利用につなげていきます。

東芝グループ生物多様性ガイドライン

基本方針

東芝グループは、生物多様性の保全および生物多様性の構成要素の持続可能な利用のため、次の取り組みを行う。

  • 事業活動が生物多様性に及ぼすかかわりを把握する。
  • 生物多様性に配慮した事業活動などにより、生物多様性に及ぼす影響の低減を図り、持続可能な利用を行う。
  • 取り組みの推進体制を整備する。

具体的な取り組み

  1. 工場の立地や再配置において、生態系の保護などに配慮する。
  2. 地方公共団体や民間団体などとのコミュニケーションを図り、連携した活動を行う。
  3. 持続可能な社会の一員として、継続的な社会貢献活動を行う。
  4. 環境対策による生物多様性を含む種々の環境側面への影響・効果を評価する。
  5. 資源採掘までを視野においたサプライチェーンにおける生物多様性保全への取り組みを推進する。
  6. 事業活動に由来する資源の消費や環境負荷物質の排出による影響を評価する。
  7. 自然の成り立ちや仕組みに学び、事業の特性に応じて、技術による貢献をめざす。

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