ZEBの実績

延床面積10万m2を超える大規模ビルでZEB Readyを達成

ZEBの実績

東芝のZEB事例:ラゾーナ川崎東芝ビル

ラゾーナ川崎東芝ビルは、ビル自体を実証の場として、ZEBを実現するための先進的な省エネ技術など各種ビルソリューション技術を開発しています。延床面積10万m2を超える大規模ビルながら、ビルの一次エネルギー消費量を58%削減(2015年度実績)し、ZEB Readyを達成しました。
本取り組みにより、「次世代省エネ型オフィスモデルの構築と運用」のテーマで、平成28年度省エネ大賞「省エネルギーセンター会長賞」を受賞※1しました。

ラゾーナ川崎東芝ビルの概要

ラゾーナ川崎東芝ビル
所在地 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地34
所有者 野村不動産ビルディング株式会社
建物構造 地上15階
延床面積 104,594m2
着工 2011年7月
竣工 2013年3月31日
ビルの一次エネルギー消費量の実績 ※2
  • ※1 野村不動産株式会社様、株式会社日建設計様、株式会社大林組様および弊社グループのNREG東芝不動産株式会社(平成28年度当時)と共同で受賞。
  • ※2 当ビルにおける年間一次エネルギー消費量の実績値(OA機器などの消費量を除いた値)を2014年度ZEB基準値と比較した値。

■ZEBを始めとするビルソリューション技術の実証

  1. 建築上の工夫:断熱性を向上させるビル形状「エコキューブ」、日射熱を遮断する庇「エコシェルフ」など
  2. 設備機器の高効率化:高効率な汎用製品の採用
  3. エネルギーマネジメント:スマートBEMS、画像センサソリューション
  4. 再生可能エネルギー:太陽光発電システム
  5. 継続的な省エネ推進:実運用における制御手法の改善
  6. BCP機能の強化:広域災害停電時でも最低72時間電力供給し事業継続
  7. ビルのビッグデータ活用:35,000点のセンサで収集した500億レコード超のデータを分析
建物構成と省エネ要素

ファシリティのスマート制御

1. 画像センサ応用制御

画像センサは、従来センサでは検知が困難だったオフィスワーク中の人物の微細な動きを検知できます。
人の在/不在だけでなく、おおよその人数や活動量まで検知可能です。

照明制御

人の在/不在を検知し、5分間不在のエリアは徐々に減光し、10分後に完全に消灯して、省エネを図ります。

電灯電力12.8%削減
照明制御

空調制御

エリアのおおよその人数を検知し、空調制御に反映することで、快適性を損なうことなく省エネを図ります。

空調制御

エレベーター制御

乗り換え階における利用者の混雑度に応じてかごを優先的に割付け、最大待ち時間の短縮を図ります。

エレベーター制御

オフィスの利用状況見える化

打ち合わせスペースの空席状況をデジタルサイネージなどを介して従業員に提供することで、働き方改革への活用を検討しています。

オフィスの利用状況見える化
  • ※3 当ビル5~15階において、(ⅰ) 2014年2月17日~20日の8時~24時に照明器具を常時点灯させた場合と、
    (ⅱ) 2014年3月16日~19日の同時間帯に画像センサを用いて個別制御した場合とを比較した実証値。

2. モデルベース空調省エネ制御

空調設備全体を1つのシステムとしてモデル化し、快適性を維持しながら適正制御。
システム全体の消費エネルギーが最小となるように、セントラル空調と個別分散空調を適正配分します。

モデルベース空調省エネ制御 ※4

快適性と省エネの両立

快適性の評価にはPMV※5を採用。このPMVを一定に保つような設定温度を随時算出・更新しますので、居室の快適性を損なうことなくエネルギーの無駄を省くことができます。

快適性と省エネの両立

輻射温度の仮想演算

PMVの1要素である輻射温度は、熱伝達率や窓開口、近隣建物の影の影響など仮想データよりプログラム上で演算するため、高価なセンサの設置は不要です。

輻射温度の仮想演算
  • ※4 2013年12月14日~2014年12月13日の当ビル稼働日に当ビル9階において、当該制御を利用した場合と利用せずに空調を動かした場合との差異を以下数値を基に試算した値。
    (ⅰ) 夏期の省エネ率15.9%(2015年8月3日~9月11日における実証値)
    (ⅱ) 冬期の省エネ率13.1%(2013年12月9日~2014年1月12日における実証値)
    (ⅲ) 中間期の省エネ率4.6%(熱源の冷水・温水温度設定値変更による試算値)
  • ※5 PMV(Predicted Mean Vote):人の温熱感覚を、温度、湿度、輻射温度、気流速度、活動量、着衣量の6要素を用いて定量化する快適性指数。