気候変動への対応

当社グループでは、2050年に向けて、バリューチェーン全体でカーボンニュートラルを実現していくことをめざしています。
また、防災・減災ビジネスの推進を通じて、気候変動と折り合える適応社会の実現に貢献します。

SBT(※1)認定取得について

SBT認定

東芝グループは、2030年度に向けて設定した温室効果ガス削減目標(※2)が、パリ協定(※3)における「世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃未満に抑える」ための科学的な根拠に基づいた目標であると承認され、2020年12月にSBTイニシアチブからSBT認定を取得しました。
当社グループは、この目標達成に貢献するべく、以下の活動を推進していきます。

  1. 事業活動における温室効果ガス排出削減(Scope1(※4)& Scope2(※5)):
    省エネ投資の促進や生産性の改善、環境価値証書の戦略的活用
  2. 販売する製品・サービスの使用による温室効果ガス排出削減(Scope3(※6)):
    当社グループが提供する社会・産業インフラ事業関連の製品・システムの更なる省エネ・高効率化
※1
世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求するために、企業が中長期的に設定する科学的根拠に基づいた温室効果ガス削減目標。SBTイニシアチブによって認定される。
※2
2020年12月のSBT認定取得時の設定目標
※3
国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で採択された、温室効果ガス排出削減に向けた国際枠組み。
※4
当社グループでの燃料使用による直接排出量
※5
当社グループが購入した電力や熱の使用による間接排出量
※6
Scope1・2以外に当社のバリューチェーン(原材料調達・物流・販売・廃棄など)で発生する間接排出量

都市ガスのカーボンニュートラル化への取り組み

マルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダ(MP-PAWR) イメージ

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マルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダ(MP-PAWR) イメージ

出典:東京ガス株式会社

環境訴求ポイント

  • 2021年4月から、府中事業所と小向事業所にて使用する都市ガスを「カーボンニュートラルLNG(液化天然ガス)」 に切り替え。LNGの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生する温室効果ガスをオフセットすることで、実質的に温室効果ガスを出さない新たな取り組み
  • カーボンニュートラルなエネルギーの選択は、気候変動対策やSDGs実現への貢献、ESG企業経営に直結する重要なソリューションの一つ。今後のカーボンゼロの有望な手段として、導入拡大をめざす

東芝グループ ニュースリリース
「カーボンニュートラルLNGバイヤーズアライアンス設立について」
https://www.global.toshiba/jp/news/corporate/2021/03/pr0901.html

府中事業所の取り組み

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府中事業所の取り組み

環境訴求ポイント

  • 照明設備のLED化や高効率な空調設備への更新をはじめ、太陽光発電や水素エネルギーなどの再生可能エネルギーも積極的に利用
  • 電力デマンド管理システムを導入し、事業所内にWeb上で電力使用量を公開。従業員参加型での節電対策を実施
  • 東京ドーム約14個分の敷地内の緑地除草にかかるエネルギーを環境負荷の少ない除草方法として、ヤギ・羊や太陽光で充電・稼働する除草ロボットによるエコ除草を実施

快適で環境に配慮したまちづくり

ラゾーナ川崎東芝ビル(外観)

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ラゾーナ川崎東芝ビル(外観) イメージ

環境訴求ポイント

  • ラゾーナ川崎東芝ビル※1を実証の場として、先進的な省エネ技術を開発
    ビルの一次エネルギー消費量を58%削減※2(2015年度実績)し 、「ZEB Ready※3」を達成
  • ZEBを始めとする各種ビルソリューション技術の実証
    1. 建築上の工夫(断熱性を向上させるビル形状「エコキューブ」、日射熱を遮断する庇「エコシェルフ」)
    2. 設備機器の高効率化(高効率な汎用製品の採用)
    3. エネルギーマネジメント(画像センサソリューション)
    4. 再生可能エネルギー(太陽光発電システム)
    5. 継続的な省エネ推進(実運用における制御手法の改善)
    6. BCP機能の強化(広域災害停電時でも最低72時間電力供給し事業継続)
    7. ビルのビッグデータ活用(35,000点のセンサで収集した500億レコード超のデータを分析)
※1
「次世代省エネ型オフィスビルの構築と運用」をテーマに、野村不動産株式会社様、株式会社日建設計様、株式会社大林組様および弊社グループのNREG東芝不動産株式会社と平成28年度省エネ大賞を共同受賞。
※2
当ビルにおける年間一次エネルギー消費量の実績値(OA機器等の消費量を除いた値)を2014年度ZEB基準値と比較した値。
※3
ZEB(Net Zero Energy Building)とは、省エネ技術や再生可能エネルギーの利用などエネルギー削減の対策を組み合わせることにより、運用段階での一次エネルギー消費量がゼロ、あるいは、おおむねゼロとなる建築物。ZEB Readyはエネルギー削減率50%以上を達成した建築物を意味する。

エネルギーの有効利用

回生電力貯蔵装置(TESS)TESS:Traction Energy Storage System

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回生電力貯蔵装置(TESS) イメージ

環境訴求ポイント

  • 列車のブレーキ時に発生する回生電力の余剰分を効率的に東芝二次電池SCiB™に貯蔵し、加速中の別の列車に放電することで、電力の有効活用を実現
  • 蓄電池の充電状態(State-of-Charge, SOC)に応じた充放電サイクルの柔軟な制御を可能にする高度な制御技術を搭載し、蓄電池の更なる長寿命化を実現
  • 停電時には非常走行用電源として活用可能

製品紹介ページ

社会インフラを支える技術開発

高効率永久磁石リラクタンスモータ(PRM)PRM:Permanent-magnet Reluctance Motor

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高効率永久磁石リラクタンスモータ(PRM) イメージ

環境訴求ポイント

  • 永久磁石モータの小型・高トルク・低損失である特長と、リラクタンスモータの高速・低コストである特長を兼ね備えることで、広い運転範囲で高効率を実現
  • 磁気回路形状の最適化によりモータ効率を向上(95%以上※1
  • 薄板電磁鋼板の適用によりモータ鉄損を削減(約35%削減※2
  • リラクタンストルクの効率的な活用により永久磁石使用量を削減(約15%削減※2
※1
運転特性に依存します。
※2
当社モデルでの比較結果です。

製品紹介ページ

気候変動への適応策(防災・減災)

マルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダ(MP-PAWR)

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マルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダ(MP-PAWR) イメージ

環境訴求ポイント

  • 内閣府のSIP※1「レジリエントな防災・減災機能の強化」の施策に参画し、世界初※2の実用型「マルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダ(MP-PAWR)」を開発
  • 80キロ圏内の雨雲をわずか1分で観測でき、ゲリラ豪雨などの兆候をより迅速かつ正確に捉えることが可能
  • 新型アンテナ搭載で雨滴の形状が観測可能となり、降雨量の観測精度が向上
※1
戦略的イノベーション創造プログラム。科学技術分野におけるイノベーションを実現するために、内閣府/総合科学技術・イノベーション会議が2014年に創設した施策。
※2
水平偏波と垂直偏波を同時に送受信する二重偏波機能を有し、10方向以上を同時に観測可能なDBF(デジタル・ビーム・フォーミング)のリアルタイム処理機能を搭載した気象観測専用のフェーズドアレイレーダとして世界初。