東芝の二次電池SCiB™が、鉄道輸送の可能性を拡大。

東芝のリチウムイオン電池、SCiB™は次世代の鉄道システムの実現に不可欠な要素です。東芝は長寿命、安全性に優れた環境に優しいシステム実現のため、スマートなバッテリの開発に貢献しています。

特長

SCiB™は、電車の回生エネルギーを貯蔵するための蓄電池や、万が一電力供給が断たれた際に退避運転を行う電力を供給する非常用蓄電池として活用されます。ハイブリッド車両の蓄電池として活用することで、従来システムに比べ車両システムの総エネルギー消費量を削減できます。

利点と価値

  • 回生エネルギーを活用した消費電力削減
  • ディーゼルエンジン使用車両における燃費向上およびNOx排出低減
  • エンジンの代わりに蓄電池電力の利用で騒音を低減
  • 低温時も充放電可能な特性
  • 充放電1万回*の長寿命

車両用標準SCiB™蓄電池システムの基本寸法

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車両用標準SCiB™蓄電池システムの基本寸法
長さ 1900 mm
2300 mm
高さ 545 mm
During full-power running

SCiB™蓄電池システムの基本仕様

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SCiB™蓄電池システムの基本仕様
公称重量 1850 kg(概算)
公称容量 3バンク構成時、60 kWh
公称電圧 500 V DC
冷却系統 強制空冷方式
充放電サイクル 1万サイクル*
セル SCiB™ 20 Ah
安全系統 遮断器またはコンタクタ付きバッテリ管理システム、直列接続バッテリ間のメンテナンス用回路遮断器
対応規格 関連するIECおよびEN規格に準拠
設置方法 屋根または床下への取り付け
  • *所定の条件下においてセルレベルで試験を行った結果であり、性能を保証するものではありません。

システム構成例

シリーズハイブリッドシステム

Battery Drive

SCiBバッテリーが駆動システムやAPSに電力を供給します。


ICE: 内燃機関(Internal-combustion engine)
APS: 補助電源システム(Auxiliary power supply system)
AUX: 補機(Auxiliaries)

Engine Drive

エンジンドライブモードはディーゼル電力変換システムの通常モードです。エンジンは発電機に動力を与え、この発電機が牽引システムやAPSに必要な電力を供給します。

Regeneration Drive

車両がブレーキをかける時、主電動機は発電機となり、電気エネルギーを生成します。このエネルギーは電池に蓄えられるほか、補機でも使用されます。

架線レスハイブリッド車両

Catenary Drive

通常のモードです。電気エネルギーは架線から供給され、電気牽引システム、補機、電池により消費されます。

Battery Drive

無架線区間では、電池が鉄道車両の主電力エネルギー供給源となります。エネルギーは駆動システムの他、補機により消費されます。

Regeneration Drive

車両がブレーキをかける時、主電動機は発電機となり、電気エネルギーを生成します。このエネルギーは補機で使用する他、架線に送られます。

非常走行システム

Ordinary Run

通常のモードです。電気エネルギーは架線から供給され、牽引システム、補機で使用する他、電池に蓄えられます。

Emergency Run

電源遮断時、架線からの電力供給は行われなくなります。そのため、蓄電池システムが牽引システムおよび補機に電気エネルギーを供給します。SCiB™が、緊急時の鉄道車両の退避運転を支援します。