北大阪急行電鉄新型車両向け電気品受注について

2013年12月11日

 当社は、北大阪急行電鉄株式会社(以下、北大阪急行電鉄)の新型式車車両において、全閉式永久磁石同期電動機(以下、全閉PMSM)とVVVFインバータ装置(注1)を組み合わせた駆動システムをはじめとする電気品一式を受注しました。

 今回受注したのは、北大阪急行電鉄の新型式車9000形車両における全閉PMSMとVVVFインバータ装置を組み合わせた駆動システム、補助電源システム、モニタシステム、空調装置、集電装置などの主要電気品一式です。

 全閉PMSMは定格効率97%を実現する高効率な主電動機であり、現行8000形で採用の開放型誘導電動機(開放IM)の定格効率90%と比較して、飛躍的に効率が向上しています。また、全閉構造により内部清掃が不要のため、メンテナンス性も向上しています。主電動機を駆動するVVVFインバータ装置は、1台の冷却器に対して2つのインバータ回路を配置した2in1インバータユニットを2台搭載することで、4台の全閉PMSMを1台の装置で駆動できるシステムです。このシステムの採用により、力行(注2)の消費電力量を削減するとともに、当社独自の制御方法で電力回生ブレーキ(注3)の負担を増やし、回生電力量を増加させることで車両全体の省エネを実現しています。

 空調装置には低騒音な室外ファンを採用し、顧客や鉄道利用者の満足度を高めると同時に、沿線住民への配慮を行っています。従来の空調機と比較し、約3dBAの騒音レベルの抑制を実現しています(注4)。補助電源システム、モニタシステム、集電装置は、現行8000形の仕様を踏襲することで従来通りの取り扱いを可能にしながらも、モニタシステムには運転状況記録などの機能を追加しています。

 当社は、今後も全閉PMSMシステムなど省エネ効果の高い製品群を開発し、保守低減を含めたライフサイクルコストの低減を実現した顧客満足度の高い製品を提供すべく、国内外に受注活動を展開していきます。

注1
可変電圧可変周波数制御:Variable Voltage Variable Frequency
注2
電力の供給を受けて車両が加速する状態。
注3
主電動機を発電機として用い、これによって発生した電力を電車線に戻す電気ブレーキ。
注4
空調機単体試験時、側方1mでの測定結果。当社比。
全閉型永久磁石同期電動機
全閉型永久磁石同期電動機
VVVFインバータ装置
VVVFインバータ装置
空調装置
空調装置

以上