「ICTを活用したプロセス制御とリモート診断による効率的水処理運転管理技術」のガイドライン化について

2017年2月15日

 当社および日本下水道事業団、福岡県、公益財団法人福岡県下水道管理センターの共同研究体(以下、当共同研究体)により実証しました「ICT※1を活用したプロセス制御とリモート診断による効率的水処理運転管理技術(以下、本技術)」の導入ガイドライン(案)が、国土交通省国土技術政策総合研究所(以下、国総研)により、国総研ホームページ に公表されました。

 本件については、国土交通省の「下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト※2)」における2014年度事業の一つとして採択され、国総研からの委託研究※3として、当共同研究体が2014~2015年度の2カ年にわたり、実証したものです。

 本技術は、図に示すように、「①NH4-Nセンサーを活用した曝気風量制御(NH4-N/DO制御)技術」、「②制御性能改善技術」、「③多変量統計的プロセス監視(MSPC※4)技術」の3つの技術を組み合わせた技術であり、下水処理後の処理水質を安定化しつつ、消費エネルギーの削減と維持管理性の向上を実現するものです。実証フィールドである福岡県宝満川流域下水道宝満川浄化センターにおいて、本技術導入による省エネルギー効果や経済性などを検証した結果、曝気風量削減率10.3%※5、経費回収年2.33年※6の成果を得ることができました。

 下水道事業においては、省エネルギー化や温室効果ガス排出量削減への積極的な対応が求められるとともに、ICTを活用して下水道施設の効率的な運転管理を実現したいというニーズが高まっております。当社は、ガイドライン化された本技術の普及・展開を進めるとともに、下水道事業を含む社会インフラシステムソリューション事業を積極的に推進していきます。

図「ICTを活用したプロセス制御とリモート診断による効率的水処理運転管理技術」の概略図と実証成果の概要

図「ICTを活用したプロセス制御とリモート診断による効率的水処理運転管理技術」の概略図と実証成果の概要
※1
ICT:Information and Communication Technology(情報通信技術)
※2
B-DASHプロジェクト:Breakthrough by Dynamic Approach in Sewage High Technology Project
※3
ICTを活用したプロセス制御とリモート診断による効率的水処理運転管理技術実証研究
※4
MSPC:Multivariate Statistical Process Control
※5
従来制御をDO一定制御(DO目標値:2.0mg/L)とした場合の曝気風量削減率
※6
国総研からの試算条件に基づく試算結果(処理能力50,000m3/日の下水処理場の場合)