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テロ対策に最適な高性能電波イメージング技術を開発
−ミリ波レーダーを活用して衣服の下に隠した危険物の検知をウォークスルー方式で実現、
 公共スペースで通行を妨げない警備システムの構築を促進し、テロの未然防止に貢献−

2019年09月05日
株式会社東芝

当社は、駅の改札や空港の保安検査場など公共スペースにおいて通行者の流れを止めない新たな警備支援サービス向けに、ミリ波レーダー(注1)を照射することで、衣服に隠れた危険物であっても高精細に可視化する電波イメージング技術を開発しました。本技術により、駅や空港、ショッピングセンターなどの公共スペースにおいて、立ち止まり検査を必要としないウォークスルー方式で危険物の検知が可能となる警備システムを構築することが可能となります。当社は、本技術の詳細をパリで開催される国際会議IRMMW−THzで9月6日午前11時(日本時間:9月6日午後6時)に発表します。

近年、不特定多数の人が集まる公共スペースで刃物・銃・爆発物を用いたテロや無差別殺人事件が相次いでいます。例えば今世紀の世界全体のテロ発生件数は2007年の14,415件をピークに、セキュリティ対策の強化等により近年は減少傾向にありますが、2017年には依然8,584件(注2)のテロ事件が起きており、テロを未然に防止するセキュリティ対策は世界共通の課題です。一般的なセキュリティ強化策として監視カメラ配備が進んでいますが、犯人が凶器を衣服の中に隠し持つ場合の検知はほぼ不可能です。高度なセキュリティが要求される空港の保安検査場などでは、検知器と検査員による検査が行われていますが、人件費や設備導入費用などのコストが高く、多くの人が利用する場所で通行の妨げとなるため利便性の低下が避けられません。このため、公共スペースにおいて利便性を損なうことなくテロリストや不審者を検知して警備を支援する高性能・低コストの検査システムの実現が望まれています。

そこで当社は、自動運転や衝突防止で高性能化・低コスト化が進む車載ミリ波レーダーに着目し、ミリ波が衣服は透過する一方で、銃やナイフで使用される金属は反射し、爆薬などの粉体は吸収する性質を利用して、高精細にイメージングする技術を開発しました。面状に配置したアンテナがミリ波レーダーによる反射信号を捉えてイメージング画像を生成します。
一方で、対象物以外の余分な虚像が映らない高精細なイメージング画像を生成するには、照射するミリ波の半波長間隔(約2ミリ程度)で測定することが必要となるため、アンテナ設置数やデータ量が膨大になるという課題があります。当社は、互いに素となる半波長以上の間隔で測定した2つのイメージング結果を合成することで虚像を打ち消しあう特性を新たに発見し、半波長間隔で測定した場合の約1/7(約15%)の測定数で高精細なイメージング画像を生成する方式を開発しました。測定数の減少に伴い、アンテナやセンサーの設置数やメモリ量を削減できるためシステム導入時の負担を抑えることが可能となります。
当社は本技術の実証実験を行った結果、衣服に隠れたモデルガンを高精細に可視化できることを確認しました。

当社は今後、2020年以降の鉄道会社やアミューズメントパークと連携した実証実験を目指して研究開発を継続します。公共スペースへの警備支援システム導入の拡大を進めることで、「安心・安全」な社会の実現に貢献してまいります。

図1:新たな検査方式の導入による効率化イメージ

図2:開発した技術の測定イメージ

図3:互いに素となる波長間隔で測定した2つのデータの合成処理

図4:衣服の下に隠したモデルガンを用いた実証結果

(注1)ミリ波レーダー
ミリ波は、周波数にして30GHz(ギガヘルツ)から300GHz、波長にして1ミリメートルから1センチメートルまでの電波で、電波の中でも光に近い周波数帯であり、比較的光に近い性質を有している。直進性が非常に強く、雨や霧、雪といった耐環境性に優れ、長波に比べ遠くまで伝送できないが情報伝送容量が大きい特徴を持つ。
このミリ波をセンサーとして応用したのがミリ波レーダーで、離れた対象物との距離や速度、角度を測定することができる。

(注2)テロの発生件数
出典:US Department of State, Country Reports on Terrorism


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