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研究開発センター

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研究者紹介

第一線で活躍している研究者と研究をご紹介

“スマートコミュニティを安全かつ効率的に制御する” 情報セキュリティ技術 小椋 直樹 コンピュータアーキテクチャ・セキュリティ部門 2012年入社 数理情報科学専攻

効率的で安全なグループ鍵管理技術

制御システムやIoTシステムのセキュリティ技術のひとつ、グループ鍵管理技術を開発しています。多数のセンサー機器がつながるIoTシステムの設定など、機器制御を効率的かつ安全に行うために、同じ制御を実施する機器をグループ化し、通信内容を暗号化してマルチキャスト通信で送り、必要なグループの機器には復号する鍵も配布します。IoTシステムでは、一つひとつの機器の性能はそれほど高くすることができないので、鍵の管理や通信、処理にかかるコストをできるだけ小さくしなければなりません。また、IoTシステムには様々な会社の製品が組み込まれるので、どのメーカの製品でも利用できるグループ鍵管理技術が必要です。私は、家庭内で利用される機器を共通インターフェイスで扱うECHONET Lite™と呼ばれるプロトコルのセキュリティの標準化に携わっています。

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情報セキュリティ技術の図

標準化の提案とプログラミング

2015年10月のエコーネットコンソーシアムの会合で、セキュリティの専門家だけでなく通信など他の分野の専門家も前にして、初めてECHONET Lite™のセキュリティに関する提案をプレゼンしました。本当に実装できるのかという厳しい意見もありましたが、少ない鍵で管理できることを丁寧に伝え、最終的には標準に採用されることになりました。今後、自ら提案した技術が組み込まれた製品が世に出ることが、とても楽しみです。
標準化活動と並行して、製品開発の支援のため、汎用のマイコンを使ってECHONET Lite™のリファレンス実装のプログラムも書いています。一日中プログラミングしている日もありますね。デスクでずっと作業を続けているとアイデアが浮かんでこなくなることもあるので、一人で構内を歩き回って考えることもあります。プログラミングの結果を同僚と議論してフィードバックをかけていくプロセスも大切にしています。

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きっかけは研究インターンシップ

学生時代の専門は暗号理論で、公開鍵暗号の解析と評価をしていました。当時は理論だけでは手触り感がなく、異世界と対話しているような感覚がありました。そこで、就職にあたっては実際に何かを動かして反応が確かめられることを大切にしたいと考えていました。数多くの企業が暗号理論に取り組んでいますが、博士課程の2年の時に参加した東芝の研究開発センターの研究インターンシップで、手触り感のきっかけをつかみました。期間は1ヶ月で、成果をまとめるにも職場の雰囲気を知るにも丁度いい長さでした。
コンピュータアーキテクチャ・セキュリティ部門には、文字通りアーキテクチャやセキュリティ、それからストレージなど様々な専門の研究者が揃っています。隣の部門にはネットワークの権威や専門家がいます。みんな気軽に雑談する雰囲気があります。エコーネットコンソーシアムに参加すると、自分の専門のセキュリティ以外のことで対応を求められることもあるので、身近にいる専門家とすぐに相談できるのは助かりますね。ちょっと話しをするだけで的確に答えてくれます。とてもありがたい環境です。

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学生の皆さんに一言

学生の皆さんに一言!『たくさんの人と話をして、自分に最も適していると思う職場を選んでください』

東芝にはソフトウエア開発をしている部門も、ハードウエアを開発している部門もあります。生産技術もあります。自分の可能性を考えて、たくさんの人と話をして、進むべき道を探って欲しいと思います。実際に研究をしているOBを訪問し、同じチームのメンバーとも話をさせてもらい、一人ひとりの個性の集合体として会社を見てください。単純な面接だけではわからないことが、そこに見えてくると思います。