Inoue Yuki 私が今取り組んでいるのは、インフラ製品などの複雑な構造を持つ大規模製品の設計を自動化、省力化する技術の開発です。このような製品は通常の量産品とは異なり、それぞれのお客様の要望に基づいたものを作る必要があります。設計の際も製品の構成を、細かな部品に至るまで破綻なく決める必要があり、膨大な手間がかかることが課題でした。そこで、この製品設計の省力化を目指し、製品設計のロジックを分析して形式化し、さらにプログラムに落とし込むことで設計の自動化を検討しています。 大規模製品は、さまざまな専門性を持った多くの人たちが協力して作り上げるものです。東芝のモノづくりでは、それぞれの人が自分の役割を背負い、ポリシーをもって製品に携わっています。生産技術センターはこのモノづくりを土台から支えるような役割を担っていることから、仕事では多くUchino Yuki 私の職場では、インフラ事業やエネルギー事業のモータ、インバータ、モータ駆動制御用半導体、電子機器のEMC設計について研究・開発を進めています。その中でも私は、産業用や自動車用モータの研究・開発に携わっています。 国内の消費電力の半分以上はモータが占めており、モータの効率を向上させることで消費電力を大幅に削減することができます。これは、東芝グループが目指すカーボンニュートラルの実現に関わるため、高効率なモータの開発は非常に重要となっています。 近年は設計技術の高度化が進み、磁気回路設計を行う磁界解析だけでなく、振動特性を向上させるための構造解析、温度特性を向上させるための熱解析など、様々な最適化手法を取り入れたモータ設計技術の研究が業務プロセス変革推進領域 設計生産システム変革推進部2019年入社 情報科学研究科 情報システム工学専攻製造プロセス・検査技術領域 機械構造・製造技術研究部2016年入社 理工学研究科 基礎理工学専攻酒井 美鈴Sakai Misuzu 振動や熱など製品の課題となっている現象を解決する新規構造の提案に取り組んでおり、シミュレーションを利用した現象把握や、最適化技術を利用した部品設計をしています。 製品の課題の根本原因を解決するためには、時には大胆な設計変革をすることも必要になります。そのために、まずは課題となっている現象を構造シミュレーション技術や熱流体シミュレーション技術を使って把握し、その後、最適化技術を利用して課題解決のできる構造を検討しています。 今までこの技術を空調機器や変電機器の部品設計に適用し、部品の 高剛性化や高冷却性を実現する設計を提案してきました。設計した形状はシミュレーション技術で効果を確認するとともに、3Dプリンタなどで 試作を行い、実験検証をしてさらに確認していきます。ところがシミュレー電子機器・実装・制御技術領域 制御技術研究部2019年入社 創成科学研究科 電気電子情報系専攻の人と関わることになります。プログラムの開発ひとつとっても、ただ作るだけではなくモノづくりの一連の流れの中にそのプログラムがきちんと取り込まれ、皆にとってプラスになるよう検討する必要があります。モノづくりを幅広く取り扱う東芝の生産技術センターの一員であるからこそ、目先の課題を解決するだけでなく、自分の仕事が長期的かつ幅広く効果を出せるよう努める必要があると思います。 東芝では、このような大規模な製品を幅広く取り扱っており、グループ全体で取り組むモノづくりの幅広さこそが、東芝で働くメリットであると考えています。さまざまな製品を扱う環境のなかで、モノづくりについて深く考えるこの仕事を通じて、東芝ならではの貴重な体験をすることができます。ションの結果は実際の現象と一致するとは限らず、思うような結果がでないこともあります。そんな時はシミュレーション結果や実験結果をそのまま鵜呑みにせず、なぜそうなったのか、何が効果的だったのかを考えるよう心がけています。 東芝はさまざまな製品を取り扱っており、そんな数多くの製品の開発に関わることができるのは大きなやりがいを感じます。また部門内だけでもシミュレーションを利用した構造設計や解析技術の他に、評価技術や加工・成形技術など様々な技術分野の専門家が揃っており、技術力の高さを感じるとともに、課題解決のためのアイデア創出でも多角的に物事をみることができ、多種多様なアイデアが出されるのも東芝ならではのメリットだと思います。https://www.global.toshiba/jp/technology/corporate/cmc.html31グループ全体で幅広い製品を創り出す東芝ならではの貴重な体験ができます。シミュレーション技術を使った新規構造の提案をおこなっています。「誰もが享受できるインフラ」の実現に貢献できる技術者になりたい。進められています。 どんなに高性能なモータも、制御技術やモータに接続される回路やデバイスの実装技術が確立されていなければ性能を十分に発揮させることができません。そのため、1人で業務を完結させるのではなく、関連分野の技術者と意見交換をしながら高性能なモータを開発することを意識しています。 社会インフラ事業は世の中の人々の生活を支える重要な事業であり、その事業に東芝社員としてかかわることでカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現に大きく貢献できると思います。東芝が目指している「誰もが享受できるインフラ」の実現に貢献できる技術者になれるよう日々業務に取り組んでいます。現在働いている社員がシゴト内容を紹介内野 雄樹Staff Voice井上 佑貴
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