Oguri KazukiNagano Yuma 風力発電事業を計画する際、発電量最大や風車にかかる荷重の低減を目的として、風がどこにどの様に吹くのかを解析によってあらかじめ把握しておくことは必要不可欠です。 当社は、日本特有の複雑地形での風況評価・診断をより精度よく行うため、大規模流体解析や地形模型を用いた風洞試験、サイトでの 実風況計測結果から、風況解析技術の高度化を推進しています。 具体的には、風車周辺の地形により生じる風の乱れを解析した結果と、地形模型を用いた風洞試験との結果を比較、特徴を分析し、解析 パラメータを調整することにより解析誤差の低減につなげています。風力発電向け風況解析技術 また、複数の風車からなる発電所では、風下側にある風車に対して後流と呼ばれる風の乱れが生じます。 前記のような解析により、後流の発電量低下、風の乱れによる疲労荷重増大を極力最小限に抑える技術は、実際の風車の最適配置を決定するのに重要な条件の1つとなっています。 当社は、開発サイトに適した風況解析技術をメーカの立場・発電事業者の立場で具現化し、 風力発電事業を進めることで、持続可能なエネルギー社会の実現・普及をめざしています。https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/renewable-energy.html地形模型を使用した風洞試験の様子複雑地形での風況解析47現在働いている社員がシゴト内容を紹介エネルギーアグリゲーション事業部 エネルギーIoT推進部 エネルギーIoT第一グループ2021年入社 工学研究科 材料・放射光工学専攻永野 佑磨この国の明日のために最先端の仕事をしています。 私は現在企業などの余剰電力(ネガワット)を取引し、電力需要バランスを取りまとめるネガワットアグリゲーション事業の担当として、電力の安定供給のために必要な業務を行っています。具体的には、電力ひっ迫時に発動されるDR(デマンドレスポンス)に対応すべく、毎日アグリゲーションシステムを運用したり、お客様のリソースを管理する業務を行っています。 ネガワットアグリゲーション事業は2017年に立ち上がったばかりの事業です。市場環境もめまぐるしく変わるため、固定観念にとらわれず、どんどん新しい取り組みをしかけていくことが重要です。常に最新の情報を収集するのはもちろんのこと、現状自分達が抱えているトラブルや、今後想定し得るリスクなどを整理したり可視化することで解決できるように積極的に行動するよう心がけています。個人的には今やろうとしている仕事の意味を理解し、それが将来、社会・地球環境にどのようなメリットをもたらすかを常に考えるようにしています。 近年、東芝はカーボンニュートラルの促進加速のため、さまざまな観点からアプローチし続けています。国内有数の技術を持つトップ企業で、この国の明日のために最先端の仕事ができるということが東芝で働く意義だと感じています。また東芝は入社年数に関わらず大きな仕事ができるチャンスが等しく与えられた職場です。チャンスをものにできるかは自分の努力次第ですが、誰にでもそのチャンスをつかむ機会があるのは魅力だと思います。TopicsStaff Voiceエネルギーアグリゲーション事業部再生可能エネルギー技術部システム設計グループ2019年入社 工学研究科 エネルギー理工学専攻 小栗 一輝太陽光発電所に関するレイアウト設計や 発電量の予測シミュレーションを行っています。 私は太陽光発電所の新規案件受注に向けたシステム設計を担当しています。中でも太陽光発電所のレイアウトを作製し、発電量の予測シミュレーションを行っています。 新規案件受注活動では他社との価格競争もあり、クライアントから求められるスペックを満たしつつ、コストの削減が課題となります。そのため新規メーカの採用や、工事費用などを抑えられるようなシステム設計に取り組んでいます。 発電量のシミュレーションについては、クライアントとの契約による発電量保証と関係するため、複数のソフトを使い土地の起伏や影の影響が考えられる遮蔽物、周辺の樹木などを3Dで再現することで、より現実に近いレイアウトでの予測シミュレーションを行えるように工夫しています。 太陽光発電所のレイアウトを行う際、与えられた土地に仕様を満たす太陽光パネルや変電設備などをいちから配置していきます。特に変電設備は設置する位置によって、電気ケーブルの長さが変わってきますが、無駄にケーブルが長いと発電ロスに繋がるため、最適なレイアウト設計が必要です。そのため、何パターンか変電設備のシステム構成を考えたり、ケーブルルートを変更したりして、最適なものを模索しています。何もない所に自分の裁量で設備を配置していく感覚は充実感があり面白く思う反面、仕様の自由度が高過ぎる場合には、考えることが増える分、難しさも感じます。 将来的には太陽光だけではなく、その時代のエネルギー事業の変化に柔軟に対応できる技術者になりたいと思います。
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