482022年6月未利用地熱を活用した水素製造に関する調査の採択について 当社は、このたび、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募する事業「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発」から、採択決定通知を受けました。本事業は、関西電力株式会社が代表事業者で、当社は共同事業者として参画します。当社は、熊本県阿蘇郡小国町の未利用地熱を利用した水素製造に関する調査を行います。事業期間は、2022年7月から2023年3月までです。純水素燃料電池セルスタックの展開CO2フリー水素を活用したカーボンニュートラル社会実現に向けて 日本政府は2020年10月に2050カーボンニュートラルを宣言し、具体的な戦略として同12月に“グリーン成長戦略”を策定しています。この中で“水素はカーボンニュートラルのキーテクノロジー”と位置付けられ、様々な産業での活用が求められています。エネルギーアグリゲーション事業部は、2014年4月に次世代エネルギー事業開発プロジェクトチームとして発足し、水素関連事業を進めてきました。基本となるのは1960年代より開発を開始した燃料電池の技術です。現在では純水素型の燃料電池としてCO2を発生しないエネルギーを提供している他、燃料電池の基礎構造であるセルスタックを乗り物など様々な用途に展開する検討を行っています。P2G(Power to Gas)技術については、福島県浪江町で建設を進めてきた水素エネルギー研究フィールドワーク「FH2R」において、2020年7月より再エネの電力を利用したグリーン水素の製造を開始しています。事業イメージ トヨタ自動車(株)本社工場に納入した100kW「H2Rex™」カーボンリサイクルのビジネスモデル ここでは水素需要予測システムと電力系統制御システムにより、水素と電力の二つのインフラを調整する実証を行っています。製造された水素は、定置用燃料電池向けの発電用途、燃料電池車や燃料電池バス向けのモビリティ用途などに使用されています。 また、人工光合成技術を応用したP2C(Power to Chemicals)の実証事業を開始しました。P2C は、排出されたCO2を再エネ電力によりCOに電気分解し、水素などとの反応により合成燃料や化成品の原料に再資源化する技術です。研究所で開発した要素技術と従来からあるセルスタック製造技術の融合による処理量の飛躍的な向上により、これまでCO2排出量削減が難しかった産業でのCO2削減に寄与できるようになりました。 今後もカーボンニュートラル社会実現に向けて貢献していきます。「福島水素エネルギー研究フィールド(Fukushima Hydrogen Energy Research Field (FH2R))」福島県浪江町本事業はNEDO※ 「水素社会構築技術開発事業/水素エネルギーシステム技術開発」の一環として実施しています。(※)NEDO: 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構水素燃料電池スタック(イメージ)LinkLink2021年11月トヨタ自動車・本社工場に納入した純水素燃料電池システム「H2Rex™」の運転開始 当社がトヨタ自動車株式会社本社工場(愛知県豊田市)向けに納入した、純水素燃料電池システム「H2Rex™」がこの度運転を開始しました。本システムは、同工場の自家発電設備の実証サイト「水素発電パーク」内に設置されます。「H2Rex™」は、水素を直接用いて、CO2を発生させずに発電するシステムで、起動開始から約5分で発電することが可能です。LinkLinkLink2022年10月ポーランド バッテリーメーカーとの新型水素燃料電池システムの開発に向けた活動に着手 ポーランドのバッテリーシステム製造を行うImpact Clean Power Technology社、伊藤忠プランテック株式会社、東芝エネルギーシステムズ株式会社は、バスをはじめとするヘビーデューティー向け水素燃料電池システム開発に向けた具体的な活動に着手し、このたび、東芝ESSの固体高分子形水素燃料電池スタックがImpact社へ出荷され、Impact社は最初のアプリケーションとして、バス向け水素燃料電池システムの動作テスト・検証を開始します。Link水素エネルギー事業CO2フリー水素がつくる持続的で安心安全快適な社会再エネ主力電源化の課題である「系統安定」と「再エネ電力抑制の増大」に対し、「SOEC(※1)をはじめとした電解コア技術を使った水素製造システム、CO2電解を使ったカーボンリサイクルソリューション」及び「純水素燃料電池システム」を提供します。※1:SOEC:Solid Oxide Electrolysis Cell(固体酸化物形水電解)Topics
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