HDD主要部品における日本メーカ比率Toshiba Electronic Devices & Storage Corporation 東芝デバイス&ストレージ株式会社爆発的に増えているデータに対応したストレージソリューションを提供し、ストレージ業界におけるリーディングカンパニーを目指す。私たちの生活やビジネスに関わる情報量は飛躍的に増大しています。当社はデータセンタなどの情報通信社会を支える大容量HDDから小型HDDまで幅広いストレージ製品を提供し社会に貢献しています。70 HDDが世界で最初に商用化されたのは1956年でした。1960年代には世界中の様々な企業が新規参入し、1990年頃に50社ほど存在していたHDDメーカは、その後の統廃合により現在3社のみとなっています。HDDは情報セキュリティ、地政学リスクの観点から、複数国での研究開発・製造が求められていますが、うち2社はアメリカ企業のため、アメリカ以外のメーカは世界で大容量ニアラインHDD20テラバイトTeam Japanによる事業展開と言われるほど世界各地で盛んに作られています。 当社が注力している大容量ニアラインHDDは、このデータセンタで使われていますが、いかに巨大なデータセンタといえど、機器を設置可能な延べ床面積および使用できる総電力量には限りがあります。大容量ニアラインHDDは、ノートパソコンなどデータアクセス頻度が高いホットストレージとして近年主流となっているSSDに対し、1台あたりの最大記憶容ずか数ナノメートルのところを浮上しており、ジャンボジェット機に例えると、地上から1ミリメートル以下の高さを超低空飛行していることと同じことになります。 HDDの研究開発・設計・製造は、様々な技術のすり合わせが重要であり、長年の積み重ねによる知識・経験・ノウハウの蓄積が必要です。当社は1967年にHDD業界へ参入して以来、2005年に世界初となる垂直磁気記録方式を商品化するなど、半世紀以上にわたり世界最先端技術を投入したHDDを継続して提供しています。近年では2017年に世界初当社1社です。 あまり知られていないのですが、HDD用主要部品メーカのうち日本企業は過半数を占めています。当社は日本メーカという地の利を活かし、日本のHDD 部品メーカ様と緊密な連携を取りHDD 製品開発を進め、日本メーカならではの高品質HDDを提供しています。ジャンボジェット機(70m)に例えると、ジャンボジェット機(ヘッド)が地上(メディア)から0.7mmの浮上を維持しているイメージ量はより大きく、同一容量での消費電力はより少なく、導入コストは約1/7です。データセンタでは、大容量ニアラインHDDが適している、アクセス頻度が高くないウォームストレージ、コールドストレージが半分から3/4を占めていると言われています。導入コストの安さに加えSDGsの観点からも、環境負荷の低い大容量ニアラインHDDに対するニーズは年々高まってきています。となる9 枚ディスク搭載機種、2021年は世界初となる磁束制御型マイクロ波アシスト磁気記録(FC-MAMR : Flux Control Microwave-Assisted Magnetic Recording)を採用した機種を商品化しました。今後も、マイクロ波アシスト磁気記録、瓦書き記録方式(SMR:Shingled Magnetic Recording)、ディスク搭載枚数の10枚、11枚化など、様々な世界最先端技術の研究開発を通してニアラインHDDの更なる大容量化を実現し、リーディングエッジ商品を提供していきます。2022年12月時点東芝デバイス&ストレージ(株)調べデータ社会を支えるHDD SNSによる写真や動画の共有、web検索・コンテンツの視聴、オンラインショッピングなど、インターネットを介したデジタルデータの活用は、皆さんの生活に必要不可欠なものになっていると思います。企業でも、ほぼ全ての書類は電子データで作成されていますが、過去のプロジェクト資料、契約書、税務関連書類など、長期保管が必要なデジタルデータも爆発的に増え続けており、それらのデータを保存しているデータセンタは、近年建設ラッシュ世界最先端技術開発によるHDDの大容量化 HDDは、データが記録されている磁気ディスクと呼ばれる円盤状のメディアをモーターで回転させ、スイングアームの先端に取り付けられている磁気ヘッドでデータを読み書きする仕組みです。磁気ディスクは処理速度を高めるため毎分数千回転という超高速で回転していますが、ヘッドがディスクに接触したまま回転させてしまうと摩擦で磨耗してしまいます。そこで、ディスクの高速回転によりディスク表面とヘッドの間に空気の流れを作りヘッドを浮上させ、わずかなすき間を保つように工夫されています。ヘッドは動作時にわストレージ(HDD)分野60%Topics
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