Toshiba Electronic Devices & Storage Corporation 東芝デバイス&ストレージ株式会社社会インフラを支えるキーデバイス―― エネルギー変換・伝送、車載・産業、通信機器を通じて ――世界的なエネルギー電化の拡大、高度情報化社会に必要とされるデータ処理能力の拡大と通信の大容量・高速化が 進展し、電気を効率的に使うことが求められています。当社は、ディスクリート半導体と集積回路で、省エネルギー化 ソリューションを提供します。製品開発を通じて、環境に配慮し、人にやさしい社会に貢献することを目指しています。当社半導体事業の特徴 当社はディスクリート半導体と集積回路の両方を手掛けています。ディスクリート半導体とは、LSI・IC といった集積回路とは異なる単機能のデバイスです。当社では、製造プロセス、半導体チップ、パッケージといった製品に関わるすべての要素を社内で開発しています。先端半導体デバイス開発センターを中心に、デバイス、製造プロセス、パッケージに関する要素技術を製品開発に先行して研究開発を行う体制を構築しています。また、自然界のアナログ情報をデジタルデータ化し、デジタル世界で生み出された価値を自然界へとつなげる集積回路デバイスの開発を行っています。二つの世界を繋げるアナログ-デジタル混載のミックスドシグナル技術力を強みに、それを活用した幅広い製品群、これらを融合したソリューションの提供を行っています。トップレベルパワーデバイスで省エネルギー化を下支え 当社では、モバイル機器の電源に用いられる小型 / 低耐圧のものから、送配電の制御に使われる大型 / 高耐圧のものまで、幅広いパワーデバイスを開発しています。 30~150V クラスの低耐圧パワー MOSFET(※1)パワーMOSFET製品では、デバイス構造の工夫と微細加工技術により業界トップレベル(※2)の低抵抗を実現し、スイッチング損失削減と合わせて省エネルギー化に貢献しています。また、最新の両面放熱パッケージを適用した製品では、小型でありながら大電流での使用を可能としています。さらに国内では他社に先駆けてパワーデバイスでは最大口径となる 300mm ウエハーの量産ライン構築(※3)と、新棟建設(※4)を発表し、、パワー MOSFET を中心とした開発を加速させています。 高電圧や高速動作が必要とされる用途においてSi(シリコン) 半導体デバイスで実現できる物理的な性能を超える次世代パワーデバイスとして注目されているSiC(シリコンカーバイド)やGaN(ガリウムナイトライド)といった化合物半導体デバイスの開発にも注力しています。これらのデバイスでは重要な社会課題であるカーボンニュートラルの実現に向けて様々な機器の高効率化や省電力化への大きな貢献が期待されています。これらのデバイスは結晶品質が重要であり、それを考慮した開発を行っています。 (※1) MOSFET : Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor(※2) 同等パッケージの150V耐圧の製品において、当社調べ (2022年3月時点)(※3) 2021/3/10 当社プレスリリース (※4) 2022/2/4 当社プレスリリースLink絶縁と信号伝達を両立するアイソレーションデバイス フォトカプラーは、発光・受光素子を1パッケージ化した光結合技術により、絶縁と信号通信を両立したユニークなデバイスです。家電、産業機器、自動車等に幅広く使われており、当社が12年連続で世界シェアNo.1を維持しています(※5)。当社は、発光・受光素子、パッケージ設計、製造を様々な技術者がチームとなって一貫開発し、高機能・高信頼性を目指しています。また、スイッチ制御に光結合技術を応用したフォトリレーでは、高度なシミュレーション技術を駆使し、業界最小パッケージ(※6)、低抵抗/低オフ容量の製品を開発しています。また更なる高速化・多チャネル化を目指し、コイルを用いた磁気結合型絶縁技術受光素子LEDLinkLink72フォトカプラー内部(模式図)と先端回路技術を融合させた新製品デジタルアイソレーターの市場投入・品種拡大を2023年春以降計画しており、開発を加速しています。(※5)Gartner🄬,「Market Share: Semiconductors by End Market, WorldWide, 2021」, Andrew Norwood et al., 2022年3月31日 Revenue Basis, フォトカプラー=Coupler(※6)2022年11月。当社調べ。フォトリレー用パッケージにおいて。全ての電子機器が必要とする小信号デバイス 小信号デバイスは、ほぼ全ての電子機器に使用される小型の半導体です。当社では高周波スイッチ IC、電子機器を静電気から保護する TVS (ESD保護用) ダイオード、バッテリーパックに使われる MOSFET、電源向け汎用小型ICなど様々なデバイスを開発しています。 eFuse(電子ヒューズ) IC は従来ヒューズでは 1 回しか保護できなかった点を半導体化することで克服した製品です。安全意識の高まりや電子機器の高信頼化の要求により様々な電気的ダメージからシステムを保護する機能の重要性が増しています。当社はシステム動作の考察によりお客様の抱える課題を見極め、回路を工夫することで短絡発生時に業界最速クラス(※7)で経路を遮断してシステムを保護する製品を開発しています。(※7)eFuse IC において、当社調べ(2021年10月時点)eFuse ICのメリットカーボンニュートラル社会の実現を牽引するマイコン 世の中の多くの機器はCPUとその上で動作するソフトウェアで制御されています。その中でも生活家電、PC周辺機器、ヘルスケア機器、スマートメーター等にはマイコン(マイクロコントローラー)と呼ばれる組み込み向けのCPUが使用されています。マイコンは入力に基づき演算を行い出力に作用する働きを持ちますが、出力の代表例がモーターです。当社のモーター制御技術は40年以上の歴史を持ち、その技術をマイコンに搭載することにより、生活家電を始めとするモーター制御機器の電力削減を可能にします。また、制御技術の高度化に向けた研究開発も継続しており、様々な課題解決に貢献していきます。私たちの暮らしを支えるアナログ技術 私たちの身の周りはモーターであふれています。エアコン、洗濯機、冷蔵庫、掃除機など家電で多用され、車では、ドア、ミラー、パワステ、ワイパー、エンジンバルブなど、1 台に100 個ものモーターが搭載されています。職車載用ステッピング場の OA 化、工場の FA(ファクトリー・オートメーション)化、モータードライブICロボット化を支えているのもモーター技術です。これらのモーターにより人々の利便性を高め、人間の能力以上のパワーや動作精度を得る事ができます。当社は、回路、制御アルゴリズムの工夫を通じて、各分野に適したモーター制御 IC を開発、提供し、モーターの高効率化に貢献しています。効率を上げることによってモーターで駆動する機器の大幅な省電力化、モーターの長寿命化、CO2削減が実現できます。また、プリンター、コピー機では当社の開発するリニアセンサーも画像読み取り用に広く使われています。そのような製品の競争力の源泉となるアルゴリズム、最先端プロセス技術、パッケージ技術、回路技術 など様々な要素技術も先行開発しています。ディスクリート半導体製品 半導体分野
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