Production and Planning Div.モノづくり人材の階層 東芝では「IEインストラクター」と「製造部課長」を軸とした人材育成を進めています。IEインストラクターとは、IEの知識を活用して生産課題の解決・現場改善指導・海外工場立上げ支援などを推進するエキスパートです。東芝独自の制度として2005年から育成を始め、国内外合わせて350人以上が認定を受けて活動しています。モノづくり人材育成 一方「製造部課長」には、工場の製造責任者としてより本質的な課題を解決するため、モノづくりのやり方・仕組みを変革する役割があります。課題認識力・経営マインドを向上する研修を、2012年以降250人以上が受講しました。 この両者が連携を取りながら、大小さまざまな生産課題の解決、モノづくり力向上を進めています。現在働いている社員がシゴト内容を紹介東芝インフラシステムズ株式会社 府中事業所鉄道システム部 鉄道システム生産管理課2016年入社 国際社会学科 アラビア語専攻本澤 七彩Motozawa Nasaお客様から受注した仕事の生産工程管理を担当しています。 私の仕事は、鉄道の車体に搭載されている保安装置や情報伝送機器の生産工程管理です。営業が受注してきた案件を工場に引き継ぎ、納期に向けて設計、製造、試験、出荷までのスケジュールを策定しています。工程を滞りなく進めるために、設計フォローから負荷調整、材料の入荷日の管理や出荷手続きを行います。 当然ですが、お客様のスケジュールに合わせて、確実に製品を納入しなくてはならず、担当している製品の納入が遅れれば、車体の組み立てや修理、運行のスケジュールに大きな影響が出る可能性があります。そのため営業部門からの情報を整理して、常に半年〜1年先の予定(中日程)を組み立てています。また、製造途中でトラブルが発生した場合には、「いつまでに誰が何をするか」を整理して、関係者に協力を依頼して解決していきます。また何かをお願いしたり、相談したりするときには、直接相手のところに行って話をするように心がけています。 生産管理の仕事は、営業、設計、製造、品質保証など、さまざまな部署の担当者と関わります。生産現場では多くの案件を限られた人員・スペースの中で製造していくため、スケジュールの調整が難しく、現状の課題にもなっています。 一方で社内の技術者が専門性を生かせるようにサポートをすることで、よりよい製品を届け、お客様に貢献ができることが、この仕事の醍醐味であり、意義のあることだと思います。自身が関わっている製品が世の中に出て、それを多くの人が利用しているということは、やりがいにもつながっています。85モノづくりの方向を決める 生産企画とは、モノづくりの方向を決めることが重要なミッションとなります。自分達のモノづくりの強みや弱みを客観的に分析し、世の中の動向から機会や脅威を推測し、事業別にモノづくりの方向を決めていきます。また、定めたモノづくりの方向に従い、生産に関わるリソース(人・資金・モノ・技術)の最大効率活用を追求し、自分達のモノづくりにおける競争力を高めていく計画を立案、遂行していきます。工場でのモノづくりを「工学」する モノづくりの最前線で顧客の要求する品質の製品を、要求する時期に、要求する量だけを、効率的に生産するためのトータルマネジメントを実施することが生産管理のミッションです。生産管理では、社内外を問わず関係部門との緊密なコミュニケーションを取ることと、OR(Operations Research)やIE(Industrial Engineering)といったエンジニアリング手法を活用して生産性の向上を追求することが重要となります。生産企画・管理部門モノづくりの方向を決める工場でのモノづくりを「工学」する。価値観の多様化や、市場環境の変化、技術の進歩により、東芝の事業環境も常に変化しています。この環境変化の中で、最適なモノづくりを考え、実践する部門が、東芝の生産企画・管理部門です。難しい「モノづくり」のかじ取り 東芝は日本国外での連結売上高比率が50%以上を占めるグローバル企業です。また、製品を作るための材料の購入元や、生産場所も世界中に拡がっています。品質、コスト、納期、顧客へのサービスを高いレベルで満たす製品を生産するために、グローバル視点での最適SCM(Supply Chain Management)構築を含め、多様化する事業環境に合わせてモノづくりのかじ取りをしていくことが求められています。TopicsStaff Voice東芝インフラシステムズ株式会社 府中事業所社会インフラシステムソリューション部 社会インフラシステム生産担当2016年入社 理工学部 管理工学科平岡 賢祐Hiraoka Kensuke社会基盤を支えている装置の計数管理をする仕事です。 私は上下水道監視制御システムやビル施設監視制御システムなど社会基盤を支えている装置の生産高や棚卸資産などの生産活動における計数管理を行っています。年に1度見直される中期経営計画では、人員計画から生産計画、工数計画、資金計画などの計数を、事業や部門としてのあるべき姿とリンクさせて策定しています。 管理されている計数は経営をする上で大事な指標となっており、精度を求められますが、事業範囲が多岐にわたっているため、関係各所も多岐にわたっており、管理業務は非常に複雑です。そのため各部署の担当者と積極的にコミュニケーションを取ることを心がけています。 計数管理をしていると数字ばかりにとらわれて、それだけを先行してしまう危険性があります。私は現場や現物、担当者の声を定期的に確認することで、どのようなことが現場で起きているか、担当者はどのように考えているかといった情報を自分自身で確かめることで、実情と数字との整合性を常に考慮しています。
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