火 Tuesdayシミュレーション評価、技術ディスカッション水 Wednesdayシミュレーション評価、資料作成木 Thursday事業部との定例会議土 Saturday保育園行事日 Sunday家族で外出、趣味の時間企業情報さまざまなフィールドで活躍する東芝グループの女性エンジニア。仕事とオフをご紹介します。研究開発センターのワイヤレスシステムラボラトリーで気象レーダの信号処理開発を担当している青木さん。仕事とプライベートのメリハリを大事に安心・安全な社会を支える製品をつくりたいといいます。株式会社東芝 研究開発センター情報通信プラットホーム研究所ワイヤレスシステムラボラトリーある1週間のスケジュール月 Monday論文調査、アルゴリズム検討ある1日のスケジュール午前 Morning7:00自宅を出発(保育園へ子どもを預けるのは夫担当)午後 Afternoon12:00昼休み13:00担当業務(アルゴリズム検討、シミュレーション評価等)青木さんの仕事風景8:00出社8:151日の大まかなスケジュールを作成15:00事業部へ進捗報告2011年、工学研究科電気電子情報工学専攻修了。研究開発センターに配属。2015年に第一子出産後、育児休暇を半年間、短時間勤務を半年間活用。保育園からの急な呼び出しの時などは時間単位年休を使って仕事とプライベートの両立を図っています。 金 Fridayシミュレーション評価8:30担当業務(アルゴリズム検討、シミュレーション評価等)18:30帰宅17:30終業、保育園へお迎え10:00チームメンバーと技術ディスカッション21:00子ども寝かしつけ19:00夕食91女性エンジニアのワークスタイル技術者としてモノづくりに関わりたい 子どもの頃からモノづくりに興味があり、NHKテレビの『プロジェクトX』を毎週楽しみに観ていました。とにかく、モノをつくり出す技術者に憧れていました。 大学の専攻は通信系だったので友人たちの多くは通信事業者に就職しましたが、私は研究の成果を形ある製品にして、世の中に役立てたいと思っていました。そのことから、就職活動は電機メーカーに絞り、さまざまな企業の研究所を見学しました。 東芝グループを志望したのは、大学での研究と関わりが深かったこともありますが、なによりも研究内容が多岐にわたっていた事からです。それまで学んできた無線通信システムの研究開発だけではなく、テレビの送信機やレーダ開発なども手がけていて、さまざまな製品開発にチャレンジができそうな予感がしました。災害を予測する気象レーダの開発 私は所属しているワイヤレスシステムラボラトリーで、気象レーダの信号処理技術の研究をしています。東芝グループでは世界に先駆けてフェーズドアレイ気象レーダの研究開発をしています。このレーダは観測方向のビームを複数同時に形成することで従来のものより観測時間を大幅に短縮することができる一方、ビルや山からの不要な反射や他の無線機からの干渉を受けやすいという特徴があります。この不要な信号を低減する最適ビーム形成技術の開発も私の仕事です。さらに開発が進めば、「これからゲリラ豪雨が来るので屋内に避難して下さい」などという避難指示が出せるようになるかも知れません。 気象状況を迅速かつ正確に把握することは、近年頻発している集中・大規模豪雨などの防災や減災につながります。この研究の成果が世の中に果たす役割は大きいと確信しています。モノづくりの醍醐味は製品化にある 学生時代、信号処理の基礎は学びましたが、レーダの信号処理開発は私にとって新たな分野でした。東芝グループには手厚いメンター制度があり、新入社員の育成と日常の業務をサポートしてくれます。優秀な先輩たちが新入社員のためにOJT(On the job Training)を基本としながら、定期的な勉強会を通してレーダの基礎等を教えてくれたので、すんなりと業務になじむことができました。 ちなみに、東芝の研究開発センターならではのアンダー・ザ・テーブル制度は規定時間内なら自分がやりたいテーマの研究が可能です。研究成果を発表する場もあり、優れた研究なら事業化されることもあります。これは、ものづくりを目指す技術者にとって最高の喜びです。仕事&育児は集中力と達成感がカギ 東芝は女性のキャリアを支える育児休暇や時短勤務などの制度が充実していて、キャリアと育児を両立できる会社です。実際に、現在ラボには約10%女性研究員がいますが、多くが当たり前のように子育てをしながら働いています。私は入社当初から早く子どもが欲しいと思っており、第一子を出産したのは入社4年目でした。周りに沢山のロールモデルがあったので、特に不安もなく出産し、復職することができました。 復職当初は、保育園に入ったばかりの子の急病などで満足に出社できず大変でした。休暇制度を利用しながら夫と両親の協力を得ながら交替で勤務しました。業務が遅れることもありましたが、チームや事業部と連携を密に情報共有することで、予定通り業務を完遂できました。この時、ありがたかったのはチームメンバーや関係事業部の温かい対応です。 このこともあって、最近では効率よく業務を進めることを意識しています。通勤時に1日の仕事のシミュレーションをし、無駄な作業は省く。また、業務中は集中し、日毎に小さくても良いので成果を出し達成感を得るよう努めています。家に帰ると、私の研究者スイッチは自動的にオフになり、家族との時間を目一杯楽しんでいます。これからも仕事とプライベートのメリハリを大事に、安心・安全な社会を支える技術を開発し、いつか子供に誇れる製品をつくりたいと思います。青木 朝海
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