2023年10月べカルト社と東芝エネルギーシステムズ、グリーン水素製造におけるグローバルパートナーシップの構築に関する覚書を締結 べカルト社と東芝エネルギーシステムズは、今年末までに正式なパートナーシップ契約へと関係を発展させるべく、このたび覚書に調印しました。ベカルト社は、水電解装置のMEAの主要部品であるチタン不織布(PTL)において市場で主導的地位を占めており、グローバルで商業・製造ネットワークを確立しています。東芝エネルギーシステムズは、高性能で大型のPEM水電解槽用MEA(Membrane Electrode Assembly)を開発しています。また東芝エネルギーシステムズは、高い水電解性能と耐久性を実現しながら、MEAの製造に不可欠な高価で希少な貴金属であるイリジウムの使用量を1/10に削減できる省イリジウム技術を持っています。 ベカルト社と東芝エネルギーシステムズは、エネルギー転換と脱炭素化のトレンドを背景に、再生可能エネルギー市場、特に株式会社東芝が開発した省イリジウム技術を活用したグリーン水素製造分野において、成長戦略を加速します。LinkLink2023年9月フルヤ金属と希少金属イリジウムの安定供給網構築に関する事業提携検討の覚書を締結 株式会社フルヤ金属とPEM(プロトン交換膜)水電解装置の中核部材として使用されるイリジウムの安定的な供給網の構築に向けた事業 提携を検討することについて覚書を締結しま した。これにより、世界的に希少なイリジウムのサプライチェーンを強固なものとし、東芝グループが技術開発したイリジウムを用いる膜電極接合体(「MEA」)製造の事業を強化していきます。 今回の提携検討により、当社とフルヤ金属は、イリジウムにおけるそれぞれの強みである 省イリジウム技術と、リサイクル技術・安定供給能力により、価格変動リスクを抑止し、MEAの コスト低減を目指します。 当社は、クリーン水素社会の実現に向けて、水電解分野でのビジネス拡大・脱炭素社会の 発展に貢献してまいります。LinkLinkLinkLink48純水素燃料電池セルスタックの展開CO2フリー水素を活用したカーボンニュートラル社会実現に向けて 日本政府は2020年10月に2050カーボンニュートラルを宣言し、具体的な戦略として同12月に“グリーン成長戦略”を策定しています。この中で“水素はカーボンニュートラルのキーテクノロジー”と位置付けられ、様々な産業での活用が求められています。エネルギーアグリゲーション事業部は、2014年4月に次世代エネルギー事業開発プロジェクトチームとして発足し、水素関連事業を進めてきました。基本となるのは1960年代より開発を開始した燃料電池の技術です。現在では純水素型の燃料電池としてCO2を発生しないエネルギーを提供している他、燃料電池の基礎構造であるセルスタックを乗り物など様々な用途に展開する検討を行っています。P2G(Power to Gas)技術については、福島県浪江町で建設を進めてきた水素エネルギー研究フィールドワーク「FH2R」において、2020年7月より再エネの電力を利用したグリーン水素の製造を開始しています。 カーボンリサイクルのビジネスモデル ここでは水素需要予測システムと電力系統制御システムにより、水素と電力の二つのインフラを調整する実証を行っています。製造された水素は、定置用燃料電池向けの発電用途、燃料電池車や燃料電池バス向けのモビリティ用途などに使用されています。 また、人工光合成技術を応用したP2C(Power to Chemicals)の実証事業を開始しました。P2C は、排出されたCO2を再エネ電力によりCOに電気分解し、水素などとの反応により合成燃料や化成品の原料に再資源化する技術です。研究所で開発した要素技術と従来からあるセルスタック製造技術の融合による処理量の飛躍的な向上により、これまでCO2排出量削減が難しかった産業でのCO2削減に寄与できるようになりました。 今後もカーボンニュートラル社会実現に向けて貢献していきます。「福島水素エネルギー研究フィールド(Fukushima Hydrogen Energy Research Field (FH2R))」福島県浪江町本事業はNEDO※ 「水素社会構築技術開発事業/水素エネルギーシステム技術開発」の一環として実施しています。(※)NEDO: 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構FH2R事業の全体像2023年4月「Power-to-Gas」の実用化に向け、FH2Rを用いたシステム制御の高度化推進 東芝エネルギーシステムズ株式会社、東北電力株式会社、岩谷産業株式会社は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「水素社会構築技術開発事業/水素エネルギーシステム技術開発/再エネ利用水素システムの事業モデル構築と大規模実証に係る技術開発」について、NEDOと実証期間を2025年度末まで延長する業務委託変更契約を締結しました。3社は、本事業の拡充・強化を目的に、システム制御の更なる高度化に向け取り組んでまいります。水素エネルギー事業CO2フリー水素がつくる持続的で安心安全快適な社会再エネ主力電源化の課題である「系統安定」と「再エネ電力抑制の増大」に対し、「SOEC(※1)をはじめとした電解コア技術を使った水素製造システム、CO2電解を使ったカーボンリサイクルソリューション」及び「純水素燃料電池システム」を提供します。※1:SOEC:Solid Oxide Electrolysis Cell(固体酸化物形水電解)Topics
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